クールで静かなPCを自作する (13 Dec.'04)


◆まえがき

  LPレコードのデジタル録音を主な目的としてPCオーディオに手を着けた。
外付オーディオプロセッサーがUSB2で接続できれば用が足りるのではないかと思ったので、少し前に自作した Pentium III 800MHz, Windows Me PC(下右)を専用機として割り当てた。
デバイスドライバー/アプリケーションのインスートラーにはブツブツ言われながらも何とかセットアップを終えると念願のデジタル録音ができるようになった。
音質も期待以上に良かったのだが、"Me" という OS の出来の悪さのせいか、スワップが頻発してプツプツ音切れが起こるのが気に障ることおびただしい。 メモリー増設をすれば改善できるだろうと考え、まず 386Mbyte にして見たのだがあまり効果がない。 意地になってまた増設をし、512Mbye まで積み上げてみたがやっぱり駄目だ。
時には "メモリーが極端に不足しています" などと言うふざけたメッセージを出すのにとうとう我慢できなくなり、Athlon XP64 CPU で高速PCを自作し、入れ換えてしまった(2004年8月、下の写真左側)。

  512Mbyte のメモリー上の Windows XP をプラットフォームとして走行するオーディオソフトは非常に安定していて、音切れも殆んど気にならない位まで減った。
チップセットも改良されてI/Oが高速になったせいか、オーディオプロセッサー・デバイスドライバの設定を、DVDオーディオグレードの、24bit×96KHz にレベルアップしても余裕を持ってデジタル録音できるようになった。
サンプリングレート256Kbps でMP3 圧縮ファイルを生成してアルバムを作っているがエンコーディング処理も格段に早くなった。

  そればかりでなく、デジタルカメラやスキャナー関連の画像も迅速に処理できるようになったため、これまで主役を演じていた Windows Me 機の出番がなくなってしまった。
写真のまん中に写っている Linux 機のように、他をもって代え難い特技を持っていればともかく、信頼性の高い ASUS 製 440BX チップセットマザーボード機だという素性のよさだけではリストラの対象となるのを免れない。
  とはいっても、箱はまだ新しくて綺麗だし、周辺機器も日立-LGのスーパーマルチ DVD/CD ドライブに Panasonic の SCSI PD/CD ドライブと、2台のオプチカルドライブを備え、どんな種類のメモリーカードでも読み書きできるマルチカードアダプターも持っているなど、メーカー製市販機と比べたら格段にデラックスな装備を持っている。
  とても捨てる気にはなれないので、CPUとマザーボードを入れ換えてもう一度、新鋭機に仕立て直してみようと考えた。

   前回の Athlon XP64 CPU 機は、発熱が少ない割に高速なPCになったのだが、今度はさらに低消費電力でクール・静粛なPCにして見たいと思った。

  目的を達成するには、ノートPC用の CPU を使えば良い。
ついでの時に秋葉原に立ち寄ってショップを覗いて歩いたら、インテル社の Pentium M や AMD社の Mobile Athlon XP-M を置いている店が見付かった。
  それらの店にはデスクトップ機に組み込むための幾種類かの ATX 規格マザーボードも置いてあった。

低電力CPUとマザーボード
  性能的には Pentium M が最高だから、こちらを使ってみたかったのだが、CPUの価格はともかく、マザーボードが産業制御装置向け仕様で非常に高価なため、メモリーとあわせると安物のノートPCが買えてしまうほどのコストが掛かってしまう。

  財布とも相談した上で、 Mobile Athlon XP-M 2600+ を使ってみる事にした(左)。
2600+ という数字は、クロック 2.6GHz のインテル社CPUと同等以上の処理能力があると言うことだから、これまでメインとして使ってきた Cerelon 1GHzクラスから見れば大幅な速度向上になる。

  マザーボードは、CPU を売っている店の別フロアの棚に、この Mobile Athlon に最適と記したラベルをつけたのがあったので迷うことなくこれを購入した。
左の写真で示す Abit NF7-S2 だ。
さらに DDR 512Mbyte メモリーおよび、これなら静かで良く冷えますよと、店員が奨めた大形ファンクーラ(左下)も買った。

