西上州 上日野から小梨峠 (2015.11.28-29)


☆期日/天気/山行形式: 2015年11月29-29日(晴)  ホテル泊2日単独
☆地形図(2万5千分1): 上州吉井(長野3号-2)、富岡(長野3号-1)
☆まえがき
    5月末に北面から亀穴峠の探索を試みましたが北麓の雨引村が廃村になって荒廃し、登山口一帯を覆っている密藪に阻まれ、あえなく敗退して終わりました。
そこで今回は、南面の日野側からのアプローチを試みることにしました。
無事に峠に到達できたら市町界稜線を縦走できる可能性を探ってみようと思いました。

  峠の北の吉井の町内で運行されているコミュニティーバスは週末運休なので、日野側に引き返す事になりそうな亀穴峠(新屋峠)を2日目にまわし、山越えできる可能性が高い小梨峠越えを初日に行うことにしました。

  日野 馬渡戸から関東ふれあいの道ルートを辿って峠を越えて吉井の東谷へ下山。 余裕があれば八束から牛伏山も越え、牛伏ドリームセンターで食事と入浴したあと亡父の墓参もして高崎に宿泊。
二日目は再度藤岡から日野谷に入り、矢掛から亀穴峠にアプローチ。 小梨峠への市町界稜線を偵察する計画でしたが、初日に調子に乗って歩きすぎて疲れ、治っていた筈の風邪がぶり返して発熱。
二日目の山行を中止し、富岡の親戚を訪ねて帰宅しました。

小梨峠北面展望所から朝日岳、赤城山などの展望    (画像をクリックすると拡大)
☆行動時間
 11/28: 宮崎台[5:49]=溝の口=大手町=東京[6:52]=(アサマ601号)=[7:46]高崎[7:54]=[8:08]群馬藤岡駅/駅前バス停[8:36]=(めぐるんバス \500)=[9:13]上鹿島(9:15)-馬渡戸芭蕉句碑(9:22)-木酢用炭焼窯のある民家(9:37)-稲荷神社(9:44)-小梨峠 1.1Km道標(10:07)-小梨峠(10:25/35)-赤城山展望点(10:55)-簡易水道タンク(11:25)-東谷バス停(11:42)-八束山北尾根登山口(12:21)-浅間山(12:40)-登山口(12:50)-赤谷入口(12:55)-牛伏山登山道交差点(13:07)-車道(13:19)-(13:24)牛伏ドリームセンター[15:05]=(吉井バス \200)=[15:10]法林寺入口-法林寺-(15:50)吉井駅[16:11]=(上信電鉄)=[16:34]高崎{駅前泊}
  11/29: 風邪で発熱のため山行を中止

☆ルートの概況

 JR八高線群馬藤岡駅前から鮎川谷奥の上平まで毎日5往復の路線バスが運行されています。
新幹線を利用して朝早く藤岡駅に行き、8時半過ぎのバスに乗って日野谷に入り、35分余りの上鹿島バス停から歩き出しました。
バス停の100m ほど先から右手の山に上がってゆく道の入口に道標が立っていました。

  坂をひと登りした所に養浩院という寺があって綺麗に刈り込まれた生垣の中に芭蕉塚が築かれ、句碑が立っていました。

  寺の周りは馬渡戸(マツバ)と呼ばれている集落で、南向きの日当たりの良い斜面に散在している人家は住み心地が良さそうです。

  集落の中の道端に「関東ふれあいの道」の案内看板が立っていました。
小梨峠と牛伏山を越えて馬庭方面へと続く長いルートの絵地図が描かれています。

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  右手が開けた所に出ると谷間に人家が集まっている日野の村が見え、子王山から高山への尾根が谷の出口を塞ぐように連なっています。

  集落を出外れようとするところに道標が立っていて小梨峠へ1.0Km と記してありました。 
この先にも要所に道標が立っていて地図やコンパスを持っていなくても迷わずに歩けそうと思ったほどでした。

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 山に上がってゆく道の上には散り残りの紅葉があって初冬の日に輝いていました。

  杉林の中を曲がり登ってゆく林道は所々に分岐がありますが要所に道標が立っているので迷わずに進めます。 

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  高度が上がり、右手の峠の鞍部に向かって山腹を横切ってゆく所では谷向いに子王山から日向山、高山への稜線が間近に見えました。
 

