房の大山・御手洗山、城山・虚空蔵山、おんだら山 (2015.3.5-6)


☆期日/山行形式: 2015年3月5日-6日 市中ホテル利用1泊2日
☆まえがき
    久し振りに老友と同行し、房総半島先端へ1泊2日の山行を行いました。
初日は洲崎付近にある房の大山と御手洗山でした。
好天に恵まれ、南の山の展望と海沿いの道の散歩を楽しみました。
泊まり場は、以前泊まって良い印象が残っている館山の夕日海岸ホテルにしました。
大島の陰に沈んでゆく夕日を眺めながら海沿いの道を歩いて駅近くの地魚料理店に行き、地魚の鮨を食べて帰り広い部屋でゆっくり休みました。

  二日目は上空を高気圧の中心が通りすぎて行ったあとで下り坂の空模様になると予想。 下手をすれば雨が来るかも、と心配していましたが、予想より高気圧が大きかったようで、時々青空が見えたり、薄日があたったり、というくらいの好日になりました。
山巡りも順調で、安房白浜城山と虚空蔵山の山巡りと、付録の野島崎観光まで昼前のうちにできました。
海女料理の店でお昼を食べたあと午後一番のバスで千倉に移動。
時間の余裕を有効に活用し、駅の観光案内所で教えてもらった 「おんだら山」 への即席立ち寄り山行を行いました。
地元の里山保全グループが整備している山上公園では河津桜が咲き揃いはじめたところでなかなか綺麗でした。
園内最高点の小ピークにあるてんぼう台からは、南房総の山並みと和田浦方面の海岸線の展望を楽しみました。

房総半島南端部山巡りルート図    (画像をクリックすると元地図を表示)

房の大山頂上の展望    (画像をクリックすると拡大スクロール)
☆3月5日: 洲崎 房の大山、御手洗山(晴時々曇)
<2万5千分1地形図>
    館山(横須賀3号-3)
<行動時間>
    宮崎台[6:20]=大手町=東京[7:30]=(サザナミ1号)=[9:22]館山[9:30]=(JRバス)=[9:54+5]坂田(10:08)-民宿前登山口(10:11)-101m 峰(10:26/30)-房の大山(10:50/11:07)-西バス停(11:46)-平砂浦ホテル(12:00/02)-(12:22)伊戸/「だいぼ」で昼食/伊戸バス停[13:12+1]=(JRバス)=[13:16+1]洲崎神社前バス停-洲崎神社浜鳥居(13:25/26)-洲崎神社(13:28/29)-御手洗山肩(13:40/55)-御手洗山(13:58/14:00)-洲崎神社(14:18/22)-(14:32)洲崎灯台前[14:46+2]=(JRバス)=[15:12]西下町バス停-渚の駅(15:23/25)-北条海岸園地(15:45/53)-(15:54)たてやま夕日海岸ホテル{泊}

<ルートの概況>
    房総半島先端 洲崎方面へ公共交通機関でアプローチするには、東京駅から始発する特急サザナミ1号を利用するのが便利ですが、発車ホームが駅の本体から遠くに離れた京葉地下ホームなのが難点です。
ここでトラブらずに済めばあとは館山まで乗り換えなしで直行し、館山駅前での JRバスへの乗り継ぎも分かり易く、至って安直です。

  洲崎灯台、伊戸方面行きバスは館山城公園の裾を通り過ぎるとまもなく海沿いの道を走るようになりました。
駅から25分あまりの坂田(ばんだ)バス停で下車し、来た方へすこし戻ったところに左のような分岐があり、入口の角に道標が立っていました。
  道の向かい側、海に向かって僅かの距離に公衆便所もあります。

  分岐から山に向かう道を進み、小川にそって家並みの中をゆくと左のように民宿の看板を出している家に突き当たりました。
庭の土手の壁の手前に道標が立っていて房の大山へは左折し進むよう指示しています。

 水が滲み出してジクジクしている所があり、そこを横切って行くと左のように太い篠竹の密林を通過します。

  竹林が終わると暖地林に入り、やや急な登りになりました。
水はけが良くない地質なのか、前日までの雨の水気がたっぷり残っていて滑りやすく、要注意でした。
ところどころ、足場が悪い所にはロープが固定されているので助かりました。