  しめて、2万5千円あまり。
CPU が約半分、マザーボードが5分の1ほどで済んだおかげだ。

  OSは以前、買い間違えたまま棚に上げている Windows 2000pro アップデート版を使えば良いので只で済む。
   この位の出費で新鋭PCが1台仕立てられるなら御の字だ。
シメシメといい気分で家に持ち帰り、その日の夕方から組立に取り掛かった。

  パソコンの自作というと、なんだか難しそうで、年寄りには無理なように思われるかも知れないが、実際はそれほどの事ではない。
各パーツの標準化が確立しているので、それらをステップバイステップで確実に取り付け、結線すれば大概はキチンと動く。

  ただし今回は、異なる用途を想定したCPUと古くなったシステムの部品を組み合わせて、ひと捻りした新鋭機に仕立て直そうとしたので、これから記すような騒ぎをやらかす事となった。
   まずマザーボードの現物をジックリ観察しながら説明書に目を通し、ボード上の部品の配列、特にあちこちに分散している接続ピンの位置の概略を頭に入れる。
デジカメで混み入った所を接写しておくとあとで助けになる。
  組立作業に必要な道具は僅かで、家電製品に合う位のサイズのプラス・マイナスドライバー、ディスクドライブのマスター/スレーブを設定するジャンパ−を抜き差しするのに便利なピンセット、ケースの中にボードを取り付けたあとに結線する時、接続ピンをよく見るためのペンライト位のものだ。
    そのほか、ルーペがあれば老眼で近くが見え難くなっているのを補うのに役立つ。

  この CPU は旧式のソケットA形式のため、CPU とファンクーラをマザーボードに取り付ける時に少々 "コツ" が必要だったが、最新形の CPU では、特に工具も使わなくても容易に取り付けられるよう、改良されている。

  上の写真は、 CPU とファンクーラとを取り付け、さらにメモリーも差し込んだ状態のマザーボードである。  ファンクーラの電線は、ボードの "CPUFAN" コネクタに確実に繋いでおく。

  ボードの中ほどに見えているチャコールグレーの AGP コネクタにビデオカードを差し込めばすぐにも動作の予備テストができるのだが、このマザーボードの ×4〜×8 AGP コネクターには、これまで使っていた ×2AGP カードが差し込めない事が分かった。
新しいカードを入手するため、急遽、近所のパーツショップに走った(7千円)。


  ビデオカードを取り付けたマザーボードにディスプレイ、およびキーボードと繋ぎ、ケースの電源と起動スイッチともつなげば予備テストができる。
電源を入れるとすぐに、ディスプレイに BIOS 画面が表示され、OKである事が確認できた。
BIOS メニューに入るとCPUがどのように認識され、動作しているかなど、様ざまな情報が見られる。
  今度の場合はデスクトップ用マザーボードにノート用 CPU という想定外の組み合わせをしたため、自動認識で FSB133MHz,コアクロック倍率×15 と設定されるべきところ、100MHz×6 で動作していることが分かった。

  なお、メモリーを差し忘れるなど、ハードに問題があって BIOS が立ち上がれない時はビープ音が鳴る。
音の断続パターンとマニュアルを参照すれば原因が分かる。

  ちょっと気になる所はあるが、一応正常な起動はできているので本組立の作業に移った。
  まず、作業の邪魔になるドライブは一旦ケースから引き抜いて空間を確保した上でマザーボードを所定位置に固定し、ねじを締める。
ボードの取り付けをシッカリやることは、長期にわたって安定動作するPCを自作するのに大切だ。

  ボードの取り付けが終わったらオプチカルドライブやハードディスクのマスター/スレーブジャンパの設定を確認した上で所定のドライブベイに固定する。

   次に、ケース前面パネルの電源/ディスクアクセス/リセットなど、操作スイッチのリード線コネクタをボードの所定のピンに差し込む。
  さらに、オプチカル/ハードドライブの信号線と電源ラインなどを繋げばケース内部の基本的な結線が終わりだ。
  詳細は略すが、OS が搭載されるハードディスクはジャンパーをマスターに設定してIDE プライマリーチャネルに、オプチカルドライブはやはりマスターに設定してIDE セカンダリーチャネルに繋ぐ。

