信越トレイル 万坂峠-袴岳-赤池-沼ノ原-山の家 (2015.10.25)


☆期日/天気/山行形式: 2015年10月25日(晴) 単独日帰り
☆地形図(2万5千分1): 飯山(高田11号-4)
☆まえがき
    今月初めの信越トレイル味見山行では袴岳をスキップしました。
二日目は昼近くまで霧中のウオークとなったため、袴湿原から赤池、沼ノ原を経て希望湖までの景色はほとんど見れませんでした。
これらの欠落を埋め合わすため、新幹線利用で日帰り山行を行ってみたところ好天に恵まれて随所で展望が得られ、名残りの紅葉の景色を見ることができました。

袴岳頂上の展望    (画像をクリックすると拡大スクロール)
☆行動時間
   宮崎台[6:37]=大手町=[7:27]東京[7:52]=(北陸新幹線 ハクタカ553号)=[9:32]飯山駅[9:45]=(長電バス斑尾線急行)=[10:20]万坂峠(10:25)-袴池(10:45)-袴岳(11:35/45)-柏ヶ峠分岐(12:08)-林道(12:37/40)-炭焼窯跡(12:50/55)-赤池(13:05/25)-沼ノ原(13:55/14:00)-せせらぎトレイル分岐(14:08)-希望湖道出合(14:13)-八坊塚トレイル出合(14:29)-車道(14:43)-分岐(14:29)-まだらお高原山の家(14:50/15:00)-(15:10/16:15)斑尾高原ホテル[17:00]=(飯山コミュニティーバス)=[17:27]飯山駅[18:55]=(北陸新幹線 ハクタカ574号)=[20:52]東京=大手町=[21:55]宮崎台

☆ルートの概況
   毎日が日曜の年寄りゆえ、なるべく週日に出かけて混雑を避けるようにしているのですが、前後の予定と、天気図の動きと、万坂峠へのアプローチとの兼ね合いで前回と同じく週末山行となりました。

  週末には、飯山駅から斑尾高原ほ経てタングラムホテル行きの急行バスが運行されるので、万坂峠へのアプローチが大幅に短縮できるのです。

  たまたま、バスにはほかに客がいなかったので、万坂峠頂上でチョッと止まって下ろしてもらえ、計画よりさらに40分ほど行動時間が短縮できました。

  この前に来たあと僅か3週間しか経っていなかったのですが辺りの様子がすっかり変わっていました。
前は緑一色だったのが、茶色く枯れた木の葉と裸の枝が目立ち、早くも冬が始まっている雰囲気です。


  峠道の北側に立っているコースマップ看板の脇から杉林に入ってゆくと次第に傾斜が強くなってきて、不規則にジグザグを描きながら高度を稼いで行くようになりました。
  数回折れ登ってカラマツ林から自然林の中に入るとまわりが明るくなりました。

  尾根の背を乗越すあたりには僅かに紅葉が残っていて、その先では葉が散ったあと赤い実だけが残っているナナカマドの枝が真っ青な空を背景に、とても綺麗でした。


  やがて袴湿原に差し掛かりました。
前回は濃霧に包まれ何も見えなかった場所でしたが今日は紅葉に囲まれた小綺麗な湿原になっています。
来年、雪が融けたあと、夏が来る前に再訪してみたいと思いました。


  袴池の手前にある分岐で左折し、袴岳に向かう登路に入りました。
僅か登って尾根の背に上がると明るい笹原の疎林になりました。


  本峰の登りにかかる前にふたつのコブを越さなければならないのですが最初のコブに上がると行く手に袴岳が見えてきました。
  冷たい風が吹きつけて手の甲が痛くなったほどだったので手袋を着けました。
乾いた北風が運んできた大気は澄み切って遠望が利きました。

  コブの西側の鞍部に降りかかると右手に妙高市の山谷がみえる様になりました。
 
袴岳登路の尾根上から越後側の展望    (画像をクリックすると拡大)


  二番目のコブに登りかかった所で背後を振り返ると葉が落ちた林の先に斑尾山がみえました。



  さらに高度が上がった所からは、まだらお高原の建物が見えました。


  ふたつ目のコブの頂上付近には冬枯れの林の中に一本だけ散り残ったカエデの紅葉が真っ赤でした。



  湿った溝状の鞍部を渡った所から本峰の登りが始まりました。
高度差100m 足らずのささやかな登りですが、店仕舞い寸前の老いぼれ山屋にはなかなかこたえる登りでした。

袴岳 ブナの並木    (画像をクリックすると拡大)


  ハードワークを嫌がる足の筋肉を励まし励まし高度を上げてゆくとようやく地形が緩んできました。
やがて平らでまっすぐ道の両側にブナの大木が林立する「並木道」になりました。

  「並木道」を抜けた所で右に向かうとすぐ袴岳の頂上広場に着きました。
山名標柱と、三角点標石とがある広場は西側が開け、背後の林の縁に野外ベンチが設置してありました。


  割りと順調にこの日の主要目的の山の頂に到達できたのでかなり満足してベンチにザックを下ろしました。

  目の前にはページ冒頭のような景色が広がっていました。

  妙高と黒姫が並び立っている豪勢な眺めに見入りながらテルモスのコーヒーを飲んでいると万坂峠で見かけた親子連れが登ってきました。
そろそろ70代かと思われるご両親を息子さんが案内している親孝行パーテイです。

  綺麗な山の頂上で綺麗な山を見ながら息子さんと言葉を交わし、タップリ休んだあと柏ヶ峠へ向かって歩き出しました。

  はじめは綺麗なブナ林の中をゆるやかに下降して行ったのが徐々に急になってくると行く手の視界が開け、葉が落ちて見通しが良くなった林の向こうに越後側の山並みが見えてきました。


  急降下が終わって尾根の鞍部に近づくと道が平らになり灌木の間を進むようになりました。
やがて数m の段差がある所を曲がり降りると狭い鞍部に左のような道標が立っていて、右側の標柱には赤池へ 2.6Km と記してあります。

  鋭角に右折して山腹をトラバースしてゆく道に入って行くと風陰の日溜まりになっていて、独りで静かな山の中にいる時に感じられる開放感が得られました。
 

信越トレイルの山並み    (画像をクリックすると拡大)


  支尾根を乗越すため僅か登って高い所に上がると、左手への視界が開け、北へ連なっている信越トレイルの山並みがみえました。


  山腹を横切ってきたルートが左手に曲がって小尾根の背を下って行き、杉林の中の少し湿った所を通り過ぎると下の方に砂利の車道が見えてきました。
 

袴岳北面の紅葉    (画像をクリックすると拡大)


  林道出合のすぐ東は袴岳北面から流れ出している沢の合流点で、山から押し出された土砂が堆積し、小平地になっています。

  並び立っている高木の枝に散り残った紅葉に陽の光があたってキラキラ輝いていました。


  徐々に登ってゆく林道を進んで行くと行く手の尾根の上に東屋が見えました。
この辺りから先の山の中には遊森トレイルと呼ばれる遊歩道が網の目のように設けられていて、その出入り口を示す標識が何個所もありました。



  炭焼き小屋入口の標識を見たあと右手に向かって尾根の端を回りこんでゆくと先が開け、赤池の車止め広場と小屋が見えてきました。


  このあたりは信越トレイルの中で最も奥まった場所ですが、何故か車が何台も来ていて、中には中型のバスまでありました。

  マイカーは赤池やすぐ先にある希望池に釣りで来ている人達のものなのでしょうが、25人位は乗れるバスで来たのは山歩きのグループに違いありません。
今朝歩き出して以来、これまでに遭ったのは、袴岳に往復したトレイルランナー1人と親孝行の3人組だけですがバスの人達は どこを歩いているのでしょうか?

写真の説明    (画像をクリックすると拡大)

  小屋の後ろは赤池キャンプ場で、小高い草原になっていました。
前回はまるで見えなかった池が名残りの紅葉の森の中に静まり返っています。

  池を眺めながら水分と炭水化物を補給しているところへ親孝行パーティがやって来ました。
早朝から歩きだして斑尾山に登り、袴岳も越えててきたのでここが終点ですと言い、携帯電話でタクシーを呼んでいましたが、赤池は簡単に行けるところではない、と渋い返事を貰ったようで、困り顔になりました。
もう少し歩いて沼ノ原まで行けば車を呼び易くなるでしょう、と言い置いてザックを担ぎあげました。


  キャンプサイト背後の林道に上がり、左下に池を見ながら回りこんで行くと舗装車道に出ました。

  僅か進んた所から右手に分岐し、山に上がってゆくあたりは暫く刈り払いが行われていないようで、やや藪っぽくなっていました。

やがてまわりが開けて明るくなり、信越トレイルの山並みが見渡せる様になりました。

  ひと登りでT字路に着きました。
前回トレランコースに出合い、トップグループのランナーが疾走してゆくのを見送った場所です。

左折するとやや急な長い下りになり、丸太階段がありました。
前回は雨で滑りやすくなっていて要注意でしたが、今度は落ち葉が積もって滑りやすく、同じように要注意です。

写真の説明    (画像をクリックすると拡大)


  坂を降り切って湿地に設けられた木道を通り、沢溝に架けられた板橋を渡って行くと、山裾を細かく上下しながら進むようになりました。
所々に散り残っている紅葉に傾きかけた日があたって綺麗でした。

写真の説明    (画像をクリックすると拡大)

  山道が終わると沼ノ原湿原の縁を通っている舗装車道に上がりました。
尾根の端を回ってゆく所では、銀色に輝く尾花の原を縦観できる所がありました。


  カーブを曲がって前方に沼ノ原の駐車場と公衆トイレが見えてくると、道路の脇にコースマップ看板が立っています。
看板の脇から湿原に降りてゆくと小川に橋が架かっていました。

  橋を渡った先で山裾に突き当たる手前の所にもうひとつコースマップ看板と道標が立ち、三方向に分岐しているルートを指示しています。


  左折して細い流れに沿って進んで行くと少し先で道が二股になっていて、せせらぎトレイルと湿原東トレイルが分かれていました。
左手に入って東トレイルに進入。その先につながっている八坊塚トレイルに向かいました。


  分岐の僅か先で左手の斜面に上がりかけると、希望湖からのトレイルが出合いました。

  長丁場を歩いてきたあと、老化して血行が悪くなった筋肉のあちらこちらに乳酸がたまり、局所的な痙攣が起きて痛むようになってきました。

  まだ薬を飲まなければならないほどではなかったので、急がず停まらず、騙し運転モードでソロソロと登り続けました。

  谷の詰めが近づくと、斑尾市街に直行する東トレイルと八坊塚トレイルが分岐します。

  左手の八坊塚トレイルに入り、ひと登りすると地形が穏やかになって右の崖の上に建物が見えて来ました。
僅か進んだ所でやや急に数m 登り上げると希望池の方から上がってきた車道の縁に出ました。

  右折して僅か進んだ所にまだらお高原山の家がありました。 山の家で飲食したり休憩したりできるかな?、と期待していましたがここには飲食ができる店舗がありません。

写真の説明    (画像をクリックすると拡大)

  飯山行も3時台のバスがあると良いな、と思っていたのですがこれもなく、5時過ぎに次の便が出るまで2時間も待たなければならない事が分かりました。

  それまで何もしないでは居られないので事務所で教えてもらった斑尾高原ホテルに行きました。

  かなり草臥れていたのでノロノロとホテルに向かう坂を登って行きましたが、ホテルの建物が乗っている台地の袂まで行った所で振り返ると下のような展望が見られました。

写真の説明    (画像をクリックすると拡大スクロール)
  ホテルには眺めの良いロビーがありました。
藍染めや陶器の展示会をしていましたが、日曜日の午後も遅くなってガラーンとしていました。
いつものように蕎麦が食べられれば良いな、と思っていましたがリゾートホテルのロービーに蕎麦はありません。
ショートケーキとかコーヒーなどが並んでいる洋食系喫茶メニューの中から、せめてもと、抹茶クリームのロールケーキと地物りんごのジュースを注文してみたら嬉しいことに大当たり!
ロールケーキは中軸に仕込んだ小豆餡と抹茶味のクリームが口の中で交じり合う感触が絶妙で、こんなに美味しいケーキは何年ぶりかと思いました。
地物りんごのジュースも本物で、メーカー物ジュースに時々あるような変な興奮剤成分がなく、良質な糖分と水分の補給ができました。

  この頃気づいたことですが、筋肉が疲れている時に、ブリックパックのジュースを飲むと、変な具合に痙攣して一時的に「自律神経フィードバック系」のバランスが崩れ、立っていられなくなったり歩けなくなったりするような事が起こるのです。

  ケーキはボリュームがあって七分方食べた所でハーフサイズ胃袋が満杯になってしまいました。
その後は食べる速さを大幅にスローダウン。 全部平らげるのに1時間あまりもかかることとなりましたが時間がたっぷりあったお蔭でなにも問題はなく、窓の外に広がる斑尾山の夕景を眺めながら長い休息を楽しみました。

<ルートの詳細>




  ルートマップ






  GPS スライドショー 




  ヤマレコの山行報告


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☆おわりに

   晩秋の好天に恵まれたお蔭で信越トレイルの袴岳から赤池を経て沼ノ原への名残りの紅葉の景色を楽しみながら歩くことができました。
首都圏から遠く離れた信越トレイルも、北陸新幹線を利用することによって、日帰り山行の射程距離内に入ったことが確認できました。