岩舟-三毳山-三毳神社-佐野 (2013.1.3)



☆期日/天気/山行形式: 2013年1月3日 晴 単独日帰り
☆地形図(2万5千分1): 下野藤岡(宇都宮7号-1)、佐野(宇都宮7号-3)
☆まえがき
    この年の平安と健康を祈願する初詣を兼ねて三毳山に行きました。
前回の山行で栃木の大平山から馬不入山をへて岩船山(高勝寺)へ歩いた時の終点になった岩舟駅の南西3.5Km ほどにある山です。

山上に三毳神社の奥社が、山麓にはその里宮があるので、まず北麓のカタクリの里から主峰に登頂したあと、南に延びている主稜を辿るマイクロ縦走のルートを設定しました。
三毳の関跡を経て三角点のある中ノ岳に登り、その奥のピークに鎮座する三毳神社奥社を訪ねたあと北麓の三毳神社へ下山しようと言う計画です。
下山したあとの交通が不便なように思えましたが、あれこれ調べているうちに三毳神社から3Km ほど西にあるイオン佐野ショッピングセンターまで歩けば佐野駅行きのバスが頻発していることが分かりました。

  新年三が日の終わりの日は、冷たい風が吹き付ける寒い日ながら大気の澄んだ冬晴れで、随所に展開する展望を楽しみながら尾根伝いをしました。
イオンから佐野へのバスは頻発し、思っていた以上に便利でした。
帰りの電車の乗り継ぎもうまい回り合わせとなり、少ない乗り換えで早い時間に帰宅できました。

三毳山パラグライダー発進場から筑波山・加波山方面    (画像クリックすると拡大スクロール)
☆行動記録
<行動時間>
    宮崎台[7:29]=渋谷[8:02]=(JR湘南新宿ライン)=小山=[10:20]岩舟(10:30)-カタクリの里管理センター(11:20/30)-カタクリ群生地(11:36/40)-三毳山/竜ヶ岳(12:10/20)-三毳の関跡(12:45)-中ノ岳/pk210(13:00/10)-三毳神社奥社(13:20/25)-三毳神社里宮(13:38/40)-道の駅みかも(13:40/50)-(14:25)イオンモール佐野新都市[14:26]=(関東バス)=[14:45]佐野駅[15:00]=(JR両毛線)=[15:16]栃木[15:30]=(東武/JR きぬがわ58号大崎行)=[16:57]渋谷=[17:47]宮崎台

<概要>
   前回、大平山から馬不入山、高勝寺へ歩いたときは、岩船駅から栃木駅まで行って東武線浅草行特急に乗り継ぎ、北千住からメトロ経由、東急線中央林間行きで帰りました。
今回は、渋谷から湘南新宿ラインで小山まで行き、両毛線に乗り継いで岩舟駅に回ることにしました。

  岩舟駅から 500m ほど東に行ったところで両毛線の踏切を渡りました。
右前方に三毳山の稜線が穏やかなカーブを描いていました。

  枯れ田の中を進んでゆきながら左手を見ると、その名の通りの形をした岩舟山が見えました。
前回の山行で、普通なら考えられないほど大きな寺があの山の上にあることを知りました。

  宮前集落の入口に五叉路があって、庚申供養碑、不動像、道標が立っていました。


  集落を通り抜けて行った先で国道(#282)に上がり、100m あまり先にある例幣使街道との交差点でコンビニの角を右折。
佐野市街の方に向って進みました。

  十字路から5分あまりのところに佐野市の境界を示す標識が立っていました。

  佐野市に入って10分足らずの所にカタクリの里の標識の出ていました。
その角を左折すると右手に古墳と思われる小山が見え、そのすぐ先の左手に左のようなか駐車場とかたくりの里の管理棟がありました。

  管理棟はシーズンオフで閉鎖されていたのでホールの外側の回廊にザックを下ろし、ひなたぼっこをしながら休憩しました。

  万葉歌碑の前から遊歩道に入り、山にさしかかると頂上を目指すハイキングルートとカタクリ群生地の分岐を示す道標が立っていました。

  カタクリ群生地の様子を見てゆこうと思ったので左へ登って行ったらこじんまりした野外音楽堂がありました。
 
  音楽堂の脇から落葉に埋もれた擬似木の丸太階段を登ってゆくと三毳山へのルートを示す道標が立っていました。

  沢の詰めからいったん尾根の背に上がり、さらに右手に斜上して主稜をの背を登ってきたハイキングルートに合流しました。 

  合流点に立っている道標の角を左折すると丸太階段の登りになりました。

  尾根の傾斜が緩むとまもなく三毳山の頂上でした。
この山なみの主峰で竜ヶ岳とも呼ばれているそうですが頂上の東側が大きな電波塔に占領され、視界が妨げられています。

  西から南にかけては樹木が切り開かれ、日光方面から上州武尊あたりが見えましたが、電波塔に給電している電線が少々邪魔でした。

(画像クリックすると拡大)

  南西の方には関東平野が広がり、その先に箱根・丹沢あたりの山並がみえ、その背後の雲間には富士山らしい山影も見えました。

(画像クリックすると拡大)

  奥日光のあたりは吹雪模様のように見えました。
(左は -1,0,+1 露出を重畳した合成画像です)

  竜ヶ岳頂上南側はかなりの急降下でしたがひと下りで穏やかな尾根に乗りました。
そのあと、ゆるやかに上下している尾根の背を進んでゆくと東屋がありました。
東屋の向こう側で尾根を乗り越えている舗装路が通っています。
道路横切って進むとまもなく、三毳の関跡と伝えられる鞍部に着きました。

