西上州甘楽南山 小柏峠-焙烙峠 (2016.4.10)


☆期日/天気/山行形式: 2016年4月10日(曇) 市中ホテル利用1泊2日単独山行の2日目
☆地形図(2万5千分1): 上野吉井(長野3号-2)
☆まえがき
   前日に吉井南山稜線の東端部、大沢峠から小梨山を越えて小梨峠までの藪尾根をうまくトレースできたのに勇気を得たので二日目に小柏峠から二本木峠、熊倉山、奈良山峠を経て焙烙峠に至る、西端部の尾根伝いをしました。
  こちらは前日に歩いた東部稜線より 200m ほど標高が高いものの、地形が穏和で、踏み跡不明瞭な所も少なく、随所に好展望が広がる好ルートでした。

  春先によくある花曇りでしたが空模様は落ち着いていて、芽吹きの山林をみながらのんびり歩いて焙烙峠に到達。早春の藪尾根ルートを楽しみました。

  上日野へ下山する途中に通った奈良山は春の花が溢れんばかりになっていて息を呑むほど美しい山村風景を呈し、日本の山里の豪華な景観に感激しました。

天狗山から熊倉山と甘楽野    (画像をクリックすると拡大)
☆行動時間
   高崎[7:39]=(上信電鉄)=[8:12]上州福島=(Taxi 2710円)=(8:30)天狗山林道T字路ゲート前(標高490m地点)(8:40)-天狗山(9:16/25)-2体の石像がある小柏峠(10:10/20)-水越峠?(10:40)-熊倉山三角点峰(11:05/15)-熊倉山最高点(11:21)-草生した林道を横断(11:30)-奈良山峠(11:45)-896m 峰(11:50/55)-焙烙峠(12:05/20)-林道分岐(12:54)-奈良山春日神社(13:15/30/神社に忘れ物/50)-県道177号線(14:20)-(15:10)上平バス停[15:40]=(上信バス上平線)=[16:24]群馬藤岡[16:56]=(JR八高線)=[17:11]高崎[17:33]=(高崎線快速上野行)=[19:13]上野=三越前=[20:21]宮崎台
<標準>
☆ルートの概況
  前夜、電話で予約しておいたタクシーで、この日のアプローチルートの最寄り駅 上信電鉄上州福島駅から小幡宝積寺の裏の山の林道を登り、中腹にあるT字路のゲートの前から歩き出しました。

  宝積寺の山門の下から右手へ登ってゆく林道は 1.5Km ほど先まで舗装されています。
その先の未舗装部分は時々ダンプが通っているとかで凹凸が多いもののしっかり踏み固められています。

  舗装が切れた所から1Km 足らずの所にあるT字路のゲートの前でタクシーを降り、山歩きの支度をしました。

  このT字路の角のあたりはちょってした展望点でした。
高気圧圏内ながら風向きの加減で霞が濃くなり、遠くの山が見えないのは残念でしたが山の下に甘楽野が広がり、それに見下ろすような形で国峰城山が立っているのが見えました。

砂利の林道を進んでゆくと左手に天狗山が見えてきました。
山というより支尾根上の小さなコブと言ったほうが当たっているくらいの高みです。

  桜並木の下を通って尾根の右手に回りこんでゆくと菊ヶ池入口のT字路に着きました。
直進すると菊ヶ池、天狗山へは左折します。

  曲がり角の頂点からまっすぐ山に入ってゆく歩道があり、その入口に道標が立っていました。
昔の登山道のようでしたが天狗山へは左手に延びている林道を進むよう指示している腕木に従って左手へ進みました。 

  尾根の端を回り込んでゆくと左上に天狗山が見えてきました。
林道が山突き当たった所がちょっとした広場になっていて、突き当りに幟が立ち、その脇に天狗山への入口を示す道標が立っています。

  杉の幼木が植えられている斜面の縁をひと登りすると左手を迂回してきた幅広の作業道道と出合いました。
ここまで来れば天狗山は眼と鼻の先です。



あと僅かで白倉神社への乗越し、と言う所で後ろを振り返るとこの日歩きに来た市町境界尾根が綺麗なスカイラインを描いているのが見えました。
右奥に見える尖ったピークは熊倉山三角点峰に違いありません。

熊倉山から焙烙峠への稜線    (画像をクリックすると拡大) 
 
  白倉神社乗越で左折してわずか進むと天狗山頂上で、山名標識と三角点標石がありました。
歩き出しのT字路から40分近く登っていたのでひと息入れました。

熊倉山から焙烙峠への稜線    (画像をクリックすると拡大)
 

  市町境界稜線に上がるには僅か戻って白倉神社乗越の鞍部を渡り、その向こう側から登ってゆく支尾根を進みます。

  登りにかかるとすぐ尾根が痩せてきてちょってした岩稜になりました。

  赤ペンキの太い二重線マークが目立ちます。
山屋のものではなく、林業用の標識のようでした。

  浅いたるみがあって右下から登ってきた古い道形が出合いました。

  左手へ乗越してゆく道形ははっきりしません。

  地面が軟弱になり、踏み跡も不明瞭になりましたが尾根の背を外さないよう注意して登り続けました。

  やがて左手に市町境界稜線の鞍部が見えて来ました。
急な登りが緩んだ所が峠への分岐で、獣道のようなか細い踏み跡が左へ分岐し、入口の脇の灌木の幹に2本のビニールテープマークが巻きつけてあります。

