名電赤坂駅-宮路山-五井山-蒲郡駅 (2020.2.6)

(β版) 

☆期日/天気/山行形式: 2020年2月6日/晴/市中ホテル2泊山巡りの1日目
☆地形図(2万5千分1): 御油(豊橋11号-4)、小坂井(豊橋12号-3)、老津(豊橋12号-4)
☆まえがき
    昨年の10月の三河・渥美半島初山行では雨になっっため、御油から宮路山に登った所で引き返し、名電赤坂駅まで歩いて終わりました。
 今回のやり直し山行は厳冬の強風が吹き付ける寒い日でしたが天気はよく、宮路山から 402.7m峰を経て五井山まで尾根伝いをしたあと西尾根を辿って三河大天満宮から石山神社に下降しました。
大気が澄んで遠望が利き、宮路山、五井山の頂上では素晴らしい展望を楽しみました。


☆ルートの概要


詳細ルートマップ   (上の画像をクリックすると元図が表示されます)

  ★このルートマップは Windows アプリの カシミール3D に国土地理院新版淡色レベル16 を読み込んで作成しました。
   GPS軌跡の記録と地点マーカ位置の補正には Android アプリの山旅ロガーと地図ロイドを使用しました。
   ルートの詳細を伝えるため元図はサイズが大きくなることがあります。
   ダウンロードしたら適宜縮小するか要所を切り出して印刷、利用してください。
   縦横比は維持していますが縮尺は不定です。 国土地理院の紙地図と対比するなどして推定してください。
    ページ末尾にあるリンクからGPS 軌跡とランドマークの GPX データをダウンロードすれば、精確なルート図を作れます。


<行動時間>

    宮崎台[6:30]=(東急線)=あざみ野=(横浜市営地下鉄)=[7:00]新横浜[7:16]=(コダマ633号)=[9:08]豊橋[9:15]=(名鉄特急名鉄岐阜行)=[9:22]国府[9:25]=(名古屋本線東岡崎行)=[9:29]名電赤坂(10:01)-宮路山登山口(10:20)-歩道分岐(10:43/50)-ドウダンツツジ園地東屋(11:24/28)-ログハウス(11:31)-宮路山(11:45/12:00)-五井山へ3.1Km の道標(12:215)-五井山 2.3km道標(402.7m三角点)(12:35)-長沢駅分岐(13:05)-車道(13:22)-五井山(13:35/50)-石山神社下降点(13:58)-御岳展望点(14:18)-人道トンネル(14:31)-天満宮(14:38)-二段林道交差点(14:54)-農道出口(15:05)-石山神社(15:20/35)-(16:28)蒲郡駅[16:27+3]=(東海道本線)=[16:29]豊橋-宿舎{ホテルアークリッシュ}


☆ルートの詳細

 名電赤坂駅は広々した畑の中にぽつんとある小さな無人駅でした。

 豊橋から名鉄電車で20分程ですから朝の程々の時間に家を出て新幹線でアプローチすれば程よい時間に行き着けるのですが、豊橋から出ている名鉄本線の特急電車の通過駅になっているため、4つ目の国府(コウ)で豊川から来た各駅停車に乗り換えないと東岡崎まで連れて行かれてしまいます。
土地勘のない余所者は要注意です。


  駅前広場に出ると畑の向こうに山が見えました。
真ん中のきれいな三角形が宮路山のようです。

  駅前通りを進んで旧東海道筋に突き当り、右折して西に進んでゆく所では昔の宿場町の面影を残す家並みが続いていました。

 中心街を通り過ぎて家並みが途切れかかるあたりに立っている電柱に宮路山への入口を示す標識が出ていました。

  左折して山に向かうとすぐ尾根の端に突き当たり、道が左右に分かれます。
二股の角に "宮路山登山口" の標識があって左手の道を進むよう指示していました。

  緩やかにまわり登ってゆく舗装路を進んでゆくと林の隙間から宮路山の頂上が見えてきました。

  車止め広場のある歩道入口に着きました。
入口に案内看板が立っています。

  進入した登山道は綺麗な森の中を緩やかに登ってゆく幅広い道で、とても気分良く歩けました。

  谷溝の詰めに登り着き、尾根の背を乗り越える所で右下の駐車場から登って来て尾根の背を登ってゆく道と交差しました。

  乗越の僅か先の道の上に八角形の東屋がありました。
前年の10月に来た時に雨宿りをした東屋です。


(画像をクリックすると拡大)