  ひと汗かく時分に尾根の背にあがりました。
傾斜が緩んで道も歩きやすくなり、101m の小ピークを越そうとするあたりに左のような中間地点の標識が立っていました。

  暫くの間平らな尾根の背の道を進みました。
左のような文字が刻まれた大木の脇を過ぎると行く手に頂上らしい高みが見えてきて、やがて本峰への登りが始まりました。
固定ロープもある急な登りを進んでゆくとまわりが明るくなってきました。

  やがてパッとまわりが開けて、茅戸の頂上に着きました。
狭い切り開きの中に三角点標石と山名標があり、茅戸の先の海の向こうに三浦半島と伊豆半島がみえていました。
富士山も当然見える筈でしたが、そちらの方の空は雲で覆われていました。


  右手、南西方向を見ると御手洗山と思われる山の先の方に伊豆大島が意外な大きさに見えました。

房の大山頂上から伊豆・三浦・半島、東京湾、房総海岸の展望    (画像をクリックすると拡大スクロール)
 

  冷たい風をまわりの茅が遮っているところへ、暖かな春の日差しが降り注いでいる頂上は居心地がよく、長い休憩を楽しみました。

  山の裏側、根本への下山ルートは頂上東肩にあるパイプを組んだ小屋掛けの残骸の前に立っている道標から始まりました。
道標の手前から左へ進むと頂上から東に派生している尾根の背を辿って行くルートが始まりました。

  穏やかな尾根ルートで、割と最近整備が行われた様子でした。
急な所には黒白の新しいナイロンロープが固定されていましたが取り付け方にひと癖あって、どれもワンピッチ低い所に位置がずれているのです。
ロープは登りより下りのスリップ防止ですから歩き難い部分の上から始まって欲しいのですがここのは一様に急な部分の降り口から1~2m 下らないとロープが掴めないのです。
作業をしたのが「山屋さん」ではなく「海屋さん」だったのかも?

  ひと下りして尾根が平らになったあたりで道端に左のような古井戸がありました。
昔、頂上には軍の設備(監視所?) があったそうですが、この古井戸もその名残かもしれません。

  下調べで参照した資料では東隣りにある170m 峰の手前から右下の谷に下降してゆく下山ルートの解説があったので入口を見落とさぬよう注意して行ったのですが、入口が見当たらないまま170m 峰に上ってしまいました。
  あれ、どうしたんだろう?と思いながら進んでゆくと太い篠竹の密林の中に入って右手にカーブ。
GPSでチェックしたら 170m 峰の頂上から東南へ向かって派生している尾根の背に乗っていることが分かりました。
人ひとりがやっと通れるくらいの狭い切り開きの中を歩いてゆく以外に進みようがない状態だったのでそのまま前進。 ふたつ三つのコブを越していった所から右下へ向けて本格に下降してゆくようになりました。

  蜜藪の中にいるため遠くは見えませんでしたがやがて海辺の磯に打ち寄せる波の音が聞こえてくるようになりました。

  笹ヤブが疎らになって里道の雰囲気になるとすぐ、人家の屋根が見えてきて、根本の集落に入りました。
人家の塀の間を歩いてゆくとパッと道路に出たので出てきた道を振り返ると角に 「西」 バス停のポストが立っていました。

  右折して進み、集落の外に出ると、右手に今歩いてきた山が見えました。
麓から稜線近くまで笹原が覆っていかにも優しそうな雰囲気ですが、いま下ってきたときに見た通りの強烈な密林で、鉈を持った数人が交替で進路を切り開くような格闘をしない限り、前進できないほどの剣呑な斜面です。

  海沿いの道を進んでゆくと所々に花畑があって、色々な花が咲いていました。
中でもスイセンは、南房総の冬の立役者に相応しく花が大ぶりで黄色がとても鮮やかでした。

  ちょうど昼時になった頃、平砂浦ホテルの立派な建物が見えてきました。
食事ができれば良いなと思って立ち寄り、訊ねたら食事はやっていないという返事でしたが、10分あま歩いて行った所に 「だいぼ」 という店があると教えてくれました。
また車道に戻って歩き続け、伊戸漁港を通り過ぎたばかりの所に左折して海岸の園地に入ってゆく道がありました
園地の奥にある漁師料理店 「だいぼ」 は左のように中々良さそうな感じの建物でした。


