伊勢路Ⅲ、相賀-尾鷲-三木里-二木島-新鹿 (2009.5.21-24)


☆期日/山行形式:
2009年5月21-24日 市中ホテルを基地に熊野古道伊勢路歩き継ぎ。

☆まえがき
    VAN シニアグループの伊勢路歩き継ぎは、昨年の春、伊勢神宮からスタートした。
今回はその3回目で、相賀から新鹿までを歩く計画だった。
このあたりは伊勢と熊野の国境にかかり、伊勢路最大の難関と言われている。
4日の間に馬越峠、八鬼山、三木里峠、羽後峠、甫母峠、二木島峠、逢神坂峠と、七つの峠と峰を越さなければならない。

  参加メンバーは8人。
この3年、紀伊のあちこちを歩き回っている間に、かなり足が揃ってきているが、何か起きたときにエスケープできるルートがない険路をうまく歩き通せるかどうか、一抹の不安はあった。
"山屋の定理" に、険路ほど眺めが良いと言うのがあるのだが、古道歩きにもこれは当てはまり、紀伊半島南東部の変化に富むリアス式海岸の展望が期待できた。  新鮮な魚介類を味わえるのも楽しみだった。

  好天が続きやすいことを期して時期を5月下旬に定めたのだが、狙い的中とは言い難く、からっとした晴天には遭えず、雨の日もあった。
順路にこだわらず日程を入れ替えたのが功を奏し、八鬼山越えの日は薄日の当たる落ち着いた天気となり、雨で濡れた石畳を登降せずにすんだ。
3泊の足溜まりを求めた尾鷲では連夜、本場の美味しい魚料理に遭遇し、伊勢路の難関を突破するのに必要なエネルギーの供給ができた。

天狗倉山頂上から尾鷲を望む  
 (画像をクリックすると拡大)


☆5月21日(曇): 相賀-馬越峠-尾鷲
[概要]
    足溜まりとなる尾鷲のホテルに荷物を預けたあとバスで相賀まで戻って馬越峠越えを行った。
雨の心配をしていたが予報より天気がよく、高曇りの落ち着いた空模様になった。
初日の峠越えでは、メンバーの体調をはかることが大切だったが、風邪気味だった自分以外は全員好調なようだった。
  峠から天狗倉山の頂上に往復したが、奥秩父の瑞牆山に良く似た巨岩の頂上では上のパノラマ写真のような展望を楽しんだ。
石畳の古道を歩いて尾鷲の北川橋に下り、金剛寺と尾鷲神社を見てホテルに戻った。
夜は、近くの鮮魚割烹で会食を行い、魚の本場の味覚を楽しんだ。




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☆5月23日(曇時々晴): 尾鷲 向井-八鬼山-三木里
[概要]

    伊勢路最大の難関と言われる八鬼山越えは予定日が雨になったため、次の日の行程と入れ替え、3日目に歩いたが、日程変更が功を奏して、雲行きの落ち着いた好天に恵まれた。
尾鷲駅北川橋から峠登り口までは2日目にカバーしておいたため、時間的な余裕が得られ、ユックリ楽しく峠を越せた。
ただ、行程の終わり近くの名柄で楽勝気分になりすぎ、三木里駅までの所要時間を読み誤った。
最後の15分ほどを汗みずくになって歩き、ギリギリのタイミングで駅に駆け込む、というご粗末を演じた。




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☆5月22日(雨のち曇): 三木里-三木峠-羽後峠-甫母峠-二木島
                             (大曽根浦-矢の浜道-尾鷲)
[概要]
   3日目の行程だったが、雨による日程変更により2日目にカバーした。
登降差が少なかったが、越えた峠の数が多く、距離が長かった。
雨にもかかわらず順調に歩いたが行程最後の二木島への急降下が厳しかった。
列車の時間を勘違いしたこともあって、フゥフゥ言いながら駅に駆け込む、と言うひと騒動を演じた。

  尾鷲の宿に帰る途中、ひとつ手前の大曽根浦駅で下車し、熊野古道センターとゆめ古道に立ち寄った。
併設入浴施設 ゆめ古道の食堂で食事し、センターを見学をしたあと、向井の八鬼山入り口からホテル近くの北川橋まで、尾鷲市街の古道筋を歩いた。
この日の行程は4日のうちでもっとも体力的な負荷が高かったが、夜食べた鮮魚料理の美味しさが疲れを吹き飛ばしてくれた。  薬と運動と栄養のお蔭で風邪も治ってしまった。




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☆5月24日(曇一時雨): 二木島-二木島峠-逢神坂峠-新鹿
[概要]
    最終日は二木島から新鹿までの5Km 足らず。
順調に行程を消化してきたあとの最後を飾る、余裕のショートウオークとなった。
苔生す石畳を踏んで二木島峠に上がり、ふかふかの苔の道を歩いて最後の逢神坂峠へ。
ふたたび苔の石畳を歩いて橋間の里に下って行くと、行く手に新鹿の美しい砂浜が見えてきた。

  思ったよりずっとうまく歩ききれた旅の余韻に浸りながら、寄せては返す波を眺めたり、砂浜に咲くハマヒルガオを見たり、優雅な時間を楽しんだ。




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旅の締めくくりとなった新鹿海岸    (画像をクリックすると拡大、スクロールします)

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☆おわりに
    伊勢から熊野への関門ともなっている伊勢路最大の難関を、思ったよりずっとうまく歩き切ることができたのは嬉しかった。

  このあとは、松本峠から七里御浜を歩いて二日で新宮、という所まで来たのだから2年越しのプロジェクトの成功はもう目の前だ。
  途中から分かれて内陸に入り、風伝峠を越して熊野川を渡り、万世峠で雲取り越え道に合わさる本宮道も歩いてみたいという声なども出始めている。