高登谷山、横尾山-飯盛山 (2012.8.2-4)


☆期日/天気/山行形式: 2012年8月2-4日 山麓宿舎2泊単独縦走
☆地形図(2万5千分1): 八ヶ岳東部(甲府9号-1)、谷戸(甲府9号-2)、小淵沢(甲府9号-4)
☆まえがき
    奥秩父と八ヶ岳と、ふたつの山域の狭間にはいくつか登り漏らしている山があります。
それらのうち、知名度が高い双璧が横尾山と飯盛山のふたつでした。
双方とも、ただ登頂するだけなら短時間で片がつく易しい山なのですがアプローチに少々難があるためあと回しにしているうちに、残り物になっていました。

  飯盛山の方は去年の夏の終わりに、川俣川東俣ハイキングと組み合わせて登りに行ったのですが台風の影響があとを引いて天気が悪く、登り損ねてしまいました。
今年は横尾山も何とかせねばと、思いながら地図を見ているうちに、これらふたつの山を繋いでいる尾根に気が着きました。
地形図やガイドマップの継ぎ目にあるため人の目を引くこともなく、長年山の動物達の住処だったようですが近年改訂されたガイドマップの端っこに破線と所要時間が書き込まれました。

  少々長めのヤブ尾根ルートですが、ネット検索をしてみたら時どき山慣れた物好き達が通っていることが分かりました。
昨年と今年と、中央分水嶺トレイルと称するイベントも行われたようです。
  公開されている記録によると、豆腐岩の先でルートをミスってトクサの頭の方に行ってしまった話、トクサの大タルでルート判断に迷った話、三ツ沢の大タル付近の密藪の登降でへばった話、平沢牧場の柵の出入口が分からなくて困った話など、この尾根を辿った人達の半分くらいが何らかのトラブルに引っかかっているようでした。
ただ、ルート全体としては下り基調で大登りはなく、密藪はあっても視界が奪われるほど深い所もなさそうです。

  長年情報交換をしてきた山登りメーリングリストの仲間からも、ルートの状況や要注意箇所の情報を提供してもらえました。
お蔭でかなり正確なルートのイメージアップができ、まだ幾ばくかの体力が残存している今のうちに思い切って挑戦し、もし天候や体調などの条件が揃えば、この藪ルートの踏破は可能ではないか、と言う感触が得られました。

トクサの頭分岐付近から槍、三ツ沢の頭、飯盛山方面    
(クリックすると拡大)

  藪には慣れいても体力はガタ落ちになっているので、ゆっくり歩けるよう時間的余裕たっぷりの行程を設定しました。

  初日は信濃川上から入山し、高登谷山(1862)に登って足慣らしと体調のチェックを行ったあと信州峠の北麓にある三鷹市の宿泊施設に宿泊。

  翌朝、早い時間に信州峠に上がって尾根伝いにかかり、夕方まで時間をかけて飯盛山まで尾根を伝う。
順調に踏破できればその日のうちに帰宅することも可能と思われましたがさらに余裕を持てるよう、飯盛山西南麓の平沢(1220)に宿を求めてもう一泊。
長丁場で疲れた身体で冷房が効いた電車に乗って下半身が冷えてきたときにに起こりやすくなっている痙攣で苦しむ心配を解消しました。

  三日目は体調と天気によって、飯盛山中腹の獅子岩に上がって山を眺めたり、野辺山電波天文台を見学したり、清里あたりの遊歩道を歩いたり、適宜クールダウンを行なって家に帰ることにしました。


☆行動記録
8月2日(晴のち曇り)
    高登谷山

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<行動時間>
    宮崎台[6:58]=長津田=八王子[8:03]=(アズサ3号)=[9:36]小淵沢[9:57]=[10:39]信濃川上駅/駅前そば屋[11:20]=(Taxi \3000)=[11:35]高戸谷山登山口(11:43)-小休止(12:15/25)-高登谷山(12:57/13:10)-南峰(13:23/27)-天狗岩(13:35/45)-中沢登山口(14:15)-(14:35)三鷹市川上郷自然の村{宿泊}

<概要>
     高登谷山は信州峠の北東約4Km にある小振りの双耳峰(1845.9/1862)です。
登り出しが高いところにある(1475m)お蔭で1時間あまりで登頂でき、足慣らしと体調のチェックに最適でした。
信濃川上駅前のそば屋で腹拵えをしたあとタクシーでアプローチ。
閑静な別荘地の背後から自然林に覆われた穏やかな尾根に上がりました。
身内の葬式などで山行間隔が空き、山道を歩けるのかなぁ、と思っていましたがその割には調子が良く、これなら明日の尾根伝いは大丈夫そう、と感じました。
 
高登谷山頂上からみた横尾山    
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  尾根の上部にある2、3箇所の露岩を乗り越えると頂稜の一角でした。
右に折れ、ゆるやかにひと登りした所に標柱の立つ切り開きがありました。
頂上は視界が限られていましたが横尾山が間近に見えました。
信州峠からカヤトの台地を経て頂上への尾根の繋がり具合が分かり、翌日の尾根伝いの始めの部分のイメージを描くのに役立ちました。

  登ってきた方向からみて右へ。
幾分藪っぽい吊尾根を15分足らず進むと南峰に着きます。
こちらがこの山の最高点で、いくらかの展望が得られました。
  やや急にひと下りした所で露岩を直登すると天狗岩の岩頭でした。
視界広大でしたが黒雲が空を覆い、雰囲気はやや険悪になっていました。
奥秩父主脈の稜線は雲の中でしたが、瑞牆山から茅ヶ岳あたり、さらに右手に横尾山が見えました。
谷間には野菜畑が広がり、この夜の泊場になる三鷹市の川上郷自然の村の建物やグラウンドも良く見えました。

高登谷山 天狗岩の展望    
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  天狗岩から下の下降路は登路とよく似ていました。
露岩でガレ気味になっている部分を通過する所には道標が設置され、山に慣れていない人でも迷わないようにしてありました。
尾根の下部で左手の沢溝に降りるとすぐに別荘地に掛かり、まもなく舗装路に出ました。
左折してすぐわらび山荘を過ぎ、その先で左に曲がると行く手に武蔵野市自然の村の大きな建物が見えてきました。
小中学校生の野外教育施設のようで、この日も少年サッカー団とその付き添いの大グループが来ていましたが、個人や小グループを泊める客室もあって市外の人間もリーズナブルな料金で泊まれます。
大勢と同宿したにも関わらず静かな宿りができ、翌日の本番に備えてゆっくり休養することができました。
<ルートの詳細>




  高登谷山の GPS スライドショー



  Flickr の元画像スライドショー




8月3日(晴)
    横尾山から三ツ沢の大タルをへて飯盛山へ

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<行動時間>
    三鷹市川上郷自然の村[7:15]=(Taxi 3100円)=[7:25]信州峠(7:30)-カヤトの台地(8:30/40)-横尾山(9:17/30)-豆腐岩(10:14)-トクサの頭分岐(10:21)-トクサの大タル手前の小鞍部(10:35/45)-トクサの大タル(10:54)-槍(11:25/30)-三ツ沢の大タル(11:51)-三ツ沢の頭(12:14)-柵の出入口(12:41/44)-三沢登山道道標(13:00/30)-十文字峠(13:32)-丸太階段(13:45)-鎖のピーク(14:09)-飯盛山見晴台(14:19/30)-清里・野辺山分岐(14:39)-林道末端(15:00)-(16:00)平沢{ロッジ飯盛山 泊}

<概要>
    朝早く目が覚めて外を見たら雲ひとつない快晴になっていました。
前の日の足慣らしで体調が良い事を確認できていたので予定通り信州峠・横尾山から飯盛山へのヤブ尾根伝いを決行することにしました。
公共施設のせいか融通がきかず、7時30分からとされている朝食を早めてもらうことはできませんでした。
そのかわりに弁当を作ってくれたのでそれを受け取ってチェックアウト。
玄関先の広場から山を見ながら前夜電話で予約したタクシーが来るのを待ちました。

  宿舎から信州峠は直線距離で2Km あまり、車道に沿ってL字型に走っても約4Km しかないので僅かな時間で着きました。
盛夏のこの時期、山屋さんたちはみな有名な山に行ってしまうようで登山口の車止め広場に車はなく、あたりはシンと静まり返っていました。
GPS を起動し、地形図を確認をした上で石段を上り、山に入りました。

  尾根道の両側の自然林の中は涼しい風が吹き抜け、鳥の啼声と虫の羽音が聞こえてくるだけでした。
道が岩っぽく傾斜が強くなってきた所を登り上げるとカヤトの台地で、パッと視界が開け、下の写真のようなパノラマと対面しました。

横尾山 カヤトの台地の展望    
(クリックすると拡大 スクロール)

  うしろを振り返ると佐久の男山と天狗山、その背後に御座山が見えました。

  これまでの長い人生でさまざまな楽しみと刺激を与えててくれた山々との対面に大感激!
思わず両手を合わせ、拝んでしまいました。

  ところどころにタカネナデシコ、タカネニガナ、スイセンなどの花が見えるカヤトの原から行く手に見える木立の高みに向かって進んでゆくと次第に尾根が狭まり、所々に露岩が出てきました。
  やがて横尾山の標柱が立っている切り開きにつきました。
山梨百名山と記されている割りにはパッとしない所で眺めもあまり良くありません。
僅かに西南方の樹木が切り開かれ、これから辿る尾根筋と槍らしい尖峰が見えました。

  頂上の先は一転してか細い踏み跡の笹尾根に変わります。
ひと下りしたところにある鞍部には美しい笹原が広がり、その中に大平牧場への分岐を示す道標が立っていましたが道形は全く見えませんでした。
  潅木が切れると視界が広がり、トクサの頭と八ヶ岳が見えました。

大平牧場道標の先から豆腐岩・トクサの頭、八ヶ岳    
(クリックすると拡大)
 
  小さく上下を繰り返しながら約1時間進んだ所に豆腐岩がありました。
岩の左脇をすり抜けた地面に境界標石と赤塗りの杭がありました。

  まもなくトクサの頭分岐に着きました。
このあたりから三ツ沢の頭を乗り越すあたりまでがこの藪尾根ルートの核心部です。
    斜面を覆っている深いカヤトの中に三叉路があり、山屋の心理としては右手へ登って行きたくなるのですがこちらはトクサの頭へ登ってゆく枝道です。
  昨年行われた中央分水嶺トレイルでもコースアウトが多発したとかで、この7月に行われた今年のレースのコース整備(?)で、左折してカヤト尾根を下ってゆくよう指示する道標が設置されていました。(左)

  カヤトの尾根の背に乗ると行く手の視界が開け、槍から三ツ沢の頭、1656m 峰を経て飯盛山への尾根の繋がりがよく見えました。
背後には南アルプス、八ヶ岳も見え、爽快な眺めです。

トクサの頭分岐付近のの展望    
(クリックすると拡大 スクロール)
    ルートミスに注意を要する場所はもう一カ所あります。
トクサの頭分岐の少し先から暫らくはルート明瞭になり、部分的に藪払いも行われ、まるで一般ルートのような感じになります。

  降り着いたトクサの大タルは左のように明瞭な踏み跡がまっすぐ続いているので直進したくなるのですがこれは間違いで、左手のカヤトの藪に上がるのが正解です。
周りの展望を樹木に妨げられるため方向の判断が難しく、最低でも地形図とコンパス、できうればハンディー GPS もあわせて参照する必要があります。
   30m ほどヤブの中を進むと明瞭な踏跡に出合い、地形図と照合して正しいルートに乗っていることを確認しました。
  槍の尖峰から右下に見えるサブピークの裏側にある濃密なカヤトの中を下って三ツ沢の大タルに向うあたりからは山に住む動物の気配が濃厚になりました。
前の日の夕方強い雨が降ったとかで、藪が濡れていて膝から下がビッショリ濡れました。

  三ツ沢の大タルはカヤトと笹に埋もれた広い鞍部です。
7月中旬に行われた分水嶺トレイルの踏み跡が残っているのでは、と密かに期待していましたが参加者の数が少なかったためか、人が通った痕跡は微かでした。
ただ、 赤テープのコースサインがあちこちに見えたのはその名残りだったようです。
それらを目安に向かい側の笹の斜面に取付き、適宜にルートを選んで登り上げて行くとひと登りで傾斜が緩み、三ツ沢の頭の平頂の肩に上がりました。
左上のカラマツ林が切り開かれて明るくなっているのそちらに寄ってゆくとパット視界が開け、牧場の境を区切っている柵が現れました。

三ツ沢の大タルを経て三ツ沢の頭を乗り越え、飯盛山、野辺山高原、八ヶ岳と対面した    
(クリックすると拡大、スクロール)
 
  行く手に飯盛山、野辺山天文台のアンテナ、八ヶ岳が見え、この藪尾根伝いの山を乗り越したことを確認したのですがこの先にはもうひとつ "難場" があるので、まだ気を緩める訳には行きませんでした。

  赤テープはカラマツ林の中の笹を分けて進むよう誘導していましたが、林間に鹿の姿が見え隠れして獣道が縦横に入り乱れ、かなり歩き難い状態になっていました。
あんまり歩き難かったのでコースサインを追跡するのは中止。 柵沿いのカヤトの中を通っている踏み跡を拾って行くことにしました。

  柵は二重になっていて外側に有刺鉄線、内側にマス目が20cm ほどの鉄格子柵が並行していました。
ふたつの柵の間を進んでゆくと両者の間隔が徐々に狭まり、人ひとりがようやくすり抜けられるくらいまで狭まっている所がありました。
あとで分かった所では、この二重柵は罠に誘導して動物を捕らえる仕掛けと言うことでした。
鉄柵沿いに進んで高みを越えて行った所で格子柵が右手に直角に折れ、行く手を遮っているのが見えてきました。
柵の曲がり角の手前に "ドア" があり、そこを潜って牧場の中に入ってゆく所ですがドアの所在が分からずに行き詰まり、仕方なく柵を乗り越えた話も聞いていました。
  この時は、左の写真のように、大文字で "出入口" と記し、開閉の仕方の説明を書き添えたA4紙を定期入れに納めたのが鉄格子柵に取り付けてありました。
出入口の所在は確認できたものの開け方が分からないのでガタガタ揺さぶってみたら "ドア" を固定している針金が緩み、開け方が分かりました。
  無事に開いた出入口を通って牧場の中に入ると四輪バギーの巡回路と思われる道形がありました。

  最後の "難場" を無事に通過し、何時間ぶりかで藪から開放されたので、のんびり気分になって坂を下ってゆくと右手の柵の外に道標が見えてきました。
 
  近寄ってみると山の下から登ってきた登山道が柵に突き当たって右折している角に立っている道標でした。
シメシメと有刺鉄線の間からザックを放り出し、鉄線の間をすり抜けて登山道に出ました。

  道標には "三沢" と "飯盛山" とふたつの方向を示す腕木が直交して取り付けてあり、片方の裏側にはマジックインキの手書きで三ツ沢の大タル方面への道案内が記されていました。
 
  道標の袂は山の北面の谷の詰めにあたっていて林間から涼しい風が吹き上がり、素晴らしい休憩スポットでした。
あとは間近に迫った飯盛山まで、一般登山道を進めば良い所に漕ぎつけたので、のんびりゆったり、長い休憩をしました。

  休憩地点から200m ほど下っていった最低鞍部が十文字峠で、野辺山観光協会が立てたルートマップ看板が立ち、向かい側に "正規の脱柵口" がありました。

  十文字峠の先にある丸太階段はこのルート最後のシゴキ場でした。
そこを登り上げて、ヤレヤレと思いながら歩いていった所で思いがけないひと騒ぎがありました。
緩やかになった登り坂を歩いていてフッと先を見ると20m ほど先の道の真中に何か茶色いものがいます。
カヤトの道の真中で鹿が昼寝?と思いながら進んでいったのですがどうもオカシイので "何だありゃ?" と独りごとを言った途端、体長4、50cm の瓜ン坊が3匹ほどピョーンと飛び上がって右横の藪に飛び込み、ひと呼吸遅れて大きい茶色のが左側の藪に飛び込みました。

  偶然、イノシシの授乳室に踏み込んでしまったのですが親子が道の両側に別れ別れになっているのは、かなり具合の悪い状態です。
さぁてどうしようか? ちょっと立ち止まって考えましたがそのまま待っていても状況の改善は望めない、と判断したので裏声まじりの叫び(吠え)声でこちらの所在を知らせるとともに威嚇しながら急ぎ通過してしまうことにしました。
この手は飯豊胆差岳大熊尾根で出遭った猿の群れのボスとの対決に勝利した実績があり、ここでも多分通用する筈と思ったのですが、進みながら横目で見ると、親が逃げ込んだ左側の有刺鉄線がビリビリ震えています。
なかなか気持ちの悪い吠え歩きを2~3分続けて高みを越え、下り坂に入ってようやく緊張から開放されました。

  鎖が固定されている小岩峰を越えると、目の前に飯盛山の穏やかな起伏が広がりました。
カヤトの