  「だいぼ」 では 「なめろう天ぷら」のセットメニューを食べ、行動中の年寄りとしては少々食べすぎかと思われるほどの超満腹になりました。

  たっぷり昼休みをしたあと1時12分に始発する館山行きバスに乗って洲崎神社前へ移動しました。

  洲崎神社は安房一宮で、本殿は御手洗山の中腹にあります。
入口の石鳥居の先から長い急な石段を登ってようやく神殿の前に着きました。

  神殿前から左手に折り返してゆくと支尾根のコブの上に富士遥拝所がありました。
鳥居の先に富士山が見えるようでしたがこの日は雲と霞が出ていて東京湾の向こう側は見えませんでした。

  この頃、富士塚や富士講に興味を持つようになり、ネット情報を参照したり関連図書を読んだりしています。
東京都内から近郊にかけて200基近くも残っている富士塚のほか、自然の地形を利用した富士遥拝所が各地に散在し、さらに富士見/浅間を冠した地名は関東一円の至るところにあるということです。
  本殿前に戻ってこの山旅の無事を祈ったあと右横の石段から小尾根に上がり、御手洗山頂上を目指しました。
道型はほとんどなく、樹木に取り付けられたコース・マークを頼りに急な斜面を直登してゆくこととなったのですが、もうすぐ頂上肩の稜線に登り着きそうという所で木立がまばらに手がかりが乏しくなりました。
軟弱で滑りやすい草付きのため、相棒が転び、そのまま滑落しかかり、ヒヤッとしましたが、すぐ下の灌木に引っかかって止まり、怪我らしい怪我もせずに済んだのは幸運でした。

  落し物を拾い集めたあとひと休み。
気分を立て直した上でザックをその場に残置し、頂上に向かいました。
  尾根の背に上がると古い道形が見えました。
藪の中を登って行って溝のようなところを渡った藪の中に十字マークを刻んだ30cm ほどの正方形のコンクリートブロックがありました。
  低く小さい山だったので甘く見ていた御手洗山で意外な苦労をさせられ、時間もかかったので洲崎灯台を見物するのは中止。
早い時間のバスで館山に戻りました。

  中心街の手前でバスを降りて海岸にある渚の駅へまわり、駅前通り入り口を越えて北条海岸の北の外れにある泊り場まで、渚遊歩道でクールダウンウオークをしました。
宿は、以前、大日山・御殿山を歩きに来たときに泊まったことがある夕日海岸ホテル。
ホテルの後ろの方にある鶴谷八幡宮に参詣したあと駅近くの地魚料理店に行き、鮨のセットメニューを食べました。

<ルートの詳細>




  ヤマレコの山行報告






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☆3月6日: 白浜 城山・虚空蔵山、千倉おんだら山(曇り一時晴)
<2万5千分1地形図>
    白浜(横須賀3号-2)
<行動時間>

    ホテル(7:45)-(8:00)館山駅前[8:10]=(JRバス)=[8:50]安房白浜バスターミナル(8:55)-芋池(9:06)-青木観音(9:08/10)-城山浅間ピーク(9:01/02)-城山頂上展望台(9:30/38)-青木観音(9:52)-めがね橋(10/25/35)-虚空蔵山(10:47/52)-めがね橋(11:02)-海岸遊歩道(11:20)-野島崎入口(11:37)-灯台(11:40)-房総半島最南端碑(11:45/52)-せと食堂(12:03/32)-(12:49)安房白浜バスターミナル[13:00]=(日東バス)=[13:26]千倉駅(13:33)=[タクシー \840]=[13:37]おんだら山入口(13:40)-おんだら山みはらし台(13:55/14:09)-奥のピーク(14:16/19)-入口(14:33)-運動公園(14:47)-(15:11)千倉駅[15:46]=(内房線)=[15:58]館山[16:16]=(サザナミ12号)=[18:07]東京=大手町=宮崎台

千倉 おんだら山てんぼう台の眺め    (画像をクリックすると拡大)
<ルートの概況>
    朝食は8時からということでしたが1時間早い7時からにしてもらい、シッカリ腹ごしらえをした上で出発しました。
房総半島の先端部の海岸の景色を少でも多く見ておきたいと思ったので、白浜へ直行する日東交通でなく、布良まわりの迂回ルートを走る JRバスを選びました。
これにより乗車時間が10分長くなりますが出発が5分早く、白浜到着が5分遅くなるだけですから行動の時間割にはほとんど影響がありません。

