越戸の大山 (2020.2.8)

(β版) 

☆期日/天気/山行形式: 2020年2月8日/晴/市中ホテル 2泊山巡りの 3日目
☆地形図(2万5千分1): 野田(伊良湖岬 13号-1)
☆まえがき
    三河山巡りの3日目も好転に恵まれました。
前回は天気が悪くて伊良湖岬ウオークに計画を変更し、山麓を通過したバスの車窓から見ただけで終わった越戸の大山(320m)に登り、渥美半島最高峰から遠州灘と三河湾の展望を楽しみました。


☆ルート詳細図



詳細ルートマップ
  (縮小画像をクリックする
   と元図が表示されます)

★このルートマップは Windows アプリの カシミール3D に国土地理院新版淡色レベル16 を読み込んで作成しました。

 GPS軌跡の記録と地点マーカ位置の補正には Android アプリの山旅ロガーと地図ロイドを使用しました。

 ルートの詳細を伝えるため元図はサイズが大きくなることがあります。
 ダウンロードしたら適宜縮小するか要所を切り出して印刷、利用してください。

 縦横比は維持し、スケールも付けてありますが縮尺は不定です。
 国土地理院の紙地図を参照するなどで推定してください。


<行動時間>

    新豊橋[7:26]=(豊橋鉄道渥美線)=[8:05]三河田原/田原駅前バス停[8:58]=(豊鉄バス伊良湖支線)=[9:25]越戸(オット 9:38)-参道鳥居(9:55)-御岳神社入口(10:25)-雨乞山道分岐(10:38)-大山頂上展望台(10:50/11:15)-御岳神社(11:25/35)-大黒様木像(11:49)-白山比咩神社(11:52/12:02)-(12:17)越戸[12:22]=(豊鉄バス伊良湖支線 690円)=[12:50]田原駅前/三河田原[13:02]=(豊橋鉄道渥美線 520円)=[13:37]新豊橋/豊橋[14:47]=(ヒカリ#522)=[15:52]新横浜=(市営地下鉄)=あざみ野=(東急線)=[16:48]宮崎台


☆ルートの詳細

 渥美半島の最高峰 越戸の大山へ公共交通機関を利用してアプローチするには、三河田原駅から豊鉄バス伊良湖支線を利用します。

 前日と同じように新豊橋から出ている豊鉄渥美線の電車に乗って三河田原駅に行きました。
伊良湖支線保見行バスは毎日9便運行されていて、駅前バスターミナルで乗り継いだら、1時間10分ほどで越戸(オット)に着きました。

 越戸は大山の麓の遠州灘に面した南斜面にある村で、温暖な気候を利用した花卉栽培が盛んなようです。

  家並みの間の路地を間を通り抜けて集落の裏手に出ると花作りの畑の背後に屏風のような山が聳えていました。

  畑の中の道を暫く歩いた所で参道に出合ったので右折して山に向かうとすぐ先に石鳥居が立っていました。

 白山比咩神社の鳥居ですが支柱の間に縄が貼り渡されているのは車の乗り入れを防ぐためのようです。

  鳥居を潜ったすぐ先から右手に分かれている砂利敷の幅広い道が登山道でした。

  少しのあいだ緩やかに登っていった所にあった角を曲がって鋭角に折り返すと、そのあとは小刻みにV字ターンを繰り返しながら急斜面を登って行く道になりました。

 大雨の時に流れた水流で路面が荒れてゴーロ状になってかなり歩き難くなっていました。

  暫くの間折れ登りを続けるとようやく急斜面の上部に上がり、左手へ回って尾根を乗り越えると、傾斜が緩やかになった斜面を横切りながら頂上に向かって行く穏やかな雰囲気の道になりました。

  右手に登ってゆく道が分岐していて入口に "御岳神社入口" と記した標柱が立っていましたが下山時に立ち寄ることにして通り過ぎました。

  緩やかな上り坂のまわりは濃密に茂って藪の様な暖地林でした。
大山の原生林は三河国定公園の 「越戸大山原生林」 として保護されているそうです。
また、このあたりから伊良湖岬にかけては渡り鳥の通路で毎年8月から 11 月にかけて何万・何十万羽、百万羽を越え るかも知れないタカ・小鳥類が適宜休息しつつ通過して行く壮観な景色が見られる、バードウオッチャーのメッカだそうです。

