杉本観音-衣張山-名越切通-大崎公園 (2020.1.20)

(β版) 

☆期日/天気/山行形式: 2020年1月20日/ 晴/ 単独日帰りハイキング
☆地形図(1万分1):逗子(横須賀5-3-1)、鎌倉(横須賀5-3-3・4)、葉山(横須賀5-3-2・41)
☆まえがき
    冬恒例の三浦・鎌倉丘陵ウオークでは昨シーズンに歩いた地域の隣にある名越切通を訪ねました。
杉本観音前から衣張山に登って尾根伝いに南下。 浅間山、鎌倉幼稚園裏の富士展望所、パノラマ台、お猿畑の大切岸を経て名越切り通しに到達。 小坪に下山したあと大崎公園の展望台も訪ねて帰りました。
ルート入口付近に前年の台風による倒木がありましたが尾根に上がったあとは歩きやすい道が続き、所々で素晴らしい展望を楽しみました。


衣張山頂上の展望  (画像をクリックすると拡大スクロール)

☆ルートの概要



 ルートマップを拡大表示

★ルート線は携帯端末内蔵 GPSで記録した実際の行動軌跡です。
     主なマーカは、クリックするとその地点で撮った写真の縮小画像を表示できます
     ほとんどのマーカは現地で位置を確認し、補正してありますが GPS 自体のエラーは排除できません。

<行動時間>

    宮崎台[9:01]=(東急線)=溝の口=(南武線)=[9:17]武蔵小杉[9:31]=(横須賀線久里浜行)=[10:08]鎌倉駅[10:14/23]=(京急バス)=[10:22/30]杉本観音バス停(10:35)-田楽辻子のみち由来石標(10:42/44)-平成巡礼道(至衣張山)道標(10:48)-童子童女石像(11:07)-玉縄桜(11:13)-衣張山(11:15/30)-浅間山 120.06m三等三角点(11:35)-山道終点(11:50)-富士展望所(11:54/56)-パノラマ台入口(12:05)-パノラマ台(12:09/25)-名越切通入口(12:28)-お猿畠の大切岸(12:37/45)-石廟(12:50)-名越切通・第3切通(12:58/13:01)-まんだら堂やぐら群(13:02/05)-名越切通・第2切通(13:08/09)-名越切通・第1切通(13:09/11)-小坪下降点(13:20)-名越切通・小坪階段口(13:25)-小坪漁港(13:47)-荒磯下り口(13:55)-津波避難路入口(13:59)-大崎公園入口(14:09)-大崎公園(14:14/36)-披露山公園入口(14:48)-(14:55)披露山口バス停[15:00]=(京急バス)=[15:07]逗子駅前/蕎麦屋/逗子駅[15:51]=(湘南新宿ライン)=[16:34]武蔵小杉[17:09]=(南武線)=溝の口=(東急線)=[17:29]宮崎台


☆ルートの詳細

 鎌倉駅東口バスターミナルから金沢八景、鎌倉霊園前行き京急バスで7~8分ほどで杉本観音に着きました。

 バス停から進行方向に 100mほど進むと観音堂参道入口の交差点です。
交差点で右折して、正月の名残の参拝者がちらほら見える参道の向かい側の道に進入し、南に向かって歩き出しました。

  川沿いの道を少し進んだ所に十字路があって "田楽辻子のみちの由来" の標識石柱が立っていました。
十字路を横切って直進すると静かな住宅の間の道になります。

  。家並みが途切れて杉林に入ろうとする所に "平成巡礼道(至衣張山)" と記した標識がありました。

  山道に入って僅か進んだ所に数本の倒木がありました。
昨年の秋口にこのあたりを通った大形台風が残していったものです。

 去年の春に歩いた朝夷奈切通なども通行止めになったままということで寺社や史跡の被害回復が優先され、ハイキングルートなどはあとまわしになっているようの思えます。

  倒木を乗り越えて行くと石段の登りになりました。

  緩やかに折れ登ってゆく石段道を進んで斜面の上部まで来たらまた倒木に当たりました。
折れ曲がっている石段道の角に被さるように横たわっているため少々通りににくい状態になっていました。

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  難所を通り過るとすぐ先の木の根方に、可愛い童子童女の石像がありました。
幼くしてなくなった子供達を弔うためか、足もとに小石が積み上げられています。