  所々足場が悪くなっている道を進んでゆくと行く手に小柏峠の鞍部が見えてきました。

  小柏峠は樹木に囲まれたひっそりした浅い鞍部でした。
上日野の小柏側へは明瞭な道が延びていて、その入口に2体の石仏が並んでいます。

  鞍部から東に向かう尾根は今回は歩きませんが後日の山行のため入口の様子を観察しました。
峠から見た限りでは尾根の背の踏み跡は明瞭で問題はなさそうです。

  西に向かう境界稜線は僅か登ってコブを越すとその先は穏やかに起伏しています。
日野側が人工林、甘楽側が自然林になっているのでその境目を進みました。
 

  小さなコブをふたつ越した所に小さな鞍部があって北面を登ってきた道形が出合いました。
二本木峠と呼ばれている所と思いましたが、日野側の道形は不明瞭でした。 

  踏み跡が薄くなったので人工林と自然林の境目の歩きやすそうな所を拾ってゆきました。

  尾根が細まり、岩屑が目立つ高みにさしかかりました。 

  長い岩尾根はこの稜線では珍しいものでした。

  岩尾根には植樹できないためか左側の檜林との間の隙間が広がり、そのお蔭であたりが明るくなっていました。 

  やがて見覚えのあるコースマークのある所に着きました。
3月23日に上日野上平から林道を辿って熊倉山に登頂したとき、頂稜直下まで登って来た林道からごく短い藪を通って上がった尾根の背に残置したマークでした。

  コースマークのある所から西へ進んだあと僅か登った小ピークが熊倉山三角点峰です。

熊倉山標識板    (画像をクリックすると拡大) 

  この頂上には、「熊倉山」と彫り込んだ山名標があるのですが、前回来てから2週間しか経っていないのに位置が変わっていました。
ごく地味な山域は滅多に人に遭わないのですが、地元には少数の物好きがいて、割と頻繁に来ているようです。


  山名標がなければただのコブと思って通り過ぎてしまいそうな所ですが、北面は落葉樹林のため葉っぱが出ていない時期には林を通して甘楽野の展望が得られます。
 
熊倉山北面の眺め    (画像をクリックすると拡大スクロール)
 

  三角点峰の西側を僅かに下って行くと、なんとなく雑然とした感じの鞍部があります。
 この辺りでも稜線近くの南面を林道が通っていて、所々で道形が見え隠れしました。

  緩やかに登り返して行くと900m の等高線に囲まれている細長い高みにあがります。
三角点は 896.2m ですからこちらの方が数m 高い事になり、熊倉山の頂上は本当はこちらの筈と思いました。

  緩やかに下ってゆくと笹が出てきました。

  思いがけず草むした林道に飛び出してビックリ。
小幡の方から登ってきた林道が境界稜線を乗り越えています。

  林道を進んでも良さそうに見えましたが、頂稜トレースに拘って乗越しの向かい側の藪に押し入ってみたらすぐに松林の中ある踏跡に乗りました。
 

  いい感じの尾根ルートだったのですがこれも長くは続かず、先ほどの林道に出てしまいました。
林道が尾根の背に沿って延びているようなのでそのまま進んでも大外れにはならないだろうと考え、まわりの様子を見ながら進んでみました。 

奈良山峠    (画像をクリックすると拡大)
 

  僅か進んだ所で幅広く浅い切り通しのある林道峠に着きました。

  小幡の方から登ってきた林道が市町界稜線を乗越え、稜線沿いに日野側斜面を通っている林道とT字状に出合っています。
GPS 座標と地形図とを照合し、奈良山峠と呼ばれている所に違いないと思いました。

  峠の切通の西側に立っている看板の脇から尾根に上がって進むとまわりが開けてきて疎林に覆われた広大な緩斜面を見渡せるようになりました。
緑の時期に来れば美しい高原風景が見られそうです。

  ゆるやかに登って行った先の 896m の高みは明るい疎林の平頂でした。

稲含から赤久縄への山並み  (画像をクリックすると拡大)

   格好の展望スポットで、稲含山から赤久縄山への山並みが間近に見えました。







  山の下は秋畑で、その先に小幡国峰城址のある丘陵が広がっています。

896m 峰から甘楽野の展望    (画像をクリックすると拡大スクロール)

  この辺りから先はますます地形は穏やかになってゆき、最後は尾根の背も定かではなくなります。

  焙烙峠の頂上はどのあたりかなぁ、方向を探りながら下ってゆくと下の方に道形が見えてきました。




  やがて峠頂上の看板が見えてきたので少し南寄りに進路を修正し、看板正面の路上に降り立ちました。
  降り着いた焙烙棘の頂上は切通しではなく西側が開けた明るい坂道の頂上でした。
秋畑の方から登ってきた舗装路が未舗装の砂利道になって日野側へ下って行きます。
看板には、絵地図が描かれ、「平成17年開通 林道奈良山線」と記した文字が誇らしげです。
その横には、「←藤岡市 上日野   甘楽町 秋畑→」と墨書きした手作り道標が立っています。