  粗組みができたケースを適当な場所に置き、あらためて外部ディスプレイ、キーボード・マウス、さらにACケーブルを繋いでパネルスイッチから起動してみる(上)。
BIOS の起動は問題なかったが、それに引き続いて、起動ディスクに残っていた Windows Me まで起動し始めたので慌ててシャットダウン。
別のPCで初期化を行ってハードディスクの清掃をした。
マルチOS機にする事も想定し、フロントパネル面のリムーバブルユニットにシステムハードディスクを装入してあったのでこの作業は至極簡単にできた。


本番セットアップ、しかしマザーボードが使い物にならなかった!
  あらためてフォーマットを行うことで掃除を終えた起動ドライブを元に戻し、OSのセットアップに取り掛かる。
Windows 2000 pro のCD をオプチカルドライブに挿入して電源を入れると、インストーラが起動した。
アップグレード版のため旧版 Windows CDの参照要求が出るがそれ以外はどうと言うことなく進行し、アッサリとインストールが終了。

  問題なく Windows2000 pro が立ち上がるのを確かめた上であらためて、CPUが正しい条件で走行するよう、 BIOS の設定に取り掛かったのだが、ここで問題が発生した。

  電源スイッチON後、間もなく "del" キーを押して BIOS 設定画面に入り、メニューから、FSBクロックを133MHz に、CPUクロック倍率を×15に上げ、CPUコア電圧を1.45Vに下げてやらなければ、このCPU本来の性能が引き出せない。
ところが、このショップご推薦のマザーボードは、FSBクロックとCPU倍率を数値入力するための BIOS メニューを持っていなかったのだ。
  これは何とした事だと、いささか狼狽気味でインターネットにアクセス。 Mobile Athlon ハッカー達が提供している情報を探りまわってみた。

  幾つかの情報ソースが見付かったが、その中でもっとも参考になったのは、Windows からCPU倍率を制御するユニークなソフト: "CrystalCPUID" のサポートサイト:
(http://crystalmark.info/
と、
それに関連して様ざまな実験レポートを出している、"fab51" サイト:
http://fab51.com/cpu/tips/k7-mcf.html
だった。

  これらの情報を参考に、いろいろ調べたりテストをして見たりした結果、このマザーボードで Mobile Athlon XP-M に適正な設定を行うのは困難であって、無理矢理やっても起動後ただちにフリーズしてしまうという事が分かった。

  これ以上頑張るのはギブアップし、この後どうするか考える。
いろいろなパーツを買ったが一度もトラブルが起きた事がなく、技術的に信用できると思っていたショップだったので、売場に出ていたラベルを頭から信用し、自力で調査する労を省いた事を悔やみながらショップに電話を掛けてみた。
状況を説明すると、この種の苦情には慣れている様子で、表側の売場は違う場所にサポート専門の部署があるから、そちらに連絡してくれと言う。
教えてもらった番号に電話を掛けなおし、状況の概略を説明したらスンナリ分かってくれ、現物を持って来てくれれば、返品/交換に応じます、という返事がもらえた。

  組み立たばかりのPCを分解、慎重にCPUとメモリーをマザーボードから取り外し、付属品共々元の箱に収めて、秋葉原へ持って行った。
ショップの二階の事務所に上がり、ひと通りの説明をするとすぐに分かって返品受付け証を発行してくれたのでそれを持って売場の方に行き、棚にあるボードのどれと交換してもらうか、あらためて検討する。
どのメーカの、どの種類のマザーボードならうまく動くか、インターネットのお蔭で手に入った詳細一覧表を持って行ったのでそれを拠りどころに、これなら大丈夫だろうと言うボード (GYGABYTE GA-7VT880 Pro) を選び、小額の差額を払って交換した。
  秋葉原から持ち帰った マザーボードで再度、一連の組立て作業を行い、Windows のセットアップから BIOS の再設定に入った(左)。

