鈴鹿、御在所山-鎌ヶ岳 (2014.5.28)


☆期日/天気/山行形式: 2014年5月28日 市中ホテル利用山巡りの1日目
☆地形図(2万5千分1): 御在所山(名古屋10号-2)
☆まえがき
    紀伊半島縦断の旅から帰る途中、四日市で3泊して鈴鹿の山巡りをしました。
この山行の最大の目標は鎌ヶ岳でした。
鈴鹿の主な山はあらかた登ったと思っているのですが、この山を登り漏らしたままで置くのは気に入りません。
御在所山は昔、朝明ヒュッテをベースに釈迦ヶ岳以南を回った山行の最後のピークだったのですが、たまたま天気が悪ったため、霧の中を歩き回っただけで終わってしまい、機会があったらもう一度登り直し、頂上一帯がどうなっているのか実見したい思っていました。

御在所山県界尾根上部から見た鎌ヶ岳    (画像をクリックすると拡大スクロール)
☆行動時間
   近鉄四日市[8:34]=(近鉄湯の山線)=[8:59]近鉄湯の山温泉[9:29]=(三重交通バス)=[9:35]三交湯の山温泉-ロープウエイ駅(9:50/54)=(御在所ロープウエイ)=山上公園駅(10:10/13)-御在所山(10:30/40)-登山道入口(10:54/11:00)-武平峠(11:36/47)-ガレ場直下(12:47/52)-鎌ヶ岳1161(12:55/13:20)-三ツ口沢分岐(14:00/10)-スカイライン近道分岐(14:37)-ギャップ(14:45/49)-弥一ヶ岳(14:51)-小休止(15:10/20)-電柱(15:28)-三石谷道(15:37)-三石谷出合(15:45)-車道(15:47)-(16:16)湯の山温泉バス停[16:20]=(三重交通バス)=[16:27]近鉄湯の山温泉[16:39]=(近鉄湯の山線)=[17:07]近鉄四日市駅{駅前ホテル泊}

☆ルートの概況
   この前日までの4日間、東熊野街道沿いの山旅をしていて、少々疲れが溜まっていたので、御在所山への登りではロープウエイを利用しました。
週日、近鉄湯の山温泉駅からロープウエイ駅下の三重交通湯の山へ行く朝一番のバスは 9:29 ですからそれより早く行っても時間の無駄です。
四日市ホテルの朝食を食べたあと、ゆっくり食休みをして出発しました。

  近鉄電車から三交バスへ、アプローチの乗り物を順調に乗り継いで進みました。
毎年5月下旬に見られる安定した晴天になり、まさに登山日和です。

  バスの終点からひと登りした所にある山麓駅でロープウエイに乗って山上に向かうとすぐにまわりの視界が開け、左手の谷向いに鎌ヶ岳が勇姿を現しました。

  南アルプス甲斐駒ケ岳とおなじ花崗岩でできている山ですが、そちらの3分の1あまりの高さしかないとはとても思えない迫力ある姿をしています。

  山上公園駅に着いて外に出ると正面に 1209.4m の三角点峰が、その左手に御嶽大権現堂のピークが見えました。

  右手には三国岳。
その奥の方に重なり合っているのは釈迦ヶ岳から竜ヶ岳、藤原岳あたりへの山並でしょう。

 
    冬はスキー場になるらしい芝生の斜面を下り、広い鞍部の先の斜面を登り返してゆくと三角点峰(1209.4m)に着きました。
  山の頂上というより公園の展望台と言う風な高みでしたが思ったより人が少なく、天気も良かったこともあって爽快な気分になりました。

  三角点峰のすぐ後ろにある最高点(1212m)に立ち寄ったあと、長者池の脇を通って武平峠へのルートに向かうところでは、高原状の地形の先に鎌ヶ岳の頭が見えました。

御在所山頂上公園からから見えて鎌ヶ岳    (画像をクリックすると拡大スクロール)
 

  武平峠への県境尾根ルートのはじめは車道でしたが間もなく左のような 「登山口」 があり、灌木の間の歩道に入ります。

  暖地林の中の僅かな高みを乗り越すとすぐ、溝状にえぐれた急坂の下りになります。


    御在所山も花崗岩でできている山で、所々にザラザラした白っぽい露岩やザレ場があります。
岩場にかかる所では視界が開け、行く手に近づいてきた鎌ヶ岳が少しずつ高く見えるようになってきました。

  右手は滋賀県側の山並です。
甲賀忍者の里だった地域の山の深さが分かります。

  武平峠は思いのほか小じんまりした鞍部でした。
さわやかな風が吹き通る気分の良い場所だったので、この後に控えている登りに備えて、ゆっくり休憩しました。
 
  鎌ヶ岳への登路は階段状の尾根道で、灌木の間を進む平坦な部分と、ザラザラした露岩の急登が交互に現れました。

  露岩の部分は視界が開けて眺めがよく、平坦な部分は両側の灌木が日差しを遮って涼しく、なかなか快適な登路です。
 
  露岩の部分は左のように風化した花崗岩の露頭で岩の間を縫って急登します。

   思ったより快適な登路だったので気を良くして進んでゆくと頂上が頭の上にかぶさるように見えてきて、なかなかの迫力となりました。

  頂上直下の急登の裾まで進んだ所で木陰にザックを下ろし、最後の休憩をしました。
 
  三つ口谷下降点のザレ場の縁を通る所では谷向いに立つ御在所山の横顔と対面しました。
取り付きの東側山麓から見た御在所山は尖った姿をしていますが、横から見ると頂稜がとても長い平頂で高原のような姿です。
 