  童子像のすぐ先で尾根の背に上がり、右折してクマザサの間の丸太階段を進んで行くと行く手が開けてきました。

  笹薮が切り開かれている所に中木が立っていました。
木の横に立っている白塗りの柱に "玉縄桜" と記してありました。

 鎌倉歩け歩け協会が2012年に創立20周年記念行事として市内6箇所に鎌倉原産の玉縄桜を植樹したうちのひとつだそうです。す。

  玉縄桜から僅か進んだ所で衣張山頂上広場に出ました。
前方に広い視界が開け、北側の藪の縁に石仏が並んでいます。

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  穏やかな冬晴れで雲がほとんどなく、鎌倉市街の向こう側の丘陵の先に富士山が見えていました。

  頂上広場の南側へ下ってゆく所は大木が林立し、山深い感じになっていました。

  ほっそりした鞍部を越えてひと登りするとまた笹の間の道になりました。

 登りが終わると少し開けた所に浅間山(120m) の 三角点標石がありました。

  三角点の僅か先に南方の視界が開けている所があり、逗子葉山方面の丘陵を見渡すことができました。

  頂上の先を左手に下ると暖地林に覆われた斜面を横切って行く道になり、やや右に回って下ると行く手が開け、平坦地が広がっている園地に出ました。

  台地の縁に沿った細長い土地を整備した園地は近在の人達や犬の散歩道になっているようで、人影がまったく見えなかったこれまでの山道とは異なる雰囲気になりました。

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  園地の中ほどの鎌倉幼稚園の近くに富士展望所があり、きれいな冨士ビューを見ることができました。
ここの眺めを見に来る人達も多いようでした。

  パノラマ台の山に差し掛かると山林に覆われた小広い窪地が園地に整備されていてなかなか良い雰囲気です。

  "パノラマ台入口" の標識が立っている所から右手に分かれてゆく細道がありました。

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  右折してこの道に入るとややヤブっぽい細道が延びています。
左手に回り込んで行くと尾根の背になり、最後に急な所を登ると左のように擬似木の柵に囲まれた展望所に上がりました。

 ひとつだけ設置されている野外ベンチに座ると正面に湘南の海が広がり、素晴らしい眺めが見られました。

 後を振り返ると園地の向う側にも同じ高さのピークがあってその肩に水道給水所らしい施設が見られました。

  暫くの間展望を楽しみながら休んだあと登ってきた道を戻りました。
元の道に戻った所で右折sじ、少し進むと笹薮の隙間に標柱が立っている下降点があり、まんだら堂・名越切通方面への道標が立っていました。

  笹の間を急に降るとほっそりした尾根の背に乗りました。
まわりは自然林で大きな木も立っています。

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  少し進んだ所に左側の林が切れ、逗子葉山方面の丘陵を見渡せる所がありました。

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  まわりが開けた所に出た所に "お猿畑の切岸" 入口の案内板がありました。
分岐から一段下に下り、歩いてきた尾根に沿ってもとに戻るように歩いてゆくと左の写真のように岩の壁が延々と続いています。
鎌倉時代の石切場跡だそうですが簡単な道具しかなかった時代にこれほどの崖ができるくらい大量の石材を切り出した人の力に驚きました。

  名越切通の山の頂上には左のように大石を積み重ねた石廟があります。

  石祠の向かい側の大きな建物の裏手を伝わる様に進んで行った先で尾根の端を回り込む所に柵で囲まれた園地があってその中に大きな石碑が立っていました。
威厳が漂う立派な石碑で興味を持ちましたがゲートが閉ざされて立ち入れず、碑面を読み取ることができませんでした。

  間もなく少し幅の広い古道らしい道とT字に出合いました。
出口の角に立っている道標から長勝寺から登ってきて曼陀羅堂へ通じている道であることが分かりました。

  左折して進み、名越切通第3切通を過ぎるとすぐまんだら堂やぐら群の入り口がありました。

 立ち寄って見ましたが入口のゲートが閉ざされてて近づけず、柵の隙間から見るしかありませんでした。
広場のまわりの岩壁に沢山の横穴が並んでいて独特の雰囲気が漂っています。

  名越切通第2切通は古道の峠でよく見かけるような感じの切通しでした。

(画像をクリックすると拡大)

  やがて第3切通が見えてきました。
10m 近い岸壁に挟まれた幅2m 弱の狭間です。

 "名越" が "難越" に由来するという話もあるそうですが切通の崖の上には矢倉が設けられていて堅固な要塞だったことが分かりました。

  一旦切通の三浦側に出たあと外側へ迂回して矢倉に登り、反対の鎌倉側に降りて小坪への下降点に戻りました。

 かなりの急降下で、もともとは道がなかった所を無理やり通れるようにした感じの道です。

  急坂を下りきった所から道路トンネルの天井と思われる平らな広場を横切った所から下ってゆく長いコンクリート階段があり、下の方に谷底を通っている道路が見えました。

(画像をクリックすると拡大)

