安倍峠-大笹-大光山、真富士山-河内 (1998.12.27-29)


☆期日/山行形式:  1998.12.27-29 旅館利用2泊3日 単独

☆地形図(2万5千分1): 梅が島(静岡9号−3)、南部(静岡9号−1)、
                                 駿河落合(静岡10号−3)、和田島(静岡10号−1)
☆まえがき
    11月に安倍川東山稜の十枚山に登った。
この山域は一番高い所の標高が1700m そこそこしかないのだが登り始めの安倍川の谷底が低いため、1200m 程もの "南アルプス級" の標高差を消化しなければ頂上に立てない。
頂稜部に山小屋は一軒もないし、水場も遠い。
"南" の脇役で目立たない割には厳しい山なのだが、かえってそれが幸いしてオーバーユースを免れ、山が傷まずに済んでいる。
取り分け笹原の中に闊葉樹が散在する美しい頂稜と、真近かに聳える南アルプスや富士山の展望が魅力的だ。



              
安倍川東山稜の山々の魅力のひとつは富士山の展望だ (1989.3.20 八紘嶺頂上付近より)

         十枚山南肩の十枚峠から西方、安倍川谷越しに望む南深南部 (1998.11.8)


大分体力が回復してきたので年末山行では久し振りに氷雪の高山に行こうかとも考えたが、単独で行ける所は自ずと限られ、新鮮味のある山行計画は立て難い。
勝手知った所で雪山を楽しむのも悪くはないがまだ登った事のない山の頂上から冬の透明な大気を通して広大な展望を楽しむ方がズゥーッと面白いだろうと考え、安倍川東山稜の大光山(オオビッカリヤマ 1661.3)と真富士山(1343)とに行く事にした。
このふたつに登れば以前に登った竜爪山、八紘嶺と先月登った十枚山とをあわせ、この稜線上にある主なピークのあらかたを踏んだ事になる。
泊り場としては梅ヶ島温泉が最高だから案内所に電話をして民宿並みで泊めてくれる湯治宿を紹介してもらった。
数年前から山に随いて来なくなったまま、日頃ほったらかしにしている神さんを温泉を餌に誘い出した。 しごいてしまわぬよう、初日は日本平で観光ハイキングをして梅ヶ島へ入る事にした。

  行動のあらましは、JR在来線で静岡に行き、日本平動物園入口から日本平をハイキングしたあとバスで新静岡に戻り、バスで梅が島まで入って宿泊。
二日目、梅が島(850)から林道合流点を経て安倍峠(1450)に上がり、甲駿国境稜線をバラの段(1647.5)、ワサビ沢の頭(1611)、大笹の頭(1671)と南下して、奥大光(1620)から大光山(1661.3)に登頂。 頂上からは草木(700)部落に下山し安倍川沿いのバス停(660)からバスで梅ヶ島に戻って再度宿泊。
三日目は、早朝のバスで平野(210)まで下り、鎌沢橋(355)、地蔵仏(745)からヲイ平(1080)を経て真富士山(1343)に登頂。 下山は真冨士峠(1245)から興津川側の林道(320)に下り、西河内(165)からバスで但沼車庫経由、興津駅に出てJR線を利用して帰宅した。


☆行動記録、および印象に残った景色の写真
12月27日
<タイムレコード>

    宮崎台=長津田=町田=小田原=熱海=静岡駅-新静岡[10:50]=(路線バス)=[11:15]動物園入口-舞台芸術公園-平沢観音(12:00)-(13:05)日本平[13:35]=(路線バス)=[14:05]新静岡[14:37]=(路線バス)=[16:28]梅が島{民宿}

12月28日
<タイムレコード>
    梅が島(8:10)-林道合流(9:05)-安倍峠(9:55/10:00)-バラの段(10:40/50)-ワサビ沢の頭(11:20/25)-大笹ノ頭(12:05/35)-奥大光(13:05)-大光山(14:00)-作業小屋(14:55)-林道終点(15:40/45)-(16:10)草木バス停[16:15-]=(路線バス)=[16:27]梅が島{民宿}



安倍峠から尾根に上がって南に向かう。

やや急な部分や短い露岩もあるがワサビ沢ノ頭を乗越した所から先は阿部奥の特徴であるなだらかな笹原と濶葉樹の頂稜が始まる。











大笹ノ頭から奥大光を越して大光山(オオビッカリヤマ)に登ると新雪の富士山が見えた。
















南の静岡の市街地にある浅間神社の境内まで延々と繋がっている安倍川東山稜の最高点は下十枚山(下津山とも言う 1732)だ。

すぐ北隣にある十枚山(1726)と重なって格好の良い双児峰になっている。







頂上から一段下がった尾根の背に単独の若者がテントを張っていた。
雪がないため水の確保に悩んでいると言う。
十枚峠下の小屋跡の横を流れている沢だけは確実に利用できると思ったのでそこで水を汲んで行けばよいのでは、と勧めて分かれた。



北の方を眺めると安倍奥山並みの先の方に聖岳と思われる雪嶺が顔を出していた。


12月29日
<タイムレコード>

梅が島[7:26 \930]=(路線バス)=[8:20]平野-鎌沢橋(9:05)-真富士山登山口(9:30/35)-静工標識(10:05/10)-林道から尾根への入口(11:00/05)-ヲイ平(11:25/30)-稜線(12:05)-真富士山(12:20/13:00)-河内への下降点(13:10)-林道(14:25/40)-安産石-(15:45)西河内16:18]=(路線バス)=[16:45]但沼車庫[16:49]=(路線バス)=[17:08]興津駅[17:17]=[18:02]三島[18:10]=[18:49]新横浜=あざみ野=宮崎台





真富士山は平野からヲイ平を経て登頂した。









標高差が大きくて疲れたが頂上に辿り付いて眺める富士山は格別だった。









山の裏側の興津川谷の河内へ下山した。



谷底に下りつき、茶畑の間から振り返ると今降りてきた真富士山が谷の奥に高く聳えていた。

















西河内の集落が近くなった所に安産石と呼ばれている巨大な石がある。






河内からバスに乗り
、但沼車庫を経てJR東海道線興津駅に行き、三島で新幹線に乗り継いで帰った。