佐野、塩坂峠-寺久保山-出流原 (2013.2.17)


☆期日/天気/山行形式: 3013年2月17日 晴 単独日帰り
☆地形図(2万5千分1): 田沼(宇都宮6号-4)
☆まえがき
    1月に登った大小山の頂上から北の方へ延びている尾根上に幾つかの人影が見えました。
家に帰ったあとで地形図を引っ張りだしてみたら、この尾根は佐野と足利の市境になっている事が分かりました。
北の方に延びている尾根の途中には越床峠、塩坂峠があり、幾つかのハイキングコースが佐野市によって整備されている事も分かりました。
佐野市観光協会のハイキング・サイクリングのページに行くと国土地理院地形図にルート線を書き込んだ詳細なルート地図を入手することができます。

  尾根筋の北の端の方にある寺久保山を回るルートが手軽で面白そうに思えたので歩きに行ってみることにしました。
この山域の特徴である石灰岩層から湧け出す湧水群がある出流原が近いので山を下った後で訪ねてみることにしました。

塩坂峠北の尾根から足利方面の展望    (画像クリックすると拡大 スクロールします)
☆行動記録
<行動時間>
    宮崎台[6:36]=二子玉川=春日部=館林=[9:27]佐野駅[10:00]=(佐野市営バス 名水赤見線)=[10:33]さくらの里(10:45)-登山口(11:00)-塩坂峠(11:35/40)-301.3m三角点(12:00/05)-山火事跡(12:41)-山王山分岐三叉路(12:50/13:05)-寺久保山(13:41/50)-寺久保町(14:40)-出流原弁財天(15:05/25)-(15:35)おぐら屋前[15:58]=(佐野市営バス)=[16:31]佐野駅[16:49]=館林=久喜=(JR湘南新宿ライン)=[18:53]渋谷=[19:28]宮崎台

<ルートの概況>
    佐野駅までは東急・東武相互乗り入れの電車を乗り継いで行くので便利が良いのですが、そこから先は、毎日僅かな本数しか運行されていないコミュニティーバス名水赤見線に乗り継いで終点の寺久保へアプローチしなければなりません。 まさに、遠くて低い山の典型です。

  登山口のある寺久保町のあたりは綺麗な山村でしたが、最近開通した北関東自動車道が集落の脇を通っていているため、場所によっては車の音がうるさいようでした。
  バス終点のさくらの里から歩き出すと要所に関東ふれあいの道の道標が立っていて塩坂峠へ導いいてくれます。
集落の奥から左手の林道に入ると北関東自動車道が近寄ってきて山裾にかかろうとする所に熊野神社がありました。
小さく質素な社殿ながら平将門の乱を平定した藤原秀郷との所縁を記した立札が立っていました。
その横には関東ふれあいの道の石標もありました。

  神社の先で自動車道のトンネルの入口の上を過ぎるとすぐ山道に変わり、桧林の中の丸太階段を登って明るい自然林に入ります。
  「塩の井戸」 と記した道標を通り過ぎるとまもなく塩坂峠に着きました。
赤松の木の根方に野外ベンチが設けられ、道標ととルートマップの看板が立っていて、気分の良いところでした。
休憩していたら足利の方から老人4人パーティと老夫婦が、寺久保からは中年単独者が登ってきたりして、意外な賑わいになりました。

  北の方に向かう尾根道はか細いながら明瞭でした。
要所に手作りの道標があってルートファインディングも要しません。
  峠から25分ほどで 301.3m 三角点峰の肩に達しました。
縦走ルートは道標の脇から左手へ下って行くのでそのまま進むと 100m ほど東にある三角点はパスします。

  ふたたびここを通ることはないかも、と思ったので三角点へ往復しました。
行き帰りの途中、谷奥にある山王山の整った三角形、その背後遠くに日光の山々も見えました。

  主稜に戻って暫く進み、山王山が近づいてきたあたりは以前山火事があったとかで、左側の斜面が低木帯になり、足尾の奥山から日光方面がよく見えました。

山王山南から足利の奥山、日光方面の展望    (画像クリックすると拡大します)
 
