大小山-越床峠-大坊山 (2013.3.26)


☆期日/天気/山行形式: 2013年3月26日 晴 単独日帰り
☆地形図(2万5千分1): 足利南部(宇都宮11号-1)、足利北部(宇都宮10号-2)、
           田沼(宇都宮6号-4)、佐野(宇都宮7号-3)
☆まえがき
    1月に登った大小山から南尾根が意外に面白かったので、そのまわりの尾根筋に興味を持ちました。
2月に、大小山から北に延びている長い尾根の北端近くにある塩坂峠から寺久保山への尾根を伝ってみたら期待に違わぬ楽しい山歩きができました。

今回もまた、精々 300m 内外の尾根筋でしたが、関東平野に臨む眺めの良いルートで、所々にルート・クイズが仕掛けられ、手も使って通過する岩場もあったりして、「小さな山でも大きな楽しみ」の見本のようなミニ縦走ができました。

大小山主峰妙義山頂上の展望    (画像クリックすると拡大してスクロール)
<行動時間>
    宮崎台[6:09]=北千住=栃木=[9:02]JR富田駅(9:15)-阿夫利神社(9:53/10:00)-大岩(10:23)-妙義山(10:40/50)-岩尾根(11:16)-境界標識 #531 のピーク(11:30/40)-曲がり角のピーク(11:52)-越床峠(12:05)-小休止(12:10/15)-休憩小屋入口(12:34/37)- 254m 峰(12:57)-大坊山分岐(13:00)-大坊山(13:13/40)-大山祇神社(13:58/10)-大沼田車道(14:29)-(14:33)足利病院[14:37+5]=(足利市営バス)=[14:47+7]JR富田駅[15:19+3]=栃木[16:10]=南栗橋=[18:50]宮崎台

<ルートの概況>

  大小山本峰の妙義山に登ったあと、北尾根から越床峠をまわって大坊山へ。
U字形に繋がっている尾根筋をなぞってみることにしたので前回と同じ様に JR両毛線富田駅へ行き、駒場の集落から大小山へアプローチしました。

  阿夫利神社の手前で右折して尾根に上がり、主峰の妙義山(313.6m)に直登するルートを選びました。

ルートの入口には左のようにベンチが並び、道標が立っています。

  ひと登りで尾根の背に上がるとその先は明るく眺めのよい展望ルートになりました。

  尾根の中間に大きな岩の露頭がありました。
岩の左側を巻き登ってゆく所に岩室がありました。

  やがて左上に「大小」のふた文字が見えてきました。
登るにつれて「大小」との高度差が減って行き、ほぼ同高度になると間もなく岩場に突き当りました。

  直登して岩を登るルートもあるようでそちらへに行く踏み跡も見えましたがまだ行程の始まりで前途が長いので余計なことはせず、先に進むことにしました。

  岩場の裾から右手へ山腹を横に巻いてゆく一般ルートを進むと道の上の斜面に不動像がありました。

  像の下を通り過ぎるとすぐ、頂上から北東に派生している小尾根の背に上がりました。

  ロープが取り付けられた足場の悪い急登から竜骨状の岩尾根を登り上げると妙義山の頂上に上がりました。
山名を記した標柱の脇に立つと広大な展望が開け、ページ冒頭のような眺めを楽しむことができました。

  北の方にこれから歩く尾根筋が見えました。
いくつかのコブを越して行った先のピークで左へ折れ、越床峠の鞍部に下ってゆく尾根の様相が見て取れました。

  よく見ると先のピークの頂上の手前に幾つかの人影があります。
同じルートを先行しているパーティがあることが分かりました。

  妙義山頂上直下はちょっとした急降下でしたがそれを過ぎると平坦になります。
穏やかな尾根道を10分ほど進むと大岩の先がスポンと切れ落ちている所がありました。
下を覗いてみると高距は4m あまりしかないのですがサテどうやって降りようかと言う感じです。

  すぐ脇に太い木が立っていたのでその木と岩の間に入れば何とかできるかも、と降りかけてみたら足場・手がかりが潤沢にあっていとも簡単に降りることができました。

  高みに上るたびにひとつ先のピークの登りを進んでいる先行パーティが見えましたがこちらに急ぐ理由はないのでのんびりマイペース進みました。

  やがて、岩板を立てかけたようなヤセ尾根が出て来て、サテどうやって通過するか?、となりました。

  ルートを求めて数回行ったり戻ったりしたあと、数m 下りて岩の裾をヘツって進み、浅い凹角状の所を登り上げてみたら岩の裏に続いている道が見え、アッサリ乗り越えることができました。
  単なる藪尾根歩きだけでなくオマケのパズルがあったりするのでなんだか得をしたような気分で進んでゆくと左下の谷の足利病院の屋根が近づいてきて、谷向いの大坊山への尾根続きがよく見えるようになって来ました。

