直線上に配置
半原-仏果山-高取山-宮ヶ瀬ダム
(2003.1.26)
☆期日/山行形式: 2003.1.26 単独日帰り

☆はじめに
    低山歩きが楽しい厳冬期になった。
今シーズンの一番バッターとしてまず高取山に行くことにした。
高取山は一年前、辺室山から土山峠に降りたあと、宮ヶ瀬越からこの頂きを越して半原に抜けるダブル山行を企てたのだが辺室山の深雪で疲れたのと雲行きがおかしくなって来たのとで登らずに帰って終わった。
時間的に余裕がありそうなので5年前に登った仏果山から宮ヶ瀬越を経て登頂し、頂上から北に延びている尾根を伝わって宮ヶ瀬ダムに下りてみる事にした。 ダムから20分ほど歩いた日比良野の服部牧場には美味しいアイスクリームがあるらしい。 電話で聞いてみたら料理はないがパンとフランクくらいは置いているという。 山を降りたら牧場で中休みをし、時間の余裕があったら牧場の北側にある南山に登って鳥屋まで歩いて帰ろうと考えた。 もし時間が足りなさそうだったら東の志田峠を越して三増から半原まで歩いて帰ってもよい。 今年は雪が多いから山が小さくてもきっと面白いに違いないと期待した。

☆タイムレコード
    宮崎台[6:13]=[6:30]長津田[6:40]=[6:54]淵野辺[7:00]=[7:47]撚糸組合前-登山口(8:15/30)-林道(8:55/9:00)-仏果山(9:55/10:15)-宮ヶ瀬越(10:35)-高取山(10:55/11:05)-1.65Km道標(11:20)-鉄塔(11:30)-階段上(11:45/50)-宮ヶ瀬ダム駐車場(12:05)-服部牧場(12:30/13:10)-南山登山道入口(13:20/30)-韮尾根(ca13:50)-(14:00)串川橋[14:12]=[14:25]三ヶ木[14:35]=[15:10]橋本[15:20]=[15:39]長津田[15:43]=[16:06]宮崎台

☆概況
  一日でふた山稼ごうという魂胆なので少々早めに家を出た。 この前仏果山から経ヶ岳を歩いた時には橋本駅からのバスで三増の山の裏側を回って半原に入ったが今回は淵野辺駅から出ている半原行きバスを利用する。 JR横浜線でふたつ手前の駅からだし、かなりの近回りになる。 冬晴れの日曜の朝だったが時間が早かったせいかバスの乗客は仕事に出る地元の三人だけだった。 途中上溝駅に寄って相模川を渡り、愛川町に入る。 

半原街中の撚糸組合前で下車。 すぐ手前の神社の脇から川沿いのコンクリート舗装の道を歩く。 半原は裁縫用絹撚糸の産地で、この川沿いにはかつて水車が並んでいたのだと言う。 日影の路面では雪が凍結している。 数日前に冷たい雨が降ったがこの辺りでは雪だったようだ。 谷沿いの家並が切れるとすぐに新しい車道橋の下にある登山口だった。 トイレを使ったり、スパッツを着けたり、身支度を整えて山道に入る。 檜林の中を2度ほど鹿柵を潜って行くと中腹を巻いている林道に出る。 奥多摩から奥秩父の山並が望まれ、隣の高取山の尾根の際には甲斐駒ヶ岳かと思われる雪山が覗いている。 蜜柑を食べながら一息入れている所へ中年男が登ってきた。 林道から山に入るコンクリート階段は雪が凍結してツルツルになっている。 送電線鉄塔の脇をすぎて傾斜が緩んで来る所に木製ベンチがあって親子連れが休んでいた。 若い夫婦で子供もまだ小学校の低学年だ。 頂上への最後の登りの手前の緩やかな尾根から、高取山の頂上が良く見えた(上)。


   最後のひと登りで高い鋼製の見晴櫓が立っている仏果山頂上に着いた(左)。 カメラを持った男二人組と熟年夫婦がいた。デジタルと645銀塩と、2台のカメラを持って見晴台に上がる。
宮ヶ瀬湖の向い側は蛭ヶ岳を最高峰とする丹沢山塊だ(右)。 樹木に被われているのに蛭ヶ岳が真っ白になっている。 かなり雪が深そうだ。 山並みの左端では大山が奇麗な三角形を描いている。 高取山の頂上越しに奥秩父連山と小金沢連嶺が見える。さらにその右手は奥多摩をバックにした八王子でさらにその右手には東京方面へ平野が広がっている。 都心の方角はスモッグが濃いのと逆光のせいでボンヤリ霞んでいる。 熟年夫婦、続いてあとから登り着いた子供連れが上がってきた。丹沢側の手すりに山名説明看板取り付けてあるのだが方向が大分方向おかしい。 左へ45度程ずれているので展望台の角に取りつければちょうど良さそうなのだがそうすると視界の邪魔になる。 分かっていながら仕方なく今の場所に取り付けたのだろうと思うが不馴れな人を惑わせる代物だ。
 頂上の後ろ側に回り、鎖を取り付けた階段状の所を急降下すると緩やかな尾根に乗る。 さっきまでいた頂上を右上に見上げながら緩やかな上下を繰り返してゆくと宮ヶ瀬越だ。 宮ヶ瀬湖畔から1時間ほどで上がってこられる捷路のためここを登り降りする人が多いようだ。 先の方に人影がチラチラ見えてきた。 頂上から降りてきたパーティと擦れ違う。 緩やかに登って行くと高取山の頂上だ。 宮ヶ瀬湖側の林の縁に仏果山と同じ造りの鋼製櫓が立っている。 東側は樹木が伐り払われ、広広した感じの広場になっている。 幾つかの木製テーブルが設けてあるが10人あまりが先着していてあらかた塞がっている。 中年の単独者に声を掛けてその横手に座らせてもらう。 ホットレモンを飲みながら羊羹の切れ端を齧っていると半原の方から15、6人のパーティが登ってきた。 5年前の仏果山では1人にしか遭わなかった。 今日は5人だったが、こちらでは次々に大パーティが登ってくるのに驚いた。 隣の男に「この山はいつもこんなに混むんですか?」と聞いてみる。 「なんとか歩道が通っているせいで登山者でない人も来るんですよ」、という答えになるほどと思った。 家に帰ったあとで、東海自然歩道は道志の方を通っている筈だと気が着いたのであらためて調べて見たが、平山から経ヶ岳を経て土山峠の方に抜ける "首都圏自然歩道" が通っていることが分かっただけだった。 僅かな時間の間にドンドン混雑してきたので単独男に挨拶して退散する。
宮ヶ瀬ダムに通じている北尾根ルートの雪道にはせいぜい4、5人が歩いた形跡が残っているだけだ。 ひと歩きであたりに人の気配がなくなった。 太いロープを取り付けた足場の悪い急降下がある。 急峻な地形は大山三峰から続く礫岩の山の個性だ。 急降下が終わったあとは痩せ尾根が続く。 藪に被われているので高度感はないが両側ともかなりの急斜面だ。 小さなコルがあってロープが張ってある。 短い距離だが宮ヶ瀬川が崩壊している。

