因島アルプス 奥山から青影山 (2019.11.14)

(β版) 

☆期日/天気/山行形式: 20YY年11月14日/ 晴/3泊4日島山巡りの2日目
☆地形図(2万5千分1): 備後土生(岡山及丸亀15号-1)
☆まえがき
 椋浦峠から奥山に登り、大山から青影山までトレースする因島アルプスは春の島山巡りで天気が悪くなったため割愛したルートでした。
 穏やかに上下してゆく尾根道はよく整備され、変化に富む多島海の景色を楽しみながら歩きました。


☆ルート詳細図

詳細ルートマップ
 (縮小画像をクリックする
  と元図が表示されます)


★このルートマップは Windows アプリの カシミール3D に国土地理院新版淡色レベル16 を読み込んで作成しました。
 GPS軌跡の記録と地点位置の補正には Android アプリの山旅ロガーと地図ロイドを使用しました。
 ルートの詳細を伝えるため元図は大きなサイズになっています。 ダウンロードしたら適宜縮小するか要所を切り出して印刷、利用してください。
 縦横比は維持し、スケールも付けてありますが縮尺は不定です。国土地理院の紙地図を参照するなどで推定してください。


<行動時間>

    宿舎[8:00]=(送迎車)=椋浦峠(8:40/45)-奥山 500m の道標(9:18)-奥山休憩所(9:42/58)-東屋・案内図看板(10:12/15)-野外ベンチ4基(10:25)-大山峠(10:35)-青影東屋(10:44/49)-中庄・田熊乗越(10:52)-大山(11:06)-青影山へ600m の道標(11:24)-田熊分岐(11:33)-青影山(11:45/12:00)-田熊分岐(12:09)-六松園記念碑(12:18)-車道末端(12:20)-青影山登山口(12:33)-田熊保育所(12:45)-(13:08)十三軒茶屋因島店因島モール[14:00]=(タクシー)=[14:13]水軍城入口-水軍資料館/金蓮寺(14:30)-(15:05)中庄ゲートボール場前[15:14]=(タクシー)=[15:20]宿舎


☆ルートの詳細

  因島アルプスの登り口となる椋浦峠は島の南東コーナーに近く、北西端の近くにある宿からはかなり離れています。

 計画では島内バスで土生まで行き、タクシーに乗り継いで峠に上がることにしていましたが宿の車で送ってもらえる事になったおかげで、一転して安楽なアプローチとなりました。

 島の "本村" とも言える中庄から先は昔自衛隊が開いた東岸沿いの車道を走り、椋浦の村から先は地元住民の生活道路を通って峠に上がりました。
東側が海に面して開けた眺めの良い所で藤棚の下に野外ベンチ、登山道の入口には瓦葺きの仏堂がありました。

  入口からひと登りで尾根の背に上がりました。
常緑樹が目立つ暖地林に覆われているほっそりして岩っぽい尾根の背には、作りの丁寧な丸太階段が続いていました。

  2、300m ほどの間隔で道標が立っていて、奥山頂上への距離を知らせてくれます。

 左は奥山へ 700m 地点の道標です。
藪の向こうに海が覗いています。

  奥山へ 500m の道標を見たあたりで丸太階段が終わり、尾根の傾斜が緩んできました。
穏やかに登ってゆくと、ところどころで紅葉が見えました。

  まわりが開けてくるとすぐ、小ぶりの石像が沢山並んでいる広場に出ました。
観音山とも呼ばれている奥山の頂上です。

 広場の奥の方に 390m の三角点標石、その先に地図看板が立っています。

(画像をクリックすると拡大)

  広場の南寄りにある東屋の脇に立つと視界が得られ、因島南部の天狗山から隣の弓削島などが間近に見えました。

  東屋の脇には展望絵図の看板が立っていて弓削島の左奥の方にある百貫島、当木島など備後灘の島々も描かれています。

(画像をクリックすると拡大)

  奥山から先は僅かに上下しながら進んでゆく穏やかな尾根になりました。
暖地林にしては紅葉樹が多く、思いがけない紅葉見物ができる事となりました。

  奥山から 600m ほど進んだ 338m の高みには東屋と "青影山 奥山線"の 案内地図看板が立っていました。

  全体的に穏やかな尾根伝いルートですが、東屋の先の下りには珍しく崩壊地を横断する所がありました。
写真のように立派な桟道が架けられ、至って安全に通過できました。

(画像をクリックすると拡大)

  338m 峰の西肩のコブから降りかかるところでも視界が開け、因島南部の集落と海向かいの弓削島が間近に見えました。
 大きな山と違って地形が細かいため、景色が目まぐるしく変化してゆくのがとても面白いと思いました。

  大山峠へ500m の道標が立っているところには4基の野外ベンチが据えられていました。

  2万5千分1地形図では大山峠の鞍部には破線しか描かれていませんが軽自動車なら上がって来れるくらいの舗装路が通っています。
鞍部には県道から 1100m 青影山まで 1700m と記した道標が立っていました。