  すっかり穏やかになった道を気分良く進んでゆくとパッとまわりが開け、大きな電波塔の袂に着きました。

 目の前に灌木林に覆われた高原状の平らな地形が広がっている様は、越戸から見上げたときの印象とは全く違います。

  ふたたび密生した藪状の暖地性灌木林の間の道になりましたが平坦で山上のお散策になりました。

  藪が切り開かれた所があって直進すると雨乞山方面へ行けることを示している道標が立っていました。

 この山行の計画を立てる時に見た分県ガイド本には国土地理院地形図の大山山域に書き込まれている破線路はすべて廃道化していると記されていました。
帰宅したあとであらためてネットを検索してみたら  "雨乞山・大山 渥美半島横断自然歩道縦走【愛知130山】" と称する2018年12月の山行記録をはじめとしていくつかのルート情報が公開されている事を知り、一般ルートして歩けるレベルに整備されていることが分かりました。

  雨乞山分岐道標の手前で左折。
平らな道を50m ほど進むと大きな展望台と2基の電波塔が並び立っている所に着きました。

  展望台の袂には大山頂上を示す標柱と石積が並んでいます。

  誰も居ない静かな山の頂の展望台の上に座って渥美半島最高峰の展望を心ゆくまで楽しみました。

(画像をクリックすると拡大)

  伊良湖岬の方をみる岬の先端は霞の中でしたがその手前にある堀切海岸の砂浜を縦観することができました。

 視線を転じて北の方を見ると雨乞山とその左手の伊川津あたりの集落が見えました。
右手遠くに見える山並みは前日に歩いた田原アルプスに違いありません。

 三河湾の向い側は蒲郡です。
左手に三ヶ根山、正面の市街地の背後には二日前に歩いた宮路山から五井山が見える筈ですが前日より更に濃くなった霞が視界を遮り、ほとんど何も見えませんでした。

大山頂上展望台の眺め  (画像をクリックすると拡大スクロール)
  。

 長年の山歩きのスタイルで、往復登山は登路を引き返す後半がだらけ、面白くなくなるので、極力避けることにしているのですが、この日は交通不便な遠隔地から長途帰宅するので例外としました。

 面白くないのと引き換えに下山に要する時間を正確に見積もれる下山路を、時計を見ながら下降して行く途中、御岳神社に立ち寄りました。

 分岐から50m ほど入った左手に写真のような鳥居が立っていました。

  鳥居の先から急な石段を登り上げた所に鎮座している社殿は小振りながら堅固な雰囲気を漂わせていました。

 山麓にある白山比咩神社の奥社にあたるのではないかと思ったのですが "白山比咩神社奥社" と言わず "御岳神社"というのは何故なのか分かりません。

  下降路下部の急斜面をV字ターンを繰り返して高度を下げて行くと最後の曲がり角に恵比寿・大黒(?)の石像が置かれていました。

  もう少し先で山道が終わって参道と出合う、という所から右手の山腹を横切って行く道を進み、白山比咩神社の石階の袂に着きました。

 長く急な石階の上に山を背にして社殿が厳かにみえました。

  社殿は山上の御岳神社と同じ切妻造りで庇の下には金箔の扁額が掛けられていました。

 3日に亘る山巡りを無事に楽しくやり切れたことへの感謝を神に捧げた上で石段を下り、鳥居の下の参道に出ました。

  参道から国道に出て越戸バス停に向かって歩き出した所でいま降りてきた山を見たら、急斜面の中腹の上に至極平坦な頂稜が乗っていて、登降して体験した通りの姿でした。

 参道出口から越戸バス停まで10分もかかりませんでした。
時計を見ながら下山してきたおかげで程よい時間待った所へ田原行バスが来て予定した時間に田原駅に戻ることができました。


<補足情報>

 GPS軌跡・地点マークのダウンロード
  ★上の地図の GPS 軌跡と地点マーク情報をまとめて ZIP 圧縮したものです。
       解凍するとそれぞれの GPX ファイルが得られます。


 Googleフォトアルバム
  ★撮影地点の経緯度情報が付いた元画像のアルバムが見れます。


☆おわりに
    越戸の大山は渥美半島の最高峰にふさわしく、広大な視界が得られる展望峰でした。
半島北岸近くにある雨乞山から尾根を伝わって大山に到達する渥美半島横断ルートが整備されていて、雨乞山から大山へのコースタイム入り詳細ルート図が"YAMAP" に公開されています。

 田原に宿舎を求めて足溜まりにすれば老いぼれ山屋でもなんとか歩ききれそうです。
前回訪れた時に吹き降りのため満足に歩けず、景色もまともに見れなかった伊良湖岬や田原アルプスで歩き漏らしている藤尾山から稲荷山とあわせ、大気が澄み渡り鳥が見られる季節に再訪して歩いてみようと思っています。

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