  この日の藪山歩きはここで無事に終了したことになるので、ホッとして道端に座り込み、飲み食いをしていたら秋畑の方からバイクが1台、エンジン音を響かせながら登って来て目の前を通り過ぎ、日野の方へ下ってゆきました。

  この日に予定したルートを完歩できた結果、念願の南山尾根の伝いがほぼ完結できたことになります。
満ち足りた気分になって上日野への下山路に入りました。

  下り始めの道端で山桜が三分咲きになっていてその先に鮎川谷上流部の山並みを見えました。

  何年か前の台風の被害で峠直下の日野側の林道が崩れたというネット情報を見ていましたが何もなく、のんびり林道歩きを続けてゆくことができました。

  峠からひとひと下りした所で左から林道が出合っていました。
最前通った奈良山峠南面から下って来た林道の出口のようです。



  林道が右手の山腹に回りこんでゆく所では、谷向いにこの日に歩いてきた尾根筋が見渡せました。
下はその180度パノラマで写真です。

熊倉山から焙烙峠への稜線    (画像をクリックすると拡大)
 

  尾根の端を回って右手に向かおうとするあたりから谷向いの山の中腹にあるゴルフ場が見えてきました。

  熊倉山の中腹を通ってきた林道を合わせた先で右にカーブするあたりから舗装路になったあと、左にカーブして折り返して奈良山の山畑の上に出ると目の前に広大な視界が広がりました。

  山畑の縁に咲いている花桃と、谷向いの鮎川源流地帯の山並み、その先に連なっている赤久縄から御荷鉾へのスカイラインの様は最高の部類の山岳景観でした。

奈良山部落山畑上の道からの展望    (画像をクリックすると拡大)

  奈良山部落最奥の民家が見えてきたあたりから道端に咲いている色とりどりの花が賑やかでした。
 
  部落に入って三つ目のカーブの頂点から石段を上がった所に春日神社がありました。
焙烙峠にあったのと同じ林道の地図看板が鳥居の下に立っています。

  その隣の擁壁には、此処の住民は古来、藤岡より焙烙峠越えの小幡富岡方面との交通路に頼って生活してきたこと。
マイカー時代になって軽自動車で峠を越えられる通路の維持に非常に苦労したが、長年の願望が叶って林道が開通したことを記した銘板が嵌めこんでありました。

春の奈良山(2)  
 (画像をクリックすると拡大)

  目出度く済んだ南尾根縦走への感謝を捧げるため神社に参拝したあと御神庭に引いてあった山の水で喉を潤しながら長い休憩をしました。

  休憩を終えて神社の石段を下り、下の道の端に出ていた地元のご同輩達と少し話をしたあと、南向き斜面にひな壇のように並んでいる人家の間を縫って曲がり下ってゆく道をのんびり歩いた花見下山をしました。

これは上段の家の下の桜の老木です。 

春の奈良山(1)  
 (画像をクリックすると拡大)
 

  桜の向かい側の斜面はダイコンソウのお花畑になっています。 

熊倉山から焙烙峠への稜線    (画像をクリックすると拡大)
 

  集落の下の方にある牧場のような斜面の景色です。

  春の山里の景色に見とれながら坂を下り終え、谷底を通っている県道に出合いました。
出口の角に幟が立っていて、その向かい側に「奈良山入口」と記した地味な看板が立っていました。

熊倉山から焙烙峠への稜線    (画像をクリックすると拡大)
 

  鮎川上流部は険しい峡谷になっていて県道工事が困難だったことを想像させました。
芽吹きの木の間から谷底を覗き込むと滝が連続しています。

熊倉山から焙烙峠への稜線    (画像をクリックすると拡大)
 

  上平最奥の民家を通り過ぎるとすぐ先に熊倉山南面林道の出口がありました。
正面の高い所に熊倉山の頂上が見えています。

熊倉山から焙烙峠への稜線    (画像をクリックすると拡大)
 

  谷が曲がっている所で上平の本村が見えました。
足元から遠くまで色とりどりの花が咲いていて春の山村を飾り立てていました。

  やがて歩き着いた藤岡行バスの終点もまわりが花いっぱいになっていました。

<ルートの詳細>




  ヤマレコの山行報告





  ルートマップ



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☆おわりに

   吉井・甘楽南山稜線の西端部 小柏峠から焙烙峠への藪尾根伝いがほぼ完成しました。
前日に小梨峠から東にある大沢峠まで、さらに3月22日に小柏峠から小梨峠までのトレースが出来たのでこれらと合わせると残っている未踏部分は小柏峠-亀穴峠の1.5Km ほどのみとなります。

  この日の下山路の途中、奈良山で素晴らしい山岳展望と美しい山村風景に出合い、日本の山里の美しさを再認識しました。

奈良山の道端で地元のの同世代と話をする機会が得られたのも嬉しい事でした。
懐かしい故郷の山で素晴らしい山行ができたのはこの上ない幸せなことでした。