  鞍部の向こう側の左側から回り込むように尾根へ登ってゆこうとする所に地蔵を祀った祠がありました

 小屋掛けの中にベンチがあって、地元の人が時々来ているような雰囲気でした。

  祠の先から僅か登って尾根の背に上がると東屋がありました。
山の下には田熊の市街地が広がり、その先の海の向こうには岩城島、生名島、奥の方には伯方島なども見られました。

(画像をクリックすると拡大スクロール)

  大山はパットしない頂上でした。
三角点(222.5m) も左のようになかば薮に埋もれ、白杭の片方は折れていました。

  青影山との鞍部に向けてゆったり下ってゆ尾根の背の道はなかなか雰囲気の良い所でした。

  青影山前衛の 300m峰の南肩にあたる 280m 圏のコブの脇を通過して行くとこじんまりした鞍部がありました。
中庄から田熊への乗越し道と、尾根の背を通っている道とが十字に交差していました。

  鞍部の先の青影山への登路は尾根の右側を回り登って細尾根に上がりました。

土橋状の細尾根から矢倉跡と思われる高みの右手に回りこんで行った先でわずか登ると頂上広場に出ました。

  広々した平坦地で左手の田熊寄りに東屋と店絵図の看板が立っています。

  東屋の奥寄りには
"建武中興六百年記念"
"村上義弘公 青影城址登山路改修碑"
"田熊 村上氏一族"
と刻んだ石碑が立っていました。


  村上水軍の本拠の山城に相応しく広大な視界が得られる展望所で、南の方へは下のように芸備諸島東部が一望です。

(画像をクリックすると拡大スクロール)

(画像をクリックすると拡大)

 裏側の北の方は本村に当たる中庄の家並みが広がり、山並みの奥の方にはしまなみ海道の大吊橋の支柱が見えています。

  石碑の奥の方にもう一段高い所があったので堀切を渡って行っみました。
直径10m もない平坦地でしたがこの山城の本丸とも言うべき郭があった所に違いありません。

  東屋に戻ってたっぷり休んだあと先刻通ってきた鞍部に戻り、田熊への下降路に入りました。

 人通りの多い登山道のようで至って歩きやすい幅広く道でした。

  人里が近くなってきた所に小園地があり "六松園記念" と刻まれた石碑が立っていました。

  六松園から僅か下ったところで車道と出遭いました。
降りてきた道の出口に、因島八景六松園と刻んだ石柱と青影城址への道標が並んでいます。

  車道を道なりに進んでゆくと集落の中を横切っている車道と出合いました。

 ここにも青影城址への入口を示す白塗りの標識が立っています。

  道の出合いのすぐ先に瓦葺きの祠があり、その脇に、"因島八十八ヶ所 六十二番、と記した立て札が立っています。

  横向きに通っている道ばかりのため山の中より難しいナビゲーションをしながら進み、下山路の重要なランドマークとしていた田熊保育園に辿り着きました。



 海際にあるモールに向かって進んでゆくとわずかに家並みが途切れた所がありました。
まばらに立っている果樹の先に、今朝から歩いてきた尾根筋と、今降りてきた山をを見渡すことができました。

(画像をクリックすると拡大スクロール) 

 海に近くなると家並みが立て込んできてやがて郵便局のある角で海沿いの道路に出ました。
道路の向い側左手は因島モールで広い駐車場の奥の方に大きなショッピングセンタの建物があります。

 順調に歩けたおかげで目論見通り、午後早々の時間に下山できました。
駐車場に面したコーヒー店に入り、サンドウイッチを食べながら休憩したあと、タクシーを呼んで、下山後のオマケ計画にしていた水軍城に行ってみました。

 あいにく休館日で入れず。 城の下にある水軍資料館も週末のみオープンということで戸が閉っていました。
仕方なく村上水軍ゆかりの寺を見ただけで終わりにし、時間つぶしとバス停探しを兼ねて中庄の町外れまで歩きましたが埒が明かず、疲れも溜まって来たので、もう一度タクシーを呼んで宿に戻りました。

 


<補足情報>


 GPS軌跡・地点マークのダウンロード
   ★上の地図の GPS 軌跡と地点マーク情報をまとめて ZIP 圧縮したものです。
       解凍するとそれぞれの GPX ファイルが得られます。


Googleフォトアルバム
  ★撮影地点の経緯度情報が付いた元画像のアルバムが見れます。

☆おわりに
    海抜0m 付近から登るとは言、え最高点が 390m しかない低山の穏やかな尾根伝いでしたが随所で見えてくる展望は、山の高さ、大きさとは不釣り合いに雄大で美しく、各地にある "何々アルプス" と称する低山縦走ルートの中でも秀逸なもののひとつと思いました。

下山後のオマケとして楽しみにしていた水軍城と水軍資料館が閉まっていたのは残念でした。
最低でも、水軍資料館は一度見てみたいので、次にこの山(海)城を訪ねるときにもう一度、因島に立ち寄り、付近のひと山とあわせて訪ねたいと思っているところです。

               ページ先頭へ