  このあたりはコアブラツツジの紅葉の名所だそうです。
八角東屋の下から谷間にかけて園地になっていて奥の方にはもうひとつ東屋があります。

  右下に奥の東屋を見ながら斜面を横切ってゆくとログハウス風休憩舎の見晴台テラスの支柱の足許になり、そこを通り過ぎて沢溝の向かい側に移ると頂上への急登になりました。
急な斜面を折れ登ってゆく丸太階段の道はこの山の登りで最も急な部分ですが長くはないので一時の辛抱です。

  急登を抜けると頂上の肩で右へ五井山への尾根伝い道が分岐していて、T字路状の突き当りの正面に立っている道標の左の腕木は宮路山、右のは五井山、と記されています。

  左に向かい、ひと登りで宮路山の頂上広場に出ました。
広場の奥の高みに立っている大きな石碑は宮路山聖跡碑で、大宝2(702)年に三河を行幸した持統天皇が、この地を訪れたと伝えられるていることを顕彰しいます。

 石碑の前に並んでいる数基の野外ベンチでは、豊橋市街から三河湾を眺めながら休憩できます。

 前年の10月、雨の中を登ってきて見たのとは大違いの雄大な展望でした。

宮路山頂上の展望 (画像をクリックすると拡大スクロール)


  非常に冷たい風が吹き付けて来る日でしたが稀な絶景に巡り合って立ち去り難く暫くベンチに座っていたのですが、このあと五位山を越えて蒲郡駅までの道のりが長いのであまりゆっくりしていられません。

 最前通ってきた五井山ルートの分岐点までもどり、縦走ルートに進入しました。
まず僅かに登りながら右手に進むと北方への視界が広がるコブに上がりました。

 コブの頂上から左に向かって進んでゆくと暖地林に覆われたほっそりした尾根の背を行くようになりました。
暖地林は冬でも葉が落ちず寒冷な北風を和らげる防風林になっていて快適に歩くことができました。

  宮地山と五位山との中間にある 402.7m 峰の登りにかかる所には二重山稜のような地形がありました。
左側の尾根の背に上がってゆく踏み跡を見送ったあと僅かに凹んだ溝状の中を登りました。

  二重山稜の溝状の所を登りあげて尾根の背に上がって右折。 さらにひと登りしてから左手へ回り、緩やかに登って行ったのが緩やかな下りに転じる最高点に、五井山へ 2.3Km と記した道標が立っていました。

 ナビゲーションに使っている端末を出し、地形図と GPS 座標を参照すると 402.7m 三角点のすぐ脇に居ることが分かりました。

 すぐ先で僅かに登ると道の右手が明るくなったので林の間を覗きこんでみたらすぐ下が広場になっていて左のように大きな電波塔が立っていました。

  ここから先は暫くの間、電波塔へ通じている車道に沿って歩くようになり、歩道が林道に接近している所には写真のような擬似木の柵が立っていました。

  暫く歩いているうちに車道は離れて行って見えなくなりましたがコブを越え僅かに下って行った所に五位山 1.5Km と記した道標が立っていました。

  穏やかに上下して行くルートをさらに進んで地形図に 368m と記されているコブを越した所に道標が立っていて、左に分岐している道を下ってゆくと赤坂駅、長澤駅に行ける旨が記してありました。