今度は CPU クロック倍率 ×15 は問題なく設定できたのだが、FSBの方は自動認識で100MHz に設定されるのを、BIOS 設定メニューから変更することはできなかった。

  GIGABYTE マザーボードのバンドルソフトのひとつに、Windows からFSB を変更できるユーティリティー(GIGABYTE EasyTune4) があった。
それを開いて FSB を132MHz まであげることは可能だったのだが、本来66MHz であるべきAGPクロックが、それに付随して88MHzほどまで上がり、グラフィックプロセッサー(GPU)の "気絶" が頻発するため、とても使い物にならない。

  とどのつまりの割り切りは、FSB を 100MHz のままに放置した状態でも、CPU クロック倍率を×15に設定できれば、2000+ 相当の処理能力はある、規格より低い条件で動かせばシステムの安定性/信頼性が高まるし、目的の省エネ効果も得られるから、かえって良いかも知れない、と言うことだった

と言う訳で、これ以上力技を掛けるのは中止、このPCは100MHz ×15 で使ってゆくことに決めた。

   ここから先は定番ドライバーのインストールになる。
まず、ビデオドライバーをインストールして1280×1024px のハイレゾ画面に設定。
GIGABYTEマザーについてきたCDからオンボードデバイス一式(LAN,USB2,AGPパッチなど)をインストールする。
これでホームLAN を取り仕切っているルータ経由、インターネットへの接続ができたので、まずマイクロソフトのアップデートサイトにアクセスし、Windows2000 サービスパック4までのリビジョンと、沢山のセキュリティーパッチをダウンロード/インストールした。

  次に、"マイコンピュータ" - "プロパティー" - "ネットワークID" からウイザードを起動。
ワークグループ名を設定して、ホームLAN のプリンターファイル共有に仲間入り。

一旦シャットダウンし、USBとオンボードオーディオ関係の結線を行って再起動すると、マルチカードリーダは問題なく動き出したが、オンボードオーディオは動作せず音なしのままになった。
コントロールパネルで調べてみると、GIGABYTE の CD からインストールした積りのAC97オーディオドライバ−も入っている気配がない。
あらためてBIOS の設定をチェックしてみたらオーディオが "DISABLE" に設定されている事が分かったので、これを "ENABLE" に変更して起動したら、オーディオドライバーを要求するメッセージが表示されたのであらためてGIGABYTEのCD からインストール。
再起動すると、Windows2000 の起動時に、聞きなれた音がスピーカから流れ出してきた。


古いSCSIカードと Modem カードのインストール
  一般的なハードウエアインストールは以上で大体終わりなのだが今回の旧型機の更新ではさらにもうふたつの古い拡張ボードをインストールする必要があった。
  その第1は、SCSI アダプター(下)で、これがないと古い Panasonic の PD/CD ドライブが使えないことになってしまう。
もう少しの間は捨てないでおこうと思っている古いミノルタの35mm フィルムスキャナも SCSI 接続である。
  左の RATOC製SCSI アダプターは1995年頃にA4スキャナを繋ぐために入手し、今度組み込むシステムが4代目という古強者だ。
    マザーボードに取り付けて起動してみたら何もしないのに一発で認識、PD/CD ドライブもそのまま使えるようになった。

  あとからフルムスキャナーも繋ぎ、デバイスドライバのインストールもできたのだが、暫く使っていないうちにメカがおかしくなったようで起動しても初期化を繰り返しているばかりでその先に進まない。
  新しいフィルムスキャンユニット付きのフラットベッドスキャナ(USB接続)が使えるからそれほど困ることもないので、時間の空いた時に一度ばらして見て、もし直せなかった場合は廃却という事に決めた。

  第2は FAX の送受信に使うための Modem カードで(左)、これも今度のPCが3代目と言う古強者だ。
  マザーボードに取り付けて起動するとデバイスドライバの要求が表示され、インストールプロセスが始まるのだが、どうやっても "対応するドライバーが見付かりませーん" ということになってしまう。
  最後は駄目もと、と割り切ってインターネットで検索してみたら "DriveGuide.com" という正体不明のサイトに "w2k_212166003.zip" と言う使えそうなドライバーが見付かった