  最後のガレ場の裾にあるブッシュの中にイワウチワが咲いていました。
 
  ザラザラで滑り難いけれど、手で掴む所がなくて困るガレ場を登り上げると尖った岩峰に上がりました。

  正面に御在所山が大きく、その左手に雨乞岳から綿向山へ連なる奥甲賀の山並が雄大な山岳景観を呈していました。

  岩峰の南には50m 程の細長い頂稜が繋がっていて、中ほどに小さな鳥居と祠がありました。

  下降路は岳峠から長石沢と思っていましたが、入り口がもうひとつはっきりせず。
入りかけた道を登り返して祠の前に戻り、入口が明瞭でよく踏まれている長石尾根ルートに変更しました。
 
  ブッシュの間のザレ気味の下降路に入った所ではシャクナゲの群落が満開で、その背後にはシロヤシオが花盛りでした。
 
  頂上直下はかなりの急降下でしたがブッシュの中なので高度感はありません。
  急がず、焦らず、忍耐強く下ってゆくのみでした。












  所々に出てくる露岩の上では視界が開け、正面の御在所山がますます大きくなってきました。

御在所山県界尾根上部から見た鎌ヶ岳    (画像をクリックすると拡大スクロール)
 
 
  しばらく下ったところで三つ口谷ルート分岐を通過しました。

  谷道は涼しくて水場もあるから良いかも、と思いましたが出口が湯の山温泉バス停から離れた所にあるのが難点と思いました。

  水も十分持っていて飲み物の不足はなかったのでそのまま尾根ルートを進み続けることにしました。
  スカイライン近道と記した道標が立っている分岐を通過した先にちょっとしたギャップがあり、その向かい側のルート判断で迷ったりしましたがすぐに回復。
    弥一ヶ峰への登りにかかった所で振り返ると今降りてきた尾根の上に鎌ヶ岳頂上が聳え立っていました。

  弥一ヶ峰頂上を越えて尾根が右に曲がり下だってゆくようになるとすぐ急降下が始まりました。
疲れが溜まってきたので慎重に足場を選びながら灌木伝いに下りて行ったら小さな高みにコンクリート電柱が2本立っていました。
木の葉が茂っていて上が見えず、良くは分からなかったのでテレビ難聴対策の中継アンテナか何かのようだなぁ、と思っただけで下降を続けました。
この後も所どころに2~3本の電柱が並び立っていました。
 
  林に視界を妨げられ、まわりの様子が良くわかりませんでしたが、右下から水音が聞こえてくるようになり、高度が下がってきたことが分かりました。

  やがて長石谷ルートの道に合流、左のような標識が立っている所を通過しました。
 
    標識の袂で左折。
尾根の末端を横巻してゆく道を進みましたが期待していたほど歩きやすい道ではなく、慎重に歩く必要がありました。

  間もなく沢が右下に見えてきて白い石が転がっている河原に出たので慎重に飛び石を選んで水流を渡りました。
かつて、鉄の橋が架けられていたようですが大水に押し流されてしまったらしく、下手に赤錆びた残骸が見えました。
 
  河原から上がるとすぐ車止め広場があり、その先で舗装車道に出ました。
この道は鈴鹿スカイラインの枝道で車があまり走ってこないため、のんびりゆっくり歩けました。

 
  時間的には思っていたより順調に歩けて余裕があったので脚の筋肉に溜まった乳酸菌を洗い流すようにゆっくり進んでゆくと、少しずつ建物が見えてきて、やがて湯の山温泉郷に入りました。
 
  時計は見ず、ひたすら疲れた足との対話に専念しながら歩いて行ったのですが3時過ぎに出るバスの定刻5分前と言うジャストインタイムにバスターミナル停に到着しました。

  早い時間に四日市に帰り着けたので、近鉄デパートのグルメ街に立ち寄り、ちょっと贅沢な弁当などを買い込んでホテルに帰り、夜はゆっくり休んで体を休め、早い時間に寝ました。

☆ルートの詳細



  GPS スライドショー



  Flickr の元画像スライドショー



  ルートマップ


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☆おわりに

   機会があったら登り直しをしたいと思っていた御在所山に登り、五月晴れの山上で展望を楽しみました。
鈴鹿で登り漏らしている中で最も気に懸っていた鎌ヶ岳にも登り、登路の県境尾根と頂上とで展望を楽しみました。
久し振りに山っぽい山でしたが意外に順調に歩け、まだ少しの間は山登りができそう、と言うことが分かったのは嬉しい事でした。