宮城山形県境、面白山(2008.7.31)


☆地形図(2万5千分1): 関山峠(仙台6号-4)、天童(仙台10号-2)、作並(仙台7号-3)、
                                   山寺(仙台11号-1)
☆まえがき
    この夏のみちのくお山巡りの手始めは面白山(1264.4)から となった。
半ば足慣らしなのだから、もし天気が悪かったら山に登る代わりにひとつ先の山寺駅まで行って立石寺をみても良いと思っていた。

  仙台で仙山線に乗り継いで約1時間。  宮城・山形県境の長いトンネルを抜けた所にある面白山高原駅(460)のホームから階段を上がるとすぐ先に登山口があった。

南尾根上三沢山から望む面白山。 背後に大東岳が見えている。  
 (画像をクリックすると拡大します)
☆行動記録とルートの状況
<タイム記録>
    宮崎台[6:38]=大手町=東京[7:36]=(ハヤテ#3)=仙台=[10:29]面白山高原駅(11:00)-小休止(12:00/10)-長左衛門道(12:30)-小休止(13:00/05)-面白山(13:53/14:15)-三沢山(14:45)-長命水(15:05/15)-天童高原(15:45/50)-(16:40)面白山高原駅[17:36]=[18:01]山形駅{駅前通りのホテル}

◆面白山高原駅のプラットホームから階段を上がると小広場があり、そのまわりに公衆便所、スキーリフトの乗り場、二軒の食堂兼民宿が並んでいた。

  頂上への往復に要らないものを預けたいと思ったが、駅舎にロッカーがなく、店も二軒とも閉まっていた。
さてどこにデポして行ったものかと、少々困ってウロウロしていたら、片方の店の奥からお爺さんが出てきた。

  頼み込んで荷物を預かってもらい、サブザックで山に向かった。

  線路の上に架かっている橋を渡って左手に 100m ほど進んだ所にルートの入り口を示す道標が立っていた。
面白山頂上へ直上できる最短路、かもしかルートの入り口だ。

  ゴチャゴチャした感じの小沢に入って200m ほど進んだ所で左岸の斜面に取り付き、やや足場の悪い所を斜上して行くと尾根の背に上がる。

  尾根の下部は深い森に覆われて視界が閉ざされた。
はじめやや急な登りが続いたが30分ほど経つと傾斜が緩み、それ以降は緩急を繰り返しつつ高度を上げてゆくようになる。

  登りだして1時間半近く経つと右の森の隙間から宮城・山形県境の稜線が見えてきた。
  
  さらにひと登りで長左衛門道と交差した。
この道は天童高原から、長左衛門平を経て奥新川峠まで、面白山の7合目付近をトラバースしている。
  山深いところを通っている道にも拘らず幅が広くしっかりした道だった。
谷底の険しい地形を避けて天童から宮城方面へ抜ける交通路だったのかもしれない。

  登りの続きは少し筋違いで、頂上への道の入り口は20m ほど右手に歩いた所にある。
  入口に中年女性が休んでいた。
挨拶のあと尋ねてみたら、地元の山形市からで、今週2回目だと言った。


  1000m を越すあたりから回りの樹高が低くなって視界が開け、面白山頂上と思われる高みが見えるようになった。

まだかなり遠くて高い。


  笹と潅木の間を登り続け、ようやく頂上に上がった。

頂上広場は意外に良く踏まれていた。
背の高い三角点標石と "面白大権現" と刻んだ石柱が並び立ち、沢山のトンボが飛んでいた。

  この山はもともと山寺の奥の院だったと言う。
"面白" の読み方も "オモシロ" ではなく、"ツラシロ" と読まれていたらしい。


  頂上の展望が楽しみだったが、雲行きは梅雨明け未だしという感じで、遠くの山は捗々しく見えなかった。

南の方の雲間には、すぐ隣の南面白山と、その奥にある大東岳が頭を出していた。



  西の方は雲に紛れて判然としないが朝日連峰か、と思われる山脈が見えた。
残雪と花の美しい縦走路を歩いたことを思い出した。

面白山頂上から西方(朝日連峰方面?)の展望      (画像をクリックすると拡大します)
  計画では往路を戻ることにしていたが急なところが多く、大部分森の中で展望もなかったのであまり気が乗らなかった。
登路の途中、南の方にちらりと見えた天童高原の草原に惹かれたのでそちらに回ってみることにした。
  頂稜を僅か歩いて肩のピークを越えると間もなく、潅木手掛かりの急降下となったが暫く下った所で直角に左に折れると尾根に乗って穏やかな下降となった。
  ひと下りしたところから僅か登った高みが天童市最高点と記した看板の立つ三沢山だった。(左)
後を振り返ると面白山がページ冒頭の写真のようにドーンと聳ていた。

  三沢山から先は穏やかな尾根道になった。

  かなり進んだ所で左下の斜面に入り、葛篭に折れ曲がって高度を下げ、長左衛門道に降りついた。

  すぐ右手に長命水の水場があった。
雪国の山の水は美味いのが常だが、ここの水もその例に漏れなかった。
ノンビリ喉を潤したあと、大汗をかいて失った体内水分を補うため、PET瓶とテルモスとを満タンにした。

  長左衛門道は幅広く平坦でとても歩きやすく、奥山の遊歩道とでも言えるような道だった。

道端に咲いているヤマユリが綺麗だった。
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  途中に樹木の切れ間があった。
南面白山と大東岳が仲良く並んで見えた。
  道の右脇に立つ吉岡放牧場への分岐を見送って僅か進むと天童高原の端に着いた。
林の中に大型テントが数張り。
下手に大きな管理棟があり、その先は広々したなだらかな草原が広がり、スキーリフトに鉄塔が並んでいた。

  暫く車道を進んだ分岐点を左手に入り、尾根を乗越すと面白山高原駅方面への林道になった。

  濃密な森の中をヘヤピンカーブを繰り返しながら高度を下げて谷底近くまで下った所で左にトラバースして行くと昼前に見た道標があった。

(画像をクリックすると拡大します)
  すぐに駅前広場に着いた。
広場は小園地になっていて、"面白山" の名の由来が記されていた。
  駅前で預けてあったザックを受け取り、駅で約1時間待って山形行きに乗った。
山寺駅付近では、向かいの山の中に立石寺の建物が散在しているのが見えた。
奥の細道で有名な寺だ。
いずれ機会を作って訪ねて見たいと思った。

  山形ではネットで探した駅前通りのビジネスホテルに泊まった。
週末のビジネスホテルは空いているものだが、便利な場所にあって安価で静かだった。
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☆おわりに
  曇りだったが薄日が当たる程度の落ち着いた空模様のお蔭で計画通りに登頂できた。
こじんまりした山ながら、みちのくの山らしい手付かずの自然の雰囲気が残っていた。
ただ、初日にいきなり 800m の高度差を登降したのはやや厳しかったようで、下山の終わりでは足腰の筋肉が悲鳴を上げそうになった。

  GPS を携帯した最初の本番山行だったが、尾根歩きだったせいもあって綺麗なトラックが取れた。
内容的にはこの記録と重複するが興味があったらこちらをどうぞ。