  そこの仮メンバーアカウントを取ればドライバーのダウンロードできるという事は分かったのだが、サイトの素性が不明で気持ちが悪い。
ウイルスチェックを最新判にアップデートした上でアカウント取得の手続きをした。
姓名、年齢、コンピュータ関係の習熟度など色々煩るさく記入させれたあとでようやく仮アカウントとパスワードがもらえた(temp, 512)ので早速、
http://members.driverguide.com/driver/detail.pho?driverid=31707
にアクセスしてダウンロード。 

手に入った圧縮ファイルを解凍復元してインストールが無事に完了。
一度はダメかと思った Modem がシステムのデバイスドライバー一覧に、正常に動作していると表示され、プリンタ・リストに "FAX" が追加された。

  以上でハード関係のインストールはほぼ終了。
リストラ寸前だった旧型機が、目出度く、そこそこの性能を持ったデラックスPCに生まれ変わった。

基本ソフトのセットアップ
  引き続いてソフトのインストールに移った。
まず日常使っているPCから IME ユーザ辞書、ブラウザのブックマークなどを LAN 経由コピー。
引き続いて、アンチウイルスプログラム (Norton 2004) をインストールした。
これは、数ヶ月前に別のPCにインストールしようと購入したが、それ以前に入っていたアンチウイルスの残滓とコンフリクトを起こしてインストールできずに終わったまま、棚に上げていたものだった。

  ところがここで問題がひとつ持ち上がった。
Norton アンチウイルスとともに Norton Internet Security をインストールしたら、イントラネットの方に副作用が出て、LANのファイル共有が切れてしまったのだ。
  ファイヤーウオールを停止すれば復活するのだが共有フォルダにアクセスするたびに一々操作するのは面倒だ。
設定メニューを呼び出し、ホームLAN のアドレス空間となっている、192.168.0.0 から 192.168.0.255 までを信頼ゾーンに設定することによってこの障害を解消した。

  インターネット閲覧ブラウザーはリリースされたばかりで世界的に評判になっている最新のフリーブラウザー: Mozilla Firefox v1.0 の日本語版をインストールし、Windows 標準の Internet Explorere 6 に代わるメインブラウザーとして使う事にした。

  IE6 と違ってOSの核心部に嵌め込まれていないため、ウイルスに入られて OS が立ち上がらなくなる恐れが少ない。
アドレスウインドウからのインターネット検索、タブによるサイトの即時切替、ポップアップ広告抑制などによって非常に快適なインターネット閲覧ができる。
また、Linux オリジンのフリーウエアーらしく、サポートグループの能力が高く、ハイセンスで高機能な本体の機能をさらに拡張する、様ざまなアドオンやプラグインが提供されている。

  Windows アップデート情報など、マイクロソフトのサイトは IE6 でないとうまく繋がってくれないし、アンチウイルスソフトの自動アップデートや、デジカメ関係で提供されている写真共有フォルダーなども IE でないとうまく繋がらない事が多いからこちらをアンインストールしてしまう事はできないのだが、競合相手の Netscape を倒したら、途端に進歩を止めてしまった IE6 の時代遅れさ加減は "Terrible" と表現したい程で、時たま起動する度にウンザリしている。

  メーラは老舗の Almail を10年ほども使ってきたが最近捗々しいリビジョンが行われなくなり、ウイルスやスパムが氾濫する時代から取り残されつつある。
アンチウイルスソフトとの不整合が原因と思われるアクセストラブルまで現われたので Mozilla の Mailer/Messenger に移行した所だった。
  Mozilla Internet Suite から Mailer/Messenger だけを切り離し、コンパクトな単体プログラムに仕立てた Mozilla Thunderbird の正式リリース版が年内に出ると言う事が分かったので、それを待っていたら、クリスマスイブの日にリリースされた。

完成した CoolPC の前面パネル。 上から順に HD-LG スーパーマルチ DVD/CD ドライブ、システムHD用リムーバブルユニット、Panasonic PD/CD ドライブ、ユーザデータHD用リムーバブルユニット、マルチフォーマットカードアダプタ・USB2ポート、FDDスロット、スイッチ類、最下部にUSB2×2、IEEE1394×2、オーディオIOジャック。

