直線上に配置

新雪の阿武隈登り歩き[2]
(2002.12.10-13)

 林の中はかえって雪が少ない。 雪が木の枝の上に止まっているいるせいだ。 尾根から山腹に移ると傾斜が強まる。 スリップせぬよう登り上げると左から来た幅広の道に出合った。 鰍からの道との合流点である事を示す道標が立っている(左)。 路上の積雪は20cm ほど。 誰も歩いた形跡がない。 少し下った所にある平坦地が採石場跡らしい。 僅かな水流が雪の間に覗いていた。 向かい側の山裾に立っていた "頂上まで780m" と記した道標の脇から谷窪を登る。
かなりの急登で露岩が多く、その上に30cm 程の新雪が乗っていて足場が分からない。 手の届く範囲に笹や木がない所で困って辺りの雪を掻きまわしていたらロープが出てきた。 以降、登り難い所に突き当たるたびにストックでロープ探しをした。
 雪が深くなって膝辺りまで潜り、スピードがガクンと落ちる。 頂上まで "400m"、"280m" と記した道標があったが時計の針の進みが早いのにガックリする。 処女雪を踏み分けて登る気分の良さと単独ラッセルを辛いと感じるのとが交錯するままに歩き続けて尾根に上がった。 都路村へのルートを示すのと、頂上まで78m と記した道標が立っていた。 尾根上は雪が少なくて楽になった。 山の右側を巻いて進んだあと、左に向って階段を登ると頂上だった。 雪を被った石祠と三角点標石があったが小雪が舞っていてほとんど視界がない(左)。 雪まみれの山頂に長居をする気にはなれず、早々に下山開始。
 階段にはロープが取り付けてあった。 深雪の急な沢窪もトレースが出来てしまえばかえって下りやすい。
 ルンルン気分で分岐点まで戻り、雪上に腰を降ろして小休止しながら飲み食いをする。 林道への下りもあっという間だった。 雪は止み、所々に青空が覗くまでになっていた。 杉が伐採された所で振り返ると雪に覆われた杉林の彼方に今降りてきた山が厳しく立っていた(左)。 小なりとは言え、見栄えする山に降雪後初登頂できた事が嬉しい。
バス停に戻り、雑貨店の軒下で山支度を解いていると家の中から若い郵便配達人が出てきた。 鎌倉岳に登ってきたのかと聞かれ、雪でちょっと大変だったと答えると感心したような顔をした。 船引駅に戻って三つ目の菅谷駅まで行き、駅から2Km ほど離れた山裾にある星の村ふれあい館に泊った。
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