志賀 焼額山から竜王山 (2016.8.25-26)


☆期日/天気/山行形式: 志賀 焼額山から竜王山 (2016.8.25-26)
☆地図 [Google MyMap] 焼額山-竜王山 http://goo.gl/G2j33x
     [2万5千分1 地形図]:
岩菅山(高田8号-4)、切明(高田8号-3)、夜間瀬(高田12号-1)、
                     中野東部(高田12号-2)
☆まえがき
    昨年8月と今年の7月と、竜王山から焼額山への尾根伝いを二度試みましたがいずれも天気のまわり合わせに恵まれず。敗退を繰り返していました。
  今回は三度目の正直の喩えの実現を狙って、志賀高原一の瀬で前夜泊。 時間的な余裕を確保した上で、焼額山から竜王山への逆コースをトライしてみたところ好天に恵まれ、無事に計画を完遂することができました。

  焼額山頂上にある稚児池と湿原では静謐な秋の景色を楽しみました。
竜王山への尾根伝いでは、穏やかに起伏する尾根を覆っている重厚な森の遊歩を楽しみました。

  前日の午後は足慣らしとして、一ノ瀬の宿舎に入る前に雑魚川源流に沿って設けられている 「せせらぎ遊歩道」 を歩き、初秋の湿原に咲いている花を楽しみました。

焼額山頂上 稚児池    (画像をクリックすると拡大スクロール)
☆行動時間
   一の瀬宿舎[7:45]=(送迎車)=[7:52]車道末端-焼額山登山口(8:00)-スキー場横断(8:24)-山の神リフト頂上(9:02)-ゴンドラ駅裏(9:37)-稚児池(9:50)-奥志賀ルート上部(9:55)-稚児池北側湿原休憩所(10:17/30)-下降点(10:31)-コゴリ池(1:53)-竜王山頂上?(11:27)-三角点峰入口(11:/51)-スキー場上端(11:53)-竜王湿原入口(12:06/10)-竜王ロープウエイ駅レストラン(12:32/13:10)ーロープウエイ乗場[13:20]=(竜王ロープウエイ)=[13:28]山麓駅[13:30+10]=(予約送迎車)=[14:00]湯田中[14:30]=(長電特急)=[15:17]長野[16:23]=(アサマ624号)=[18:12]東京=大手町=二子玉川=宮崎台

☆ルートの概況
   一の瀬に前夜泊することにしたので朝ゆっくり出発して昼過ぎに長野駅で東口バスターミナルを出る長電の志賀高原線急行バスに乗り継いでアプローチしました。
 午後早く高天原に着いたあと、足慣らしを兼ねて雑魚川源流域沿いの湿原群を貫いているせせらぎ遊歩道を歩いて宿舎に入りました。

  間もなく夏休みが終わというこの時期、一ノ瀬は学校運動部などの合宿が多いようです。
登山者がよく利用するむつみ荘が満員だったので一の瀬案内所に問い合わせたら、すぐ隣のホテルに空きがあると紹介してくれました。

  名前が風変わりで「チウーホテル」と言うので中華系か?と思いましたがそうではなくて、昔ここに住んでいた「忠」さんという人の名に由来するそうです。
上高地の「嘉門次」とか谷川の「吾作」とか言うのと同じような素性の名前でした。
  たまたま合宿の隙間にあたったようで、大きな建物に10人余りしか客がなく、浴場も貸切状態となり、静かで涼しい宿でゆっくり休むことができました。


  宿舎から焼額山の登山口まで歩いても20分足らずでしたがなけなしの体力を少しでも節約するため、車で送ってもらいました。

  一の瀬の先の橋を渡った所にあるプリンスホテル西館の先にある広場で下車。
スキーリフトの小屋の下を通って行くと焼額山南尾根が近づいてきました。

  尾根の末端の手前から右手へ登ってゆく歩道があって、入口の脇に 「焼額山登山口」 と記した標柱が立っていました。

  登山道に入ると美しい白樺林の中を緩やかに登ってゆくようになりました。

  ひと登りするとスキー場の草原に出ました。
スキー場の登りは見かけよりきつくて息が切れるものですがここは斜面を斜めに横切りながら登ってゆく形になるので割と楽です。

  スキー場の右手の林の中に入って暫く林間を登り、またスキー場に戻った所では山の上の方が見えました。

 (画像をクリックすると拡大) 