ここを過ぎてひと登りし、小ピークを越すと尾根の幅が広がって気楽なスノーハイクになる。 宮ヶ瀬湖へ1.65Km と記した道標のすぐ先に送電線鉄塔が立っている。 鉄塔下の木製ベンチのあたりから雪上の靴跡が増えた。 ダムからここまで往復する者は多いらしい。 左側が杉、右側が檜の道を下り続けて行くとダムを見降ろす広場に出た。 大きなコンクリートブロックの前に野外卓が並んでいる。 高取山から休まず歩き続けているので小休止。 
向かい側は南山でほぼ同高度の尾根上にこちらと同じようなコンクリートブロックが見える。 真下は宮ヶ瀬ダムだ(左)。

ここからダム水面近くまで急な階段が連続する。 丁寧に作られた階段なのだが雪が被っているので崩れかけた所では気が抜けない。 いつまでもこんな階段を下っていたら膝を傷めてしまうと思いかけた頃、駐車場近くの車道に降り着いた。 脇の斜面には、高取山へのルートは痩せ尾根や危険個所があるので注意するよう記した看板が立ててある。

ダムの上を渡り、対岸の車道に入って日比良野に向う。 広い車道だが車が来ないため静まり返っている。 右上に高取山頂上と、今下りてきた尾根が見えている。 短い割には手ごたえのある下降路だった。 最後の階段はダム建設のために山を削てできた崖の縁だったことが分かった。 車止柵の脇を摺り抜けて十字路を渡って進むと左の山裾に服部牧場があった。
奥手の白い建物がアイスクリーム館で、ドライブに来た家族連れがアイスクリームを食べていた(左)。 ピザパイ風のパンとブルーベリーアイスとを買い、窓際のテーブルで食べる。 両方ともとても美味しかったが全部食べると胃に来ると思ったのでパンを半分残す。

食休みをしているうちに午後1時を回った。 南山を越して鳥屋まで行くにはちょっと遅い。 急に雲が増えて曇って来たので志田峠を越して半原から帰る事にした。 南山には近いうちに出直す積りなので取付の様子を見ようと、牧場の裏手の車道に上がった。 北に向って僅か進んだ所に遊歩道の入り口があり、入ってすぐの所にコース案内の看板が立っていた。 鳥屋宮之前にある郵便局の手前の中開戸バス停から町道に入り、林道から南山園地(予定)に上がって逆向きに歩いて来ればここに降りて来てまたアイスクリームにありつける。 南山を美味しく歩ける見込みが立ったので良い気分になって志田峠に向ったのだがそのすぐ後でとんだご粗末をやって峠越えをフイにした。
  すぐ先の十字路を右折して清正光入口の方に行けばスンナリ志田峠道に入れた筈だったのだが韮尾根という地名の面白さに引かれてそちらを回ってみようと直進、畑の中の細い道に入った。 韮尾根は期待通り風情のある集落だったが半原から三ヶ木へ通じている国道に出た地点の判断を誤り、右折して戻るべき所を左折して進んでしまった。
  ちょっと変だなぁ、とは思いながら峠への入口を求めて歩いていったら橋があって串川橋と記したバス停ポストが立っている。 ここは一体どこなんだろうとウロウロしている所へ三ヶ木行きのバスが来た。 面倒になったのでマァ良いやとバスに飛び乗ったら走り出してすぐに荒屋敷、青山と聞き覚えのあるポストを通過した。 串川橋のある場所がわかり、ミスの原因も分かったがすぐに三ヶ木のバスターミナルに着いて山行は終了。 志田峠も南山も次回のお楽しみということになった。


☆おわりに
  昨冬登り損ねた高取山の借りは返したが再度狙ったダブル山行の後半はつまらぬミスのためまた失敗し、本命の南山どころかサブの志田峠まで歩き損ねてしまった。 コンディションは悪くなかったのにと思うと少々悔しい。 すぐ次の週末にリベンジをしようと思っている。


                                       
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