大崩-人骨山-金束 (2013.2.28)


☆期日/天気/山行形式: 2013年2月28日 晴れ 単独 ホテル泊2日の1日目
☆地形図(2万5千分1): 金束(横須賀2号-1)
☆まえがき
   ここ数年、厳冬期には南房総へ出かけるのが慣わしになっています。
今年は、佐野・足利付近の低山に目が向いていた影響で少し遅れ、2月末から3月始めにかけてとなりました。
  初日は保田の奥の大崩から人骨山に登ったあと山を越え、金束から鴨川を経て安房天津へ。
安房天津に泊まった翌日は清澄山に上がって清澄寺に参拝したあと元清澄山から金山ダムまで尾根伝いをする計画にしました。

  初日に登った人骨山は薄気味悪い山名とは対照的に、からりと開けた明るいカヤトの頂上を持つ山で、南房総の山々との一年ぶりの再会を楽しみました。
法明の棚田の中からふるさと峠へ上がると長狭の谷を縦観しました。
安房高山、請雨山、三郡山と再会しました。

  安房天津で泊まった宿舎は古い旅館がモデルチェンジしたものでしたが、米国西海岸のリゾートインを彷彿させる雰囲気があり、魚料理も美味しいくて料金もリーズナブルでした。

人骨山頂上の展望    (画像クリックすると拡大 スクロール)
☆行動記録

<行動時間>
  宮崎台[6:04]=神保町=馬喰町=(JR総武線)=[7:34]千葉[7:45]=(JR内房線)=[9:29]保田[10:00]=(町営青バス)=[10:20]大崩(10:27)-畑(11:00/02)-山道(11:10)-人骨山(11:23/40)-畑(11:55)-法明切通し(12:00/30)-法明下部(12:37)-ふるさと峠(12/58/13:30)-戸越車道(13:51)-(14:45)金束バス停[14:10+4]=(日東交通バス)=[14:44]鴨川駅東口[15:53]=(JR外房線)=[15:58]安房天津{ひだまりInn泊}

<ルートの概況>
    例によって公共交通機関を利用してアプローチしました。
最寄りの JR保田駅から人骨山へは、青バスと赤バスと、2台の鋸南市市営循環バスが相互逆回りに運行されており、毎日10本ほどの便があって意外に便利でした。
遠い山ですが低山ゆえ短時間で登れるし夜は現地に宿泊するので、朝の出発がゆっくりでも十分に時間的な辻褄を合わせることができました。
循環バス終点の大崩から人骨山の登山口がある畑までの約 2Km は道端に咲いているスイセンや梅の花、道下の田んぼの水溜りにいるオタマジャクシの大群など、ひと足早い春の兆しを眺めながら歩きました。

人骨山の入口は分かり難い所で、よほど気をつけていないと通りすぎてしまいそうでした。
  右側の谷向いに人骨山と思しき山が見えてきた所で GPS と地形図とを照合。
このあたりに間違いない筈とまわりを見回したら右手に分かれてゆく道の角の木立の陰に「人骨山」と記したプレートがかかっているのが見つかりました。
大崩の方から歩いてきた者にとってはプレートがとても見にくい方向を向いているので要注意です。

  見落としを防ぐのに役立つ目印としては、畑の集落の道の左脇にある水道タンクがあります。
タンクの脇から100m 足らず先の道の右側にカーブ・ミラーが立っていて、そこから右手へ下って行く道が正解です。

  入口の先は、要所に置かれている道標に導かれているので不安なく進んで行けました。
小尾根の裾に突き当たった所に立っている道標に従って左手の山道を登りました。


  山道のはじめの所では山仕事で来ていたおじいさんの飼い犬が道案内をしてくれました。
ひと登りした所でおじいさんが仕事していて、上部のルートの様子を教えてもらえました。
 

  尾根の背に登りついた所から右手に進み、さらにひと登りした所にある分岐で左手に分かれている道を見送り、右の尾根の背に上がりました。

  頂上が近づくと直径4cm ほどもある太いロープが張ってありました。
大袈裟だなぁ、と感じましたが、頂上直下の粘土質の急坂がとても滑りやすく、太くて握りやすくいロープは大助かりでした。

  固定ロープが終わって傾斜が緩むと左上が明るくなって、頂上肩の桜並木になりました。

 
人骨山頂上の展望    (画像クリックすると拡大)


  東西に細長い頂上の西寄りは低木に囲まれたカヤトの高みにでした。
視界を遮るものがなく、千葉県最高峰の愛宕山と二つ山から、丸森山、伊予ヶ岳。富山、鋸山、嵯峨山など、ここ数年の間にお馴染みになった山々が一望でした。

  綺麗に晴れ上がった冬空の下で贅沢な休憩を楽しみました。

  山を下ってもと来た道路に出た所で右折。
緩やかな坂を登って行くと鴨川最奥の集落である法明へ乗越す峠の切通しに着きました。

  切通しはT字路になっていて「←津森山|鴨川→」と記した道標が立ち、目の下には、隠れ里のような地形に抱かれた法明の集落がありました。


人骨山頂上の展望    (画像クリックすると拡大)

  T字路の交点から僅か津守山側へ寄ったところから法明の谷に下る積りだったのですが、農家の庭先を通り抜けようとした所で犬に吠えかけられて逆戻り。
  暫く迷い歩いたあと右手を迂回して下り、谷の中ほどを横切って左手の斜面に上がりました。

  緩やかに登り上げて着いたふるさと峠の頂上からは加茂川の谷が見えました。
この川は20Km ほど先の鴨川の市街地を通って海に注いでいます。
  谷向いには、1年前に歩いた三郡山から安房高山あたりの山並みが見えました。

人骨山頂上の展望    (画像クリックすると拡大 スクロール)
 
  ふるさと峠から長狭街道まではゆっくり歩いて30分ほど。
鴨川へ向かって右折すると15分ほどで金束バス停に着きました。
タイミングが良く、バス停に着くと僅か5分あまりで鴨川行きバスが来ました。

  お蔭で予定より1時間も早く鴨川駅に着きました。
時間が早かったので鴨川駅のまわりを見て回り、東口の日東バスターミナルの先に縄暖簾を出している店があったので蕎麦を食べました。
1時間ほど時間を潰したあと、JR 外房線の普通列車に乗って隣り駅の安房天津へ行き、海辺の宿に泊まりました。

<ルートの詳細>



人骨山の GPS スライドショー



Flickr の元画像スライドショー



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☆おわりに

    人骨山の名は人喰い鬼の棲家だったとか、姨捨山だったとかの言い伝えによるそうですが、山の名から想像されるイメージとは反対に、明るく開けた頂上の展望が素晴らしく、形の整った綺麗な山でした。
スイセンの花期も良いですが、春になって桜が咲く時期に登れば、花見と山の展望と、両方を楽むこともできそうです。