  スキー場の草はらはもう秋の盛りで、リンドウの群落が花盛りになっていました。

  ほぼ登りの中間点となる山の神スキー場のリフト小屋の横でひと息入れました。

  小休止のあと登りを再開、スキー場上部の草原から後ろを振り返ってみたら、高原の上空を覆っていた雲が晴れてきて近くの山並みが見渡せるようになっていました。


  手前の高天原 東館山あたりから遠くの横手山あたりまで一望です。

神の山スキー場上部の展望    (画像をクリックすると拡大スクロール)
 

  草原の中にロープが張られ、立て看板がありました。
リフト撤去工事が行われるので注意してくださいという警告が記されていました。

  志賀高原では、スキーブームが去ったあと過剰になったゴンドラやリフトが次々に廃止されているようです。
 
  草の斜面の上の方に焼額ゴンドラの山上駅が見えてくれば頂上まであとひと息です。
 
  ゴンドラ駅の裏手に登り着くと傾斜が緩み、その先から木立の間に入りました。
目の高さにロープが張られ、赤布の目印が取り付けてあったのは、積雪期の目印のようです。
 
  道が平らになるとともに地面が湿っぽくなり、木道が現れました。

  木道が二股に分かれていたところを右手に入ると僅かで稚児池を見渡せる場所に出ました。


  黒々としたと言い表せるほど濃い藍色の水面が広がり、右手の岸辺に鳥居が立っています。


焼額山頂上 稚児池    (画像をクリックすると拡大スクロール)
 

  池の南岸の木道を進んでゆくと鳥居が立っていてその袂に石祠がありました。

  祠の礎石に木札が3枚立てかけられていました。
有名、無名を問わずちょっとした山の頂きには必ずと言って良いくらい那智山青岸渡寺の札を見かけます。

  池の南側を通り抜けた所は頂上の東肩で、奥志賀の方から登ってくるルートの終点を示す標識が立っていました。

 (画像をクリックすると拡大)
 

  すぐ下に奥志賀スキー場のリフトの小屋が見え、その一段下に奥志賀ゴンドラの山頂駅があります。

  左手の方はカヤの平から秋山のあたりの山並みでしょうか?

  左折して僅か進んで木道に戻るとすぐに池の北岸に出ました。
岸のすぐ近くに小さな浮島があります。

 (画像をクリックすると拡大)
 

  岸辺に咲いている秋の花が綺麗でした。




  池の岸がわずか張り出した所に白塗りの標柱が立ち、その前に休憩プラットホームが設けてありました。

 
  池の北側には広い高層湿原が広り、奥の方に向かって木道が延びています。
木道を進んでゆくと所々に小さな池塘がありました。
あたりはすっかり秋の景色で、一面茶色になっています。


  木道を進んでゆくといく種かの花が咲いていました。

  週末でしたが僅かな人が来ているだけで、あたりは静かでした。

  池と湿原のはざまでノンビリ贅沢な時間を過ごしたあと、竜王山に向かいました。 

  ルートの入口は、プラットフォームから20m ほど西に寄った林の縁でしたが、左のように「立入禁止」 と記した赤塗の立て札が立っているばかりかロープまで張ってありました。