  やがて大岩に突き当りました。
頭の上の岩棚に白いプレートが置かれ、「越床峠を経て大坊山」 と記されているのが見えました。

  ルートは岩の裾から左に曲がり降りてゆくのですが念のため進路を確認しておこうと、岩頭に上がってみました。
  岩の上は狭い切り開きになっていて、三角点(らしい)標石と境界標識の杭がありました。

  周囲の地形と地形図と GPS とを照合して現在位置を確認した上で峠に向かって下り始めたところへ後ろから声をかけられたのでビックリしました。
後ろを振り返って今降りてきた岩の上を見上げると、「越床峠はそっちですかぁ」と聞かれました。

  ルートを確認したばかりで確信があったので、「峠はこっちですよ」と答えたところ、後ろに向かって「こっちだってよ」と叫んでいるのが聞こえました。

  先行パーティがルートミスをして間違った方向に迷い込んでいた間にあと先が逆になったようでした。

    赤松が林立する尾根を下って行くと次第に傾斜が緩み、やがて越床峠に着きました。
越床峠は狭い切通しで日当たりが悪く、風の通り道でもあったため、良い休み場ではありませんでした。
峠の先をわずか登ったところにあった日当たりのよい小平地にザックを下ろしました。

  昼時になっていたので飲み食いをしていたら年寄り男女 5人組が歩いて来ました。
「さっきまで前を歩いるのが見えていたのにどうかしたんですか?」と尋ねたら、「勢い余って真っ直ぐ行っちゃったんですよ」と言う返事でした。
 
  峠から 30分ほどの道の右下に休憩小屋がありました。
石灰岩か何かの鉱山だった所の作業小屋を利用したもののようでしたが、トイレが使え、飲み物も手に入れることができるようですから天気が良くない時の休憩場所として利用価値がありそうです。

  休憩小屋に行く道の分岐の先でピークに登る道を見送って左に巻いてゆく道に入り、明るい自然林の斜面を横切って行くと10分ほどで岩っぽい主稜の背に乗りました。
    越床峠の前後で尾根筋がグルーッとU字型にまわったせいで歩く方向が 180度変わり、まわりに見える景色がガラッと変わりました。
右手に赤城山が、そして前の方に足利の市街がみえ、その先に関東平野が広がっています。

  峠のこちらの尾根筋も所々に露岩の高みがあり、その上に立てば決まって広大な展望が得られます。

  行く手に三角形のピークがふたつ並んでいるのが見えたあと、屋外ベンチがふたつ並んでいる眺めの良いピーク(250m 圏)に着きました。

赤城、武尊、日光方面の山並    (画像クリックすると拡大)
  展望峰の次のピーク(270m 圏)の南端に、直進すると長林寺、左手に下りて行くと大坊山と記した道標が立っていました。
  長林寺へ回ることもアリでしたが、ゆっくり歩いて大坊山から下山する方を選択しました。

  やや急に左手へ下って鞍部の先の岩っぽい登りになると時どき手を使う登りになりました。
やがて傾斜が緩むとすぐにパッと広け、大坊山の頂上広場にでました。
かつてここにはかなり大きな神殿があったことを示す基礎が残っていてその一部を利用して建てた祠があります。
    広い頂上広場の両脇に、山の肩の斜面に差掛けるような形の櫓状の建物基礎が残っているのを変に感じましたが、この辺に山火事があって、社殿やそのまわりの建物が焼失した跡だった、と言うことをあとで知りました。
  明るく気持ちのよい広場で、北側を除いてグルリ視界が開け、正面に関東平野が広がっていました。
この山行最後の山上の休憩になるので長い時間ノンビリしました。

  思惑通り順調に歩くことができて早い時間に足利病院へ下山。
思ったより早い富田駅行きバスに乗れ、栃木・南栗橋経由で家に帰りました。 

<ルートの詳細>




GPS スライドショー



Flickr の元画像スライドショー



ルートマップ
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☆おわりに

    大小山から越床峠を経て大坊山ヘ、U字形に回遊するルートは眺めの良い低灌木の尾根伝いでした。
随所にちょっとしたルート・クイズを解かなければならない岩場があったりして、低さの割りにはとても楽く歩けました。

  次の山行では、長林寺からつつじ山を経て大坊山へと、越床峠から鳩ノ峰を経て塩坂峠への尾根伝いを行い、このあたりの尾根筋をひとわたりカバーしようと思っています。