  小梨峠は切通しはなく、樹木に囲まれたこぢんまりした鞍部を斜めに横切る峠道が乗越していました。

  鞍部の西側の尾根の背に踏み跡が認められたので入ってみたらひと登りした所に石祠がありました。

  東側の尾根の背に上がってみたらこちらはやや岩っぽく踏み跡も一段うっすらしていましたが少し進んだ所にある露岩の上に不動と思われる石像が立てられていました。

  峠の北面へ下って行く道は幅広で踏み固まっていませんでしたが、僅か進むと簡易舗装に変わりました。

  緩やかに下りながら小尾根の先まで進み、左手にUターンする所ではこれから降りてゆく谷の詰めを見渡すことができました。

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  ひと下りして谷底が近づいた所で振り返り、今降りてきた峠を見上げると、峠の鞍部の上空を飛んでゆく飛行機が白い尾を引いているのがみえました。

  谷底に降り着くと簡易舗装ながらしっかりした林道になりました。

  ひと下りしたところに簡易水道の水源タンクがありましたがそこを通り過ぎた所に立っている電柱に「クマに注意」と記した看板が取り付けてありました。

  よくあることなのですが、藪山の中を半日くらい歩きまわったあと山から降りてきてそろそろ人里かなぁ、と思うようになったたあたりで「熊に注意」の看板を「裏面」から見て、あぁそ~だったのか、と思うのです。

  熊の看板からわずか下った所で東谷の村の中の道に入りました。
人家の屋根の上に小岩峰を連ねた朝日岳がそそり立ち、かなか良い格好をしています。
 
  東谷集落の下手にある住吉神社の社殿は一風変わった造りでした。

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  神社の下手まで進むと谷が開け、行く手に赤城山が見えてきました。

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  神戸の十字路で右折して山裾の道に入った所で振り返ると今越えて下ってきた山と谷が見えました。

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  橋を渡った所で振り返ると朝日岳が綺麗な双耳峰になっていました。

  道端の墓地に変わった形の供養塔がありました。
このあたりは多胡石の産地でしたからこのように細長い石柱を削り出す石工の技術も伝承されていたのでしょう。

  城山北尾根に立ち寄り、浅間山までの末端部を偵察したあと県道に戻り、塩の集落に入る手前で右手に分岐している舗装車道に入りました。
杉林の中を曲がり登ってゆくと赤谷に乗り越えてゆく峠がありました。

  峠の頂上では尾根の背を通る歩道が交差していて道角に「牛伏山登山道」と記した標識が立っていました。

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  左折して登山道を進むと右手が開けている所があって間近に牛伏山が見えました。

  車道に出た所で右折。 低い峠を越えるとすぐに牛臥ドリームセンターがあります。
  ふた昔ほど前にできた「村の温泉」ですが、身体がよく温まる風呂と素朴で美味しい田舎料理が食べられるレストランがあるので、この辺の山を歩くときに立ち寄るのが楽しみな所です。

  泊まり場にしても良いのですが、亀穴峠北麓の雨引のように概して山の北面では廃村化と荒廃が早く進む傾向があるのが具合の悪い所です。

<ルートの詳細>




  ヤマレコの山行報告





  GPS スライドショー
 
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☆おわりに

   北面からアプローチした亀穴峠は山麓の集落(雨引)が廃村になって蜜藪に埋もれ、入口が分からなくなっていましたが、南面からアプローチした小梨峠はあっけなく越えることができました。
道幅も広く歩きやすいルートでしたが、あまり人が通っていない様子でしたからあと何年か経つと藪に埋もれてしまうかも知れません。
天気もよくて意外に楽な峠越えとなったので城山北尾根や牛伏山旧登山道の偵察もしたのは少々やり過ぎでした。
この夜、高崎駅前のホテルに泊まっている間に治っていた筈の風邪がぶり返して発熱。
二日目に予定していた亀穴峠(新屋峠)の偵察は中止して帰りました。
拗らせた風邪は治りが遅く、このあと一ヶ月近くもの間、山から遠ざかることとなりました。