  山王山の南肩の「三叉路」と呼ばれている所に着きました。
左手に山王山への幅広い道が分かれている小平地で、背後の檜林が北風を遮り、快適な日溜りでした。
 
  三叉路から先は尾根が細まって道形も薄くなるとともに露岩が増えてきました。
ちょっぴりバリエーション気分になりますが、右下の谷間がゴルフ場になっていて、所々で枯れ芝のグリーンが見え、深山の雰囲気ではありません。

  寺久保山への登りにかかると背丈より高い笹の間に入ります。
笹藪の中は至る所が掘り返され、イノシシの食事場になっているようでした。
昼間は「住人達」の昼寝の時間になっているようで、あたりに獣の気配はありませんでしたが、早朝とか夕方にここを通るときは注意せねばと思いました。

  笹薮を抜けて尾根に上がり、木陰で凍結している残雪でスリップしないよう注意しながら右手に進んで行くとあっけなく寺久保山の頂上に着きました。
 
 
  目的の頂上に着いたのでゆっくり休んでいたら寺久保医王寺の方から若い夫婦が登って来ました。
沢道が分かりにくくて苦労したとかで山名標とこちらの人影を見てほっとしている風でした。

  下山路の様子を聞いていたところへ、塩坂峠で見かけた中年登山者がやって来ました。
  山王山に立ち寄ってきたとのことで、その間に追い越していたことが分かりました。

  不動の滝から医王寺を通って寺久保へ下山する積りでいたのですが踏み跡が薄くて入口が不明。
  冬の最中に訪ねたはじめての山でリスクのあるルートに突っ込むのは止め、もとに戻って南尾根を下ることにしました。
頂上肩に戻ったところに中年登山者がやってきたので一緒に降りました。
宇都宮に住んでいて、このあたりの山にはよく来ているようでした。
宇都宮の近くでは、富屋篠井連峰が面白いということだったのでいつか訪ねてみようと思いました。

  南尾根の下降は傾斜が緩くてなかなか高度が下がらずやや冗長でした。
最後のピークの頂上で左折して降りる所がポイントで、出口には左のよう不動明王像と石祠があります。
  畑の縁のT字路で宇都宮の人と別れ、出流原へ向かいました。
最奥の民家の庭先にルートマップを描いた白い大きな看板が立っていました。

  さくらの里のうしろから山裾を通ってゆくあたりは綺麗で静かな遊歩道でした。
暫く行くと右手から迫ってきた自動車道に行く手を遮られました。
家の前の畑に出ていたお年寄りに道を尋ねたら畑の手前を右折して自動車道の下を潜り、朝バスで通った道路に出た所を左折すれば出流原に行けると教えてもらえました。
    出流原の弁天池は澄んだ水を湛えた綺麗な池で、池の端の茶店の前に大勢の人が来て賑わっていました。

  京都の清水寺と並ぶ懸け造りの弁天堂は修理工事中のため立入禁止で近くから見れなかったのは残念でした。

  弁天池付近で道路工事が行われていてバスが迂回運行中だったので10分足らず先の出流原歩道橋の南の「おぐら屋前」まで歩きました。

  「おぐら屋」はこの頃売り出し中の佐野ラーメンの店でした。
恒例の下山そばが食べたいな、と思いましたが日曜日のため、長い待ち行列ができていて、とても無理でした。

  車窓から前に歩いた唐沢山の山並みを眺めながらバスで佐野駅に戻りました。
家に帰る途中、電車を乗り継いだ館林駅で銘菓の麦落雁を買いました。
   

<ルートの詳細>



塩坂峠-寺久保山 GPS スライドショー



Flickr の元画像スライドショー


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☆おわりに

  寺久保山は遠くて低い山でしたが、静かな尾根筋は随所に展望が開け、ちょっぴりバリエーション気分も味わえて、なかなか楽しい山でした。
  このあたりから大小山にかけて、色々なルートが整備されている様です。
これからも折を見て出かけようと思っています。