  あまたのメーラに先駆けて 学習型 Anti-Spam を組み込んだ先進メーラが、どの程度まで進化して登場したのか、興味深深でダウンロード/インストールした。

   はじめ、旧バージョン Mozilla Messenjer のメールボックスを転送しても全く認識してくれないので戸惑った。
  幾つかの新機能のなかに、"共通受信トレイ" と言うのがあって、デフォールトではこれを使う設定になっているため、旧個別受信トレイ形式のメールボックスを受付けないらしいことに気がついたので、設定メニューのチェックボックスをクリヤーしたらOKとなった。
  さらに、アドレス帳も別機の旧版 Mozilla Suite のメールボックスフォルダの中から探り出し、Thunderbird の相当フォルダーにコピーして引き継ぎを無事終了。
"新人" ながら最初からフルパワーで作動できるようになった。

  Thunderbird のウインドウ・デザインは、"端整" という表現があたっている位、スッキリしている。
もともとの高機能に加え、さまざまなプラグイン/アドオンが次々に発表されている。
どのようにこれらを取り入れて機能の拡張/育成をして行くか、これからが楽しみだ。


各種アプリケーションのセットアップ
  数日の間、新PCをいじって来て動作の安定性が非常優れていそうだという感触が得られた。
  暫く使って使用成績が良かったら、これを今のメインマシン(Cerelon 1GHz) の後継機にできるかも知れないと思い始めているので、その事を考慮して各種アプリケーションのセットアップを進める事にした。

  まず MS オフイスだが、この鈍重なソフトを使っていると "鉈を使ってマグロのトロの刺身を切っている" ような気分になる。
頼みもしないのに勝手な悪さをしたがる "性格の悪さ" と相まって、嫌いなソフトの筆頭なのだ、これがないと、"ビジネスコンピューティング系" の人達との文書の交換に不便なので、必要悪と割り切ってインストールした。
  まぁ、Excel はそれなりの使い道があるし、Power Point は、手っ取り早く、見栄えの良いプレゼンスライドを作るのに便利ではあるから、単なるハードディスクの肥やしだと言う程でもない。

  プライベートウエッブサイトのコンテンツ作成に使い始め、今では様ざまな画文混合文書の作成に幅広く応用している、ハイパーテキストエディター(IBMホームページビルダー) の最新バージョン。
ハイパーテキストを纏めてPDFに変換したり、ブラウザで閲覧しているサイトコンテンツを単一ファイルで保存したりするのに便利な Adobe Acrobat も利用頻度が高いアプリケーションだ。

  デジカメ写真の処理に常用している Irfanview ほかのもろもろの画像処理ソフト、山岳展望シミュレータや地図関係のソフト、日常の使用頻度がもっとも高いテキストエディター(秀丸)と印刷フォーマッター(Winlprt)、ストールが頻発する Windows ファイルエクスプローラの代わりに愛用し、PCの諸々の操作の "ハブ" の役割を担っている、 TotalCommander などのシェヤーウエア。
快適作業環境に欠かせない数多くの小物フリーウエアー(詳細情報は、"私の愛用ソフト” にある) を含め、ひと通りのソフトのインストールを行った。


ハードウエア制御と監視のセットアップ
  セットアップ作業の最後の仕上げはハードウエア制御と監視プログラムの導入だ。
まず Mobile Atlon XP-M の省電力機能: Power Now! を使って負荷が軽い時に消費電力(=発熱) を抑制するよう、上述の "CrystalCPUID" を組み込んだ。
  この Windows ソフトは、最大負荷時の CPU 作動条件: FSB 100MHz、CPUコアクロック倍率×15、コア印加電圧1.45Vに対し、中負荷/軽負荷時の作動条件を適宜設定しておくと負荷状態の変化に応じて自動的に倍率・電圧を切り換えてくれる。
  左欄のふたつのスクリーンショットに見えているメッセージボックスで、上は負荷が掛かっている時のもので、
FSB100.99MHz×15=1514.91MHz
で動作している状態を示しているのに対し、
下は軽負荷時で、
FSB100.99MHz×8=807.85MHz
で動作している状態を示している。