  道祖神の石祠がある落ち着いた雰囲気の場所で東屋が立っています。
居心地のよさそうな休憩場所でしたが疲れていなかったのでそのまま通り過ぎ、先に進みました。

  東屋の先で車道が尾根を乗り越していました。
道路の向かい側の擁壁に架けられた鉄階段を登りあげて行ったところに犬石と言う大石がありました。
  脇にたっている説明看板によると、「威奴」と呼ばれていた関守が人の往来を見張った物見台だったということです。 

  犬石からわずか進んだところに露岩があり、佐野の市街と赤城山が見えました。

  修行僧の祈祷所だったと記した立て看板のある岩頭がありましたが、こちらの方がもっと良い見張り台だったのでは、と思いました。

  3つほどコブを越して行ったところにある鞍部を舗装路が乗り越し、大きな東屋(と公衆トイレ)がありました。
この辺りは公園のとして整備されているようで、一帯の案内図を描いた看板が立っていました。

  道路の向かい側の尾根の背を進んで 209.9m 峰(中ノ岳)に着きました。
木立に囲まれた明るい広場で、三角点標石と野外テーブルがあり、気分の良い休憩場所でした。

(画像クリックすると拡大)

  中ノ岳の頂上から右手へ下って行くと平坦な鞍部がありました。
左側の樹木が切り開かれ、パラグライダー発進場になっていて東の方への視界が開け、筑波山から加波山への山並が綺麗なカーブを描いていました。

  蝋燭岩と呼ばれている大石がありました。
蝋燭の炎に似た形をしているのでこの名がつけられたのだそうです。

  みかも公園へ行く道を右手に分けて直進。
杉林を通り過ぎると三毳神社奥社の裏手に出ました。

  初詣を兼ねたこの山行の目的地でした。
社殿の前に回りこんで見たら三ヶ日なのに鉄扉が閉ざされ、賽銭を盗らないでくれという注意書きがかけてあったのでいささかがっかりしました。

  扉の隙間から賽銭を投げ込み、この年の平安と健康を祈りました。

  社殿の前から見下ろすと山の麓に道の駅があり、そのまわりの道路を沢山の車が往来しているのが見えました。

  転げ落ちそうなほど急な石段を下り、その下に続く急坂も下りきったところに三毳神社の里宮がありました。

  社殿は貧相でしたが鳥居や狛犬は立派で、かつては盛大な神社だったように思われました。

  神社の西側の広大な領域がみかも山公園の遊園地になっていました。

  公園の南側にある道の駅みかもで手土産を仕入れたあと山裾の道を歩いて三毳山の西側に回り込んで行くと、尾根の端を乗り越す峠状のところに「西浦町」と記した標識が立っていました。

  地形図で道を拾って集落に入り、川向いにあるイオン佐野ショッピングセンターへ向かいました。

  東北高速道佐野藤岡インターチェンジのループに沿って歩いたあと開けた田んぼの中を西に向かって進みました。
イオンショッピングセンターの裏手を流れている川を渡る橋の上で振りかえると今日歩いてきた三毳山が綺麗な起伏を描いていました。

  正月のショッピングセンターは大賑いでした。
何か飲み食いしてから帰る積もりでいたのですが、バス停ポストを見つけたところへ丁度佐野駅行きバスが来てしまったのでそのまま乗り込み、佐野駅に向かいました。

    下山が予定より早くなったので帰りの電車の乗り継ぎが分からなくなりました。
近頃持ち歩いている Android タブレットを両毛線の車中で立ち上げ、乗り換え案内アプリで検索したところ、この日は東武日光鬼怒川線からJR湘南新宿線に乗り入れる大崎行きの臨時列車が運行されていて、栃木駅を通過する時間が15時30分という事が分かりました。

  タブレット機のお蔭で要領の良い乗り継ぎを選択でき、お蔭で早い時間に家に帰り着くことができました。

<ルートの詳細>



三毳山の GPS スライドショー



Flickr の元画像スライドショー



ルートマップ
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☆おわりに

    三毳山など小さくてマイナー山の山行記録は EveryTrail の GPS アルバムだけで済ませてしまおう、と思っていたのですが思い直してこのページをまとめることにしました。

  メジャーな山はガイドブックの類も色々出ているし、ネットを検索すれば沢山の山行報告を見ることができます。
三毳山のようなマイナーな低山は地元では親しまれていても、他所に住んでいる者が訪ねるときの参考になる詳しい情報が案外乏しいように思われます。

  年をとって厳冬期の高山に登れなくなり、あちこちの里山を訪ね歩くようにようになってから数年。
どの山にもその山にしかない個性があり、訪ねた時の季節、時間による一期一会の景色があります。

  さらにマイナーな低山には低山ならではの魅力があると言う事に気が付きました。
葉を落とした尾根道は枝越しに遠くの山、近くの里が見え、進むに連れてどんどん景色が変わって行きます。
高みに上がれば目の前に、そこでしか見られない展望が広がります。
平野も、川も、山も、海も見える景色は、山なみ重畳する奥山の展望に劣らず魅力があるものです。
遠く近くの雪山はみな曾遊の山々で、様々な思い出が次々に脳裏に浮びます。

  厳冬期のスイセン畑、春先の梅林、カタクリの群落、春を告げる芽吹きの色合いと妙なる森の香りなど、岩と雪の山にはない、特別な魅力です。

  どうか、近間の低山だけでなく遠くにある低い山、無名の山へ足を延ばされますよう。
かかった時間とコストが報われずに終わることは滅多にないこと、請け合いです!