  地形図と GPS 座標を参照しながら進んで行くと海岸に出ました。
小坪漁港のコーナーで、左手は小型漁船が停泊している漁港の岸壁、右手にはリゾート施設の大きな建物が並んでいました。

 あちこちの海岸で巨大なリゾート施設を見ますが、そのたびに "こんなに大きな施設を造って経営が立ち行くのだろうか?と思ったりします。
"

  小坪港の南側を区切っている大崎の上にある公園に上がって見たいと思っていました。
山に上るルートを探りながら海沿いの道を進んでゆくと民家の縁に鮮烈な赤紫の花が咲いていました。

 我が家もそうでしたが花が好きなおばあちゃんがいる家は決まって綺麗な花が咲いています。

  大崎の山に上る道を求めつつ海沿いの道を進んでいったのですが断崖の裾の荒磯に突き当たった所で行き止まりになりました。

 この先に進めないので反転し、来た道を戻って行くと "津波避難路" の標識板が路面に貼り付けられているのを見つけました。

  これなら高い所へ上がれるに違いないと進入してみた路地は階段が断続する上り坂が続きました。

(画像をクリックすると拡大)

  ひと登りした所で後ろを振り返ってみたら小坪の港が一望でした。

  家並みの隙間を縫って折れ登って行って山上の道に出合うとすぐに "大崎公園" への入口がありました。

  坂を登ってゆく広々とした草原のと公園に入りました。
真冬ゆえ茶色が目立つ景色でしたが春になったらまた来れば、緑と花が綺麗でしょう。

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  岬の突端の上は展望台になっていて広大な視界が得られました。
南の方は逗子から葉山の丘陵が連なっています。

(画像をクリックすると拡大)

  長い時間展望を楽しんだあと来た道を戻りました。
歩いている途中、小坪の港から稲村ヶ崎、江ノ島が見える所がありました。

  計画では大崎の南の浪子不動、披露山公園なども回って逗子駅まで歩くことにしていたのですが小坪の迷い歩きで時間が遅くなり、足腰も疲れてきました。

 浪子不動はスキップするとしても披露山だけでもと街路ナビゲーションをして行き、披露山公園入口を探り当てたのですが坂を登る元気が出て来ないのでその見送り、左折して坂を下りました。

  坂を下り切って広い道路に突き当たったら正面左手にバス停がありました。
ここは披露山入口バス停で鎌倉駅と逗子駅を結ぶ京急バスが毎時4便ほど運行されていました。

 5分程できたバスに乗って逗子駅まで行き、塩分と糖質を補給するため、駅前通りの食堂でそばを食べたあと湘南新宿ラインの快速電車に乗って帰りました。

  。


☆ルートの詳細



詳細ルートマップ
  (縮小画像をクリックすると
   元図が表示されます)


★このルートマップは Windows アプリの カシミール3D に国土地理院新版淡色レベル16 を読み込んで作成しました。
 GPS軌跡の記録と地点マーカ位置の補正には Android アプリの山旅ロガーと地図ロイドを使用しました。
 ルートの詳細を伝えるため元図はサイズが大きくなることがあります。
 ダウンロードしたら適宜縮小するか要所を切り出して印刷、利用してください。
 縦横比は維持し、スケールも付けてありますが縮尺は不定です。
 国土地理院の紙地図を参照するなどで推定してください。



 GPS軌跡・地点マークのダウンロード
 ★上の地図の GPS 軌跡と地点マーク情報をまとめて ZIP 圧縮したものです。
   解凍するとそれぞれの GPX ファイルが得られます。



Googleフォトアルバム
 ★撮影地点の経緯度情報が付いた元画像のアルバムが見れます。

☆おわりに
    穏やかな冬晴れに恵まれ、衣張山、パノラマ台、大崎公園で広大な展望を楽しみました。
杉本観音から衣張山に登る所では、前の年の秋、関東から東北南部にかけて大きな被害をもたらした大形台風による倒木が2箇所あり、通過に少し骨が折れましたが危険というようなことはありませんでした。
 尾根筋に上がってからあとは歩きやすい歩道が続き、要所に立てられている道標に助けられて迷わず歩けました。

 名越切通は鎌倉七口と総称されている古都防衛施設跡のうち最強と思われる構造の跡がよく保存されていてここだけでも一見の価値があると思いました。

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