 あらためて地形図を確認してみたら、宮路山の肩を乗り越えてきた車道がここで稜線のすぐ下まで接近してきている事が分かりました。

  五井山が近づいてくると登りが続く様になり、徐々に急になってきました。

丸太階段が続くようになると程なく前の方が明るくなり、木立の間に林道のガードレールが見えてきました。

  急な丸太階段を登って出合った林道はU字カーブの頂点の所で、右に進めば五位山頂上と記した標識板が道の向かい側に立っていました。

  林道は簡易舗装されていましたが両側に落ち葉が積もって舗装面が狭められていました。

 暫く進んだ所にふたつ目の標識があって五位山頂上への入口を示していました。
  ややヤブっぽい細道を進んで行ったらパッと前が開け、五位山の頂上広場に飛び出しました。

南方への視界が開け、正面は三河湾、手前の陸地には蒲郡の市街が広がっていました。
海の向こう側を渥美半島が横切っていて、右手遠くの雲の下には紀伊半島が見えていました。
 展望用ベンチが並んでいる頂上広場は南下がりに傾斜し、背後の林が風を防いで、格好のひだまりになっていました。

 遠路遥々やってきた初日にこの様な絶景にめぐり逢えた幸せを喜びながら暫く休憩しました。

(画像をクリックすると拡大スクロール)

  存分に展望を楽しんだあと蒲郡への下山に取り掛かりました。

 前回の敗退のあと時間があったのであらためて調べ直した結果、東西に走っている五井山頂稜の西側を辿って下降して清田の石山神社に下山したあと、少々長い街歩きをして蒲郡駅に出る計画を決めていました。

  頂上広場の西側を占領している旧電波塔の鉄柵を回り込んで入口ゲート前まで行くと非舗装の車道が上がってきていました。
この林道をゲート前jから西へ 7~80m ほど進んだ所にパラグライダー発進場がありました。

  発進場のすぐ先で車道のUターンカーブがあって、その先端から山林の間に入ってゆく歩道があり入口に石山神社への下降点を示す標識がありました。

  進入した歩道はしっかりした踏み固められていて思ったより人通りが多い感じです。
最悪、藪こぎもありと想定していましたがほぼ一般ルートと思って良さそうと、安心しました。

 ルート入口から 200m ほどの所にあるコブは左の写真のように細かな露岩が沢山出ていて幾分歩き難くなっていました。
あとから分かってことですが、これはこの山の地質によるもののようで、下降路の下部にも同じ様に小さめの露岩が詰まって歩き難くなっている所がありました。

  間もなく露岩は見えなくなり、穏やかな土道になりました。

 地形図の 198m 点はごく目立たないコブでした。
左のような古いプレートが置かれていなかったら気づかずに通過してしまったでしょう。

  198m 点からひと下りした所に左の写真のような案内板が立っていました。
右に分岐する道の先に "御岳眺望" があると書いてあります。

(画像をクリックすると拡大スクロール)

  分岐から 2、30m 進むと北方への視界が開け、遠くにそれらしい平頂の山が見えました。
ただ、この時期の御岳山は雪で白くなっている筈なのにあまり白く見えないのが不思議です。
視力が落ちている肉眼ではしっかり見えず自信が持てませんでした。

  元の道に戻って進むと下りが次第に急になってきて、やがて右下に舗装車道が見えて来ました。

 ザレ場のような所を人が下っている形跡も認められましたが少々歩き難そうに見えたのでやり過ごし、その先へ進んでみたらコースマークがあって道形が右折。
折り返すように下って行くと車道の縁に降り立つことができました。

  車道の縁に出た所で左右を見たら左手に立っているUターン標識の 10m ほど先に人道トンネルの入口が見えました。

  人道トンネルの中は左の写真のようで、すぐ先に谷側の出口が見えました。

 厳冬期のせいか全く車が走ってこない山中の道路にこんな立派なトンネルを作る必要があったのかなぁ?と思いました。

  トンネルを出た所で左折して車道の縁に上がり、谷側の路肩のガードレールの外側を 20m ほどヘツって進んだ所から右下へ降りてゆく道になりました。

 すぐ先に "三河大天満宮" と記した標識があったので分岐から左に進んで見たら 2、30m 程先にコンクリート造りのこじんまりした社殿がありました。
ひっそりした山中に鎮座している社殿は独特な神さびた雰囲気を漂わせていました。