  メッセージボックスの下に緑色の文字で CPU Load, CPU(温度), Fan 1(CPU Fan) 回転数、および Case 温度が表示されている。
  これらの表示は、もうひとつ別に、
http://mbm.livewiredev.com/
から貰ってきてインストールした、"MotherboardMonitor" と言う監視ソフトの出力である。
  これもなかなか面白いソフトのように感じているのだが、このソフトのデータベースにまだ登録されていないマザーボードのため、どのセンサーチャンネルの信号が何を示しているのか、判断が難しく、正しい設定ができているのかどうか、まだ自信がない。
  PCを操作しながらふたつの監視ソフトの表示を見ていると、内部の動作状況が良く分かって面白い。
作業が始まるとまずCPU使用率が上がり、次いでCPU倍率が大きくなり、その後を追ったCPU温度が上がる。
処理が終わるとそれらが逆に順次低下して元の軽負荷状態に戻る。


  そのほかのハードウエア監視プログラムで、なんとかしたかったのは、ハードディスクだった。

   幸い、 "PANTERASoft.com" (http://www.panterasoft.com)に "HDDhealth" と言うフリーソフトが出ていることが分かったので早速インストールしてみた。
"HDD Health" は常駐プログラムで、インストールするとタスクバーにハードディスク形の小アイコンが住み付くようになる。
一見何もしていないように見えるが、裏側では、HDDが備えている"Self-Monitoring and Reporting Technology" (S.M.A.R.T.)機能に常時アクセスして HDD の作動状況を監視している。
その内容とドライブの予測寿命は、タスクバー上のアイコンを右クリックすると表示される(上)。

  HDD の読み書きエラー頻度のトレンドから HDD の余命の予測値を計算しているようで、インストール直後は、明日にも寿命が来ると言う表示がでるが時間の経過とともにデータが蓄積されると予測値も落ち着いた値になってくる。

  今年の春先に、メインマシンのHDDが突然クラッシュすると言う事故に見舞われた。
幸いバックアップが取ってあったので、その翌日に回復できたのだが、もし "HDD Health" のようなソフトが期待通りの監視をしてくれていたら、事前に故障を察知し、ハードディスクが動いている間に新しいのと交換できたに違いない。

  なお、CPU 温度やハードディスクの S.M.A.R.T. を監視するソフトとして、イタリア人が開発した "SpeedFan" という、コンパクトでまとまりの良いソフトがある。
ドキュメンテーションが丁寧で、その中で作者が述べている考え方が明快な点が高く買えると思う。 興味ある向きはお試しあれ!


あとがき
   陳腐化したデスクトップパソコンを、ノートパソコン用CPUを利用してクールな新鋭機にリフレッシュすると言う、ひと捻りしたパソコン自作に成功した。
ショップと自分自身の不勉強とが相まって思わぬトラブルにも遭ったが何とか切り抜けた。
期待以上に安定・静粛・低発熱なパソコンが作れたと思っている。

  CPUクロック倍率とコア電圧の制御による低電力化、ハードディスクの寿命監視など、今回始めて導入した機能の真価は夏が過ぎた時点で初めて確認できる事なのだが、かなりイケルのではないかという予感がしている。
所期の性能と、十分な信頼性が得られたならば、4年余り使って少々疲れが見えてきたメインマシンの後継機にできるかも知れない。
ホーム LAN の元締めとして適格かどうか、注意深く見守って行こうと思っている。

  なお、このPCは、ふたつのリムーバブルユニットを備え、一方にOSとアプリケーションプロラムの全て、もう一方に全てのユーザーデータが納めてある。
システムにどのようなトラブルが生じても掛替えのないユーザデータは無傷で保持するための工夫の産物なのだが、システムドライブうを差し換える事で、100%クリーンなマルチOSマシンとして遊ぶこともできる。

暇な時に Linux のどれかのディストリビューションでも味見してみようかと思ってもいる。
                                                                                         (31 Dec.,2004)