  なぜこんなことをしているんだろうか?、と思いましたが、GPS ナビゲーションを参照してもここが入口であることに間違いはないので確信を持って進入しました。
 
  ルートは予想していたような藪ルートではなく、この夏に刈り払いが行われた形跡が明瞭でした。


  稚児池から西の方へ緩やかに下っていった先でやや急な下りをひと下り。
傾斜が緩むと湿った鞍部に降り着きました。

  道の右脇にコゴリ池と呼ばれている小さな池塘があります。
鞍部の窪地に雪解け水や雨水が溜まってできたような感じの池です。

  池の近くの地面に赤錆びた道標板が置かれていました。
「竜王スキーツアーコース」 と記されています。
真ん中に釘穴がありますから樹の幹の高い所に固定されていたものが長年経つうちに抜け落ちたようです。

  近くの道端にコンクリートの杭が立っていました。
この尾根は町村境界尾根ではありません。
何の目的で打ち込まれた標識なのでしょうか?
 

  最低鞍部のあたりは背の高い笹ヤブが被って、ちょっとした藪ルートになっていました。
頭のあたりにロープが張られ、赤布のコースマークが見えました。

  緩やかに登っていったところは、竜王山の最高所となる 1930m の平頂の天辺のあたりと思いました。
まわりが濃密な樹林に閉ざされているため何も見えず。
ただ藪の中を歩いているだけ、という感じで通過しました。


  やや下り気味になった道を僅か進むと T字路に着きました。
現在位置を確認するとともにしどちらに行くか決めるため小休止しました。

  直進してゆく方は少し藪っぽい道ですが800m ほどで1900.1m の三角点峰に行きつけます。

  今回はひと月前に引き返した地点を確認したいのでスキー場を下ることに決め、右に分岐している道を選びました。

  歩きだすとすぐ竜王スキー場の頂上にあるレストランの袂に出ました。
大きな建物の先にはリフト降り場の小屋があります。

  夏季閉鎖中のレストランの前で左折して、スキー場の滑走面に入りました。

  滑走面は幅の広い林道のような感じですが一面草生して所々に花が咲いています。
踏み固められていないのと水っぽい所が多いのとで、あまり歩き良くはありません。


  300m はど進んだ所から道端の藪に見覚えがあるようになりました。
500m 程進んだ所に竜王湿原の案内看板が立っていました。

   一面岩屑が敷かれた坂を下っていった所からゆるやかに登り返すと行く手にロープウエイ駅とレストランの建物が見えてきました。


  竜王マウンテンパークのロープウエイとレストラン(シャルム)は、無雪期の5月の最後の週から11月の最初の週までの間、営業しているとのことでした。

  レストランの袂の展望台までは誰でも来れ、ナイトビューを楽しむことができるそうです。

  焼額から竜王の尾根伝いは敗退を繰り返しましたが、三度目の正直で好天に恵まれ、思ったより順調に歩き切ることができました。

  時間の余裕がたっぷりあったのでレストランに入り、下界を見渡せる窓際のテーブルで温かいそばを食べたりしながら、ゆっくり休憩しました。

  天気が悪くて湿原の先から戻った前回より雲が多くて下界を覆い展望の方はパッとしませんでした。
長居しても面白くないので早い時間のロープウエイで山を下り、湯田中駅への送迎車も時間を繰り上げてもらいました。
  湯田中から長野へは+100円で乗れる特急列車が運行されています。
旧小田急ロマンスカー先頭車の展望席を占領して楽しい「鉄旅」をして長野に戻り、早い時間の新幹線で帰京しました。

<ルートの詳細>




  ヤマレコの山行報告



  ルートマップ



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<前日に歩いた雑魚川源流沿いせせらぎ遊歩道の記録>




  ヤマレコの山行報告



  ルートマップ



  GPX ダウンロード

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☆おわりに

   2年越し、3度目のリトライの結果、焼額山から竜王山の尾根伝いに成功しました。
焼額山頂上の稚児池と高層湿原がとても綺麗でした。
春から夏にかけて移り変わってゆく花を見るため、何度か訪ねてみたいと思いました。

  無雪期のルートが分かり難い竜王山の方は、大小ふたつある1930m 峰の位置と三角点標石置かれている1900.1m 峰の確認をするため、もう一度訪ねたいと思っています。