  安房白浜は JRバスと日東交通共用のバスターミナルで、広い駐車場の奥手にこれから登る山が連なっているのが見えました。

  バスで来た道を少し戻り、大平商店の角を右折するとすぐに家並みから抜け、畑の中に出ました。

  小さ目の金属製で塗料が褪色して文字が読み取りにくくなった道標が要所に立っているので、迷わずに進むことができました。

  白浜の地名は、紀州白浜から海を渡ってきた人達が住み着いたことによるのだそうです。
早くから開けた土地のせいか弘法大師にちなむ史跡も残っています。
左の芋池もそのひとつですが、今は大きな鯉が何匹か泳いでいます。

  芋池の僅か先の山懐に観音堂があり、その後ろから山に上ってゆく道が白浜城山への登路でした。

  かなり急な岩っぽい斜面を登ってゆく険路でしたが擬似丸太の階段と鉄鎖の手摺りの柵が丁寧に設置され、だれでも安全に登れるようになっていました。

  上部には左のように大岩の狭間を折れ登る隘路があり、 「虎口」 と呼ばれれています。

  虎口を抜けるとまもなく稜線の鞍部にあがりました。
左折して山の裏側を水平に進んで行くと左手の高みに上る道が別れ、入口に 「富士こう カナ」 と記した標識が立っていました。

  浅間山と呼ばれている高みは富士遥拝所の跡で天辺には大小ふたつの石祠が並んでいました。

  もとの道に戻って先に進んでゆくと浅い鞍部の先にもうひとつの分岐があり、入口に 「てんぼう台」 と記した標識が立っていました。



  天辺に上がると鉄パイプを組み立てた櫓が据えてあり、海側の手摺りに寄ると正面に太平洋の水平線が丸く見え、その手前に灯台が立っている野島崎を真ん中にして、海沿いに広がっている白浜の市街が一望でした。

写真の説明    (画像をクリックすると拡大)
 

  房総半島南端部の展望を堪能したあと山を下り、観音堂の下手で右折。
畑の中の道を西に進みました。

進むに連れて行く手の虚空蔵山が近づいてきました。

  右手の畑の中を突っ切って斜面に取り付けば頂上へ直登できるのではないかと思えましたが崩壊した所があるため、こちらからは登れなくなっているとのことでやり過ごしました。

 (画像をクリックすると拡大) 

  一旦車道に出て進んでゆくと漁業協同組合建物があり、その先の角を右折したらすぐにめがね橋が見えてきました。
明治の中頃、付近の住民が資金を出し合って架けたという3スパンの石造アーチ橋ですが、いま見ても堂々たるものです。

  橋の袂の園地に置かれていたベンチで休憩したあと山の裏側へ登って行く林道に入りました。
幅広く穏やかな登り坂に見えたのでこれは安しと登って行ったところかなり傾斜の強い坂道で、息が切れて来ました。

  ひと汗かいたころようやく三体の石地蔵が並んでいる所を過ぎ、大きな電波塔の建物を囲んでいるフェンスに突き当たりました。

  フェンスの脇にコンクリート造りの大きな祠があり、これが虚空蔵堂かと思いましたがその横手の土手の上の茂みの中にも古い石祠が据えられていました。
この山はいま、テレビやラジオの中継所になっていますが古くはこのあたりの山岳信仰の霊場だったことが分かりました。

  山を下ってめがね橋の袂に戻り、海辺の方に向かって進みました。
道の両側は菜畑が多く、アブラナの葉を摘む人が出ていました。
  中には花が満開になっている畑があり、いま登ってきた山を菜の花越しに見られました。

  海沿いの道路に出るとその先は荒磯の縁で、左手遠くに野島崎の灯台が見え、中々の景色でした。

  道路の端と磯の縁とを縫ってゆく遊歩道を進んでゆくと小さな入り江があったり、大岩があったり。
何かを採りに来ている地元の人の姿も見えました。
 

 野島崎につくとまず灯台に行ってみましたが門の所に改修工事中のため入場できませんと記した掲示がでていました。
灯台の門の手前で右折して岬を回る遊歩道に入りました。
綺麗に整備された歩道を進んで行くと 「房総半島最南端」 と刻んだ石碑が立っていました。