  元の道に戻って下降を続けると細かな露岩が密集して歩き難い道になりました。
危険なところや崩壊地などはない穏やかなこの日のルートの中では際立って歩き難いところでした。

  久しぶりの山道で疲れが溜まってきて注意力が途切れ勝ちなっていました。
露岩の多い道で下手に転ぶと思わぬ怪我をするので気持ちを奮い立たせながら慎重に下ってゆくと下の方に林道が見えてきました。

  すぐ下を通っているもううひとつの林道に降り立ち、左の方へ僅か進むと右手に分岐している道の入口に "石山神社" への標識がありました。

  この下も石っぽくて歩きにくい道が続きましたが送電線巡視路らしい道に出合うと歩きやすくなり、左へ僅かで送電線鉄塔の袂を通過。
右手に下るよう指示している標識に従って少々藪っぽい杉林の中の道を下ってゆくとひょっこり舗装農道に飛び出しました。

  この農道は柑橘類の果樹園と山林の間を通っているものでした。
今まで知りませんでしたが蒲郡は国内有数のみかんの産地なのだそうです。

  右手の農道を下ってゆくと集落の道路になり、間もなく最奥の人家の横手に出ました。

(画像をクリックすると拡大)

  五井山の麓の高台は南へ傾斜し、下の方に三河湾を見渡し、とても気分の良い住みやすそうな所でした。

 みかん畑の間を縫って坂を降りて行くと道端の農家の庭先には様々な花が色々咲いていて綺麗でした。

  集落の下手にある石山神社は明治初期に近在5社をあわせた郷社で、菊理媛命 伊邪那美命 伊射波止美命 猿田彦命 軻過突智命 応神天皇を合祀しています。

 初見のの山を無事に歩き切れたことに対する感謝を捧げた上で石階を降り、一番下の段に座ってこの日最後の休憩をしました。

(画像をクリックすると拡大)

  神社から蒲郡駅まで結構長い街歩きとなりました。
蒲郡の中心街に入るまでは大規模な温室と町工場と新興住宅地が混在しているのを珍しく感じました。

 進行方向右手にある蒲郡駅に向けて時々横向きの道を歩き、ジグザグに進んで行くこととなりましたが、横向きの道を歩いている時に北の方を見ると、家並みの上に穏やかに起伏している五井山の頂稜が見えていました。

 行き着いた蒲郡駅は大きな建物に人が少なく、ガランとしていましたが東海道本線の駅ゆえ列車が頻発し、ホームに上がるとすぐ、豊橋行の電車に乗る事ができました。


<補足情報>

 GPS軌跡・地点マークのダウンロード
  ★ページ上部のルートマップの GPS 軌跡と地点マーク情報をまとめて ZIP 圧縮したものです。
      解凍するとそれぞれの GPX ファイルが得られ、お好みの様式で精度の良いルート地マップ作成することができます。


 Googleフォトアルバム
  ★撮影地点の経緯度情報が付いた画像のアルバムです。


☆おわりに
    半年前に宮路山頂上から引き返した敗退山行のリベンジが最高の形でできました。
地球温暖化の影響で暖冬傾向とは言え、厳冬期の寒波によって吹き込んできた風はとても冷たく、温暖な三河の低山でも手袋を外せない日となりましたが、乾燥した大気は透明で遠くがよく見え、宮地山と五位山の頂上で素晴らしいパノラマを楽しむことができました。

 五井山から蒲郡方面への下山ルートに関しては、印刷物では、捗々しい情報を見つけることができませんでしたが、ネット検索で見つかった地元の登山愛好家による詳細なルート情報が大いに役立ち、初見のルートを安心してトレースすることができました。

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