ヤビツ峠-大山-見晴台-阿夫利神社 (2017.6.20)


☆期日/天気/山行形式: 2017年6月20日(晴) 単独日帰りハイキング
☆地形図(2万5千分1): 大山(東京16号-1)
☆まえがき
    梅雨の晴れ間の運動のため、ヤビツ峠-大山-見晴台-阿夫利神社を歩きました。
梅雨時に稀な爽やかな風が吹く晴天に恵まれ、富士山や丹沢主脈の展望を楽しみました。
阿夫利神社門前茶店の笊蕎麦は飛び切りでした。

大山イタミツ尾根 二十五丁目付近の展望    (画像をクリックすると拡大スクロール)
☆行動時間
   宮崎台[6:25]=(東急線)=中央林間=(小田急江ノ島線)=[7:08]相模大野[7:25]=(小田急小田原線)=[7:57]秦野駅/4番バス乗場[8:18-10]=(神奈中バス)=[9:06-14]ヤビツ峠(9:00)-二十五丁目(10:25/30)-大山(10:45/11:05)-見晴台(12:20/30)-(13:05)下社(茶店さくらや/阿夫利神社)[13:40]=(大山ケーブル)=[13:46]山麓駅-(14:00)大山ケーブルバス停[14:15]=(神奈中バス)=[14:45-5]伊勢原[14:23]=(小田急小田原線)=[14:46]相模大野[14:51]=(小田急江ノ島線)=中央林間=(東急線)=[15:26]宮崎台

☆ルートの概況
   丹沢は、近くて四季それぞれに楽しめる面白い山域です。
東西南北に広がった山域に沢山のルートが整備され、北側以外は山麓の交通が便利で容易にアプローチでき、ので一時は足繁く通っていました。
山が割と急なため、足腰の衰えを感じるようになってからは足が向い難くなっていますが、梅雨期の僅かな晴れ間をねらった速攻日帰り山行にはうってつけです。

  昨年の梅雨時にもコウモリ傘を一本持っただけで行き、前年の秋に改装されたばかりのケーブルカーに乗ったあと阿夫利神社下社に参詣したところ、神社まで上がったら雨が止み、相模平野の展望を楽しんだあと男道を歩いて下山しました。

  今年は、秦野から出ているバスを利用してヤビツ峠まで運び上げてもらったあとイタミツ尾根から大山に登頂。
下山は阿夫利神社下社からケーブルカーを利用する楽ちん山行計画を立てました。

  東尾根上にある見晴台から二重社を通って阿夫利神社に戻ってくるルートはこれまで歩いた記憶がなかったので、頂上からこちらを回って下降してみることにしました。

  8時過ぎに秦野駅前を出て9時過ぎにヤビツ峠に着くバスはイタミツ尾根から大山に登る以上に丹沢表尾根縦走をするを歩くのに有用なアプローチ手段です。

  この日も駅前バス停に長い行列ができ、発車時間が来て走り出すときには何人かが通路に立つほどの混雑になりました。

  ヤビツ峠のバス停は転回場に面して休憩小屋、公衆便所、野外ベンチなど、山歩きのスタート地点に必要な設備がひと通り整備されています。


  相席でベンチを使って支度を済ませ、大山へのルートに入ると一段上がった所に小広場があり、その先から登山道が始まりました。

  バスで来た人達の大多數は表尾根の方に向かったようで大山道はの方は至って閑散。ゆっくり歩けそうな雰囲気です。

  幅の広い登山道に入るとすぐに丸太階段になりました。
良く整備された階段道で別段のことはないのですが、年寄りの衰えた足腰にはそれなりの負担が掛かるので焦らずゆっくり登りました。


  ひと登りすると傾斜が緩んで階段が終わり、まわりが開けました。

蓑毛谷    (クリックすると拡大)

  右下に視界が開け、バスが登ってきた蓑毛谷が見えました。

  梅雨時には珍しく爽やかな風が吹き抜け、まるで初秋のようです。

  古くから大勢の人が歩いて来た参詣道は美しい自然林の中を通って行きますが、よく見ると右側には鹿避け柵が連続していたりしてかなりの手間を掛けて整備されていることが分かります。

  平坦な土道を暫く進んでいった所に露岩があり、短い固定ロープがありました。
雨期でしたが滑りやすくなっている感じもなく、、難なく通過しました。

  更にひと登りした所で左手へ回って尾根の背に乗る所には、左の写真のように大山へ 1.2Km の標識が立っていました。
イタミツ尾根ルートの中間点まで来たことになります。

  浅い鞍部を渡ってゆくところでは、左の谷向いに春岳山が見え、行く手に前方に大山の頂上が見えました。

  右横のピークは阿夫利神社下社からの道が出合う二十五丁目付近のピークのようです。


  尾根がやや急になるとともに大石が目立つようになりました。

  新しい木製の長い階段がありました。
大勢が歩いて道が荒れ、歩き難くなった道形の上に設置されています。

丹沢主脈の眺め    (クリックすると拡大)

  階段の上に上がると左手の視界が開け、丹沢山から三峰へ繋がる尾根筋が見渡せました。

  やや古い長い木道で尾根の左側の斜面を巻き登りました。
この木道もオーバーユースで荒れた道形を保護するために設けられたようです。

丹沢表尾根と富士山    (クリックすると拡大)

  ひと登りしてコブに上がる所はイタミツ尾根最高の展望点で、このルートを登る時の最大の楽しみです。
この日も富士山と丹沢表尾根と主脈を一望にすることができました。

  曇りがちで湿度が高くなるこの時期に富士山が綺麗に見えることは滅多にありません。

  展望点の背後のコブを越えた鞍部に二十五丁目の石標が立ってて、阿夫利神社下社から登ってきた参詣道が出合いました。

  ヤビツ峠からここまでは閑散でしたが、ケーブルカーで上がれる阿夫利神社から登る人が多いようで、ここから先はパラパラ人影を見かけるようになりました。

  露岩の多い急坂が続くようになって疲れが溜まり、ペースが落ちました。
あとからきた人にはどんどん追い抜かれるようになりましたが無理して張り合い、苦しい思いをするのは愚なことです。
マイペースで歩くことに専念。 道を譲りながら進みました。

  金網の柵の間の鉄格子の階段を通りました。
人工物を嫌う鹿の習性を利用した鹿避けと言う意味の解説を記した看板が立っていました。

  摩耗して角が取れ、自然石かと思うほど丸くなった石段を登った所に石鳥居が立っていました。
ここまで来ればもう頂上の一角です。

  鳥居の奥からもう一段、石段道を登ると頂上広場で、奥手に阿夫利神社奥社、その右横に参籠所とも言える休憩小屋が立っています。

  頂上広場は意外に静かでした。
まわりを樹木に囲まれ展望がないので登ってきた人たちはみな山裏の広場に行ってしまうようです。

  爽やかな風が吹き渡っていましたが年中で最も日差しが強くなる時期ですから日向にいると肌がヒリヒリします。
参籠所の軒の日陰に置かれたベンチにザックを下ろし、飲み食いをしながら休みました。

大山頂上  
 (画像をクリックすると拡大)

  存分に休んで疲れが取れたので下山路に入りました。
頂上広場の縁を通っている道に出た所に立っている道標に従って左折。
幅広く緩やかな丸太階段道を進みました。

  分岐から僅か先の左側に休憩広場がありました。
広場に数基の野外ベンチが並んでいて奥手の方に大きな公衆トイレがあります。
背後に立っている電波塔は以前北尾根をトレースしたときに脇を通りました。

大山三峰    (クリックすると拡大)

  休憩広場の縁に立つと谷向いに三峰が並び立っていました。
さして高くもない大山からでもずっと下の方に見えるくらいの低山ですが険しい岩尾根が続き、見かけによらず剣呑な山でした。

  ルートに戻って歩き出すとイタミツ尾根と対象的な賑わいになっていて、頻繁に人と出遭いました。
昔(と言っても60年ほど前)はイタミツ尾根が大山に登るメインルートでしたが、今はマイカーでも、バスでも、こちら側からのアプローチが格段便利なためのようです。

  ケーブルカーを利用すれば、阿夫利神社下社起点で手軽な周回ルートを設定することもできます。
長年の間にメインルートが移動していることを感じました。

  新緑がきれいな尾根道でしたがイタミツ尾根と同様、上部に鉄格子階段の鹿止めがあり、その先は両側に鹿柵が連続しています。

  "大山の肩" と記した看板が立っているコブを通過しました。
左手へ下れば唐沢峠から不動尻に行けるルートに入ります。

  尾根が急になって丸太階段が連続するようになりました。
土が流失し、ハードル状になっているため足を高く上げないと進めない所が多いので大変でしたが、老化した足の筋肉を鍛える施設と思えば我慢できないこともありません。

日向川谷の眺め    (クリックすると拡大)

  左下に日向谷が見え、日向山あたりと思われる山影が見えました。

  僅か先に材木搬出索道のアンカーの跡と思われるコンクリート塊がありました。
かつてこのあたりでも大規模な伐採が行われていたことが分かります。

大山東尾根の眺め    (クリックすると拡大)

  前方が開け、手前の見晴台の高みからその先の方にあるコブまで見通せる場所がありました。

大木の林    (クリックすると拡大)

  あたりに大木が林立し、幽邃な雰囲気が漂っている所は阿夫利神社の背後の尾根筋で神域として保護され、昔のままの山林が残っているのではないかと思いました。

  鋭角に右折して尾根の背を外れ、右手に斜面を横切りながら高度を下げてゆく所がありました。

  右手へのトラバースが終わってV字に左折する角の道端に立っている大木に大きな採集瓶が仕掛けてありました。
  ロートのようなものから細いチューブが繋がっているので何かを集めるための仕掛けなんでしょうが目的は不明です。

  左手へ山腹を横切ってふたたび尾根の背に戻るとホッソリした尾根の背に乗りました。

  直進する道形の入り口に通せんぼのロープが張られていて、「→見晴台」と記した標識が立っていたので右折して尾根の背を外して進みました。

  暫く斜面を横切って行ったあとまた尾根の背に戻ったところで後ろを振り返ると左の写真のようになっていて、岩っぽくて歩き難かったもとの尾根の背の道を付け換えて歩き易くしてあったことが分かりました。

  ごく浅い穏やかな鞍部を通過しました。
右下のすぐ近くを二重社から阿夫利神社下社へ行く道が通っているのが見えました。

見晴台から大山頂上    (クリックすると拡大)

  鞍部からやや登り気味に進むとパッとまわりが開け、見晴台の広場に出ました。

  三峰側の眺めが良い縁に沿って5~6基ほどの野外ベンチがならび、その先に小綺麗な東屋が建っています。
強い日差しを避けるため、東屋に入って休みました。

  歩いてきた方を見ると大山が双児峰に見えました。
頂上の裏側には二十五丁目のコブがある訳ですから大山は三峰の山だということになります。

  東屋に幼子とおかぁさんがいました。
とても愛想の良い子は一歳半だそうで暫らく楽しく遊びました。

  長い時間休んだあと、阿夫利神社下社へのルートに入りました。
  斜面を横切って行くルートは谷側にワイヤーロープの柵が連続し、丁寧に整備されています。

  斜面が崩壊している所もありましたが桟道と手すりが連続し、誰でも安全に歩けるようになっています。

  大木が林立している所がありました。
尾根の背で見た大木林の下部なのかもしれません。

  道の右横の石段の上にしめ縄が巻かれた大木が立っていました。

  やがて前方が開け、二重社の社殿が見えてきました。
江戸の大工、左官などの守り神で今でも年に一度、盛大な祭事が行われているそうです。

二重滝    (クリックすると拡大)

  二重社のすぐ横に二重滝がありました。
今は枯滝ですが、昔はこの滝から水が湧き出していたそうです。

  二重社を後にして進むと左下の谷底に井戸小屋が見えました。
茶店や神社で使う水はここから汲み上げているようです。

  尾根道のVターンの角で見たのと同じポリタンクの採集装置が道の上の斜面にありました。
すぐ近くまで行ってみることができましたがやはり目的不明です。

  こじんまりした祠がありました。
稲荷神社だそうです。

  稲荷神社の鳥居のすぐ先から50m ほどの石段を上がると阿夫利神社門前のさくら茶屋の脇に出ました。

  茶店で冷たい水をごちそうになったあと食べた笊蕎麦は絶品でした。
美味しい笊蕎麦を食べたあとゆっくり休みました。

  子供を連れた外国人家族が通りかかりました。
ケーブルカーを利用すれば手軽に登ってこられるので、 外国人もよく来るようです。
茶店の食堂の壁には英語のメニューも貼り出してあります。

大山阿夫利神社下社    (クリックすると拡大)

  阿夫利神社下社に参詣しました。
茶店の前から長く急な石段を登り上げた所に立っている鳥居の袂から見た神殿は、山林を背にした姿が壮麗でした。

  神社参拝を終わって階の上まで戻ると大山川谷の先に広がっている相模平野が見えました。

  大山ケーブルは昨年秋に改修されて垢抜けしたモダンなボディーに変わりました。

  ケーブルカーの山麓駅は谷間の門前町のすぐ上にありました。

大山の門前町    (クリックすると拡大)

  長い石段に沿って店が並んでいる門前町は大山が背後に聳え立っていて、なかなかの風情です。
江戸時代に隆盛を極めた大山講の遺産です。

  豆腐、独楽、煎餅など伝統的な土産物を並べた店の間を通り抜けた所にある観光案内所の先の広場にバス停がありました。

  発車時間より15分ほど早く着いたので空席がありましたが定刻に発車したときには数名が立つほどの混雑になりました。

<ルートの詳細>




  ヤマレコの山行報告



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  ルートマップ
    (国土地理院地形図を利用し
    Android アプリ 地図ロイドで作成)


 
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☆おわりに

   梅雨の晴れ間を狙って大山に行ってみたら初秋のような爽やかな風が吹き渡る好天に恵まれ、富士山の展望も楽しむことができました。
大高度差の登降が難しくなってきていますが、東丹沢なら路線バスがヤビツ峠まで運び上げてくれますからまだ幾らかは歩けそうです。
東丹沢にもう一度目を向け、あちらこちら歩き回ってみたいと思いました。