  最南端石碑の先の大岩の上にベンチが固定されていました。
見晴らしが良さそうなので上ってみたら左のような景色でした。
ベンチのすぐ前に 「朝日と夕陽の見える岬」 と記した目中が立っています。
大海原の景色を存分に楽しんだあと岬に付け根に戻り海女料理の店でアワビ蕎麦を食べたあと午後一番のバスで千倉に向かいました。

  途中の道路沿いに色とりどりの花が咲いていて、きれいなパッチワークになっていました。
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<以下 千倉のおんだら山>
    白浜の行程がとても順調に消化できたお蔭で、予定より2時間も早く千倉駅に着きました。
余った時間を有効に活用して何処かへ行ってみよう思ったので駅舎の中にある観光案内所で尋ねたところ、1Km あまり先の山の向こう側に 「おんだら山」というのがあると教えてくれました。
翌日からはじまる週末に河津桜の花見会が行われる予定とのことです。
 
  明日花見会ができるなら今日は必ず咲いている筈だから行ってみようということになりましたがまる1日半歩いてきたあとで少々疲れていたし、時間の余裕も欲しいと思ったので行きはタクシーを利用しました。

  運動公園の脇を通り抜けていった先で農道の入口に 「おんだら山入口」 と記した標識が立っている所でタクシーを降り、谷戸の奥に進んでゆくところは多摩丘陵の里山とそっくりの景色でした。
 

  谷の奥には、左の写真のように 「たのくろ里の村」 と、「おんだら山」 と、ふたつの看板が立っていて、その脇から小尾根を登ってゆく簡易舗装路が延びていました。

  小尾根を登って鞍部に上がるとその先がU字形の谷になっていて、手近な斜面には色々な花の草木が植えられていました。

  谷向いの小山の方の斜面で河津桜が咲いているようで薄いピンクに染まっていました。

おんだら山 山上公園全景    (画像をクリックすると拡大スクロール)
 

  鞍部で右折し、右手へ延びている幅広ながら踏み固まっていない土道を進みました。

  コブの後ろ側に回りこんで上がったところがてんぼう台で河津桜の花の先に南房総若狭街道沿いの山並とがズラリと並んでいるのが見えました。

  清澄山、元清澄山、愛宕山、三郡山、伊予ヶ岳、富山など、この数年の間に登ってきた山々と再会し、まんざらでもない気分になりました。
  てんぼう台からもう一段上に登ると天辺で、大石と石祠がならんでいました。
グルリまわりの視界が開け、南房州の山並みだけでなく、和田浦方面の海岸も見えていて、海と山と双方の展望を楽しむことができました。

  祠の横に据えてある大きな展望説明板によれば左手の方には丹沢や富士山も見えると記されていました。
この日も雲が多く、遠くの山は見えませんでしたがここも富士遥拝場のひとつだったに違いありません。

U字の反対側端近くにある小ピークの肩の斜面がピンク色に染まっているのに誘われて近くまで行ってみました。

 (画像をクリックすると拡大) 

  咲きそろった河津桜は色が鮮やかで花も大ぶり。
ここらあたりの気候が、温暖を好むこの花木にあっているようでした。

  小ピークの裏側の尾根を下って駅の方に行けるかも、と思ったので桜林の中で藪払いをしていたオニーサンに聞いてみたら先の方が急な崖になっていて通れないという返事だったのできた道を戻りました。


  「おんだら山」 は事前の準備なしの即席山行でしたが、帰りがけの立ち寄り山行には過分の山と出合え、大満足でした。
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<ルートの詳細>



  ヤマレコの山行報告







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☆おわりに

    厳冬期にまともな山を登りに行く元気がでなくったため、この2ヶ月あまりは里山歩きばかりしていました。
今回は、小さな低山でしたが、久し振りの山っぽい山への山行になりました。
思っていたより良い天気に恵まれたお蔭で、一泊二日で5つの山を巡り、頂上の景色を楽しむことがができました。
  最後に登った千倉のおんだら山はあまり時間を利用した即席立ち寄り山行だったのに格別でした。
大展望と、咲きそろった河津桜と、最高の里山でした。

  今回は山登りだけでなく、房総半島の先端部をぐるりと廻る海辺の旅でもあった訳ですが、伊戸から布良までの浜沿い 10数km がブランクになりました。
千倉の南部、白浜に近い所にある高塚山(216m) がこの辺りの最高峰であることにも気がつきました。
なるべく早い時期にもう一度出かけ、これらの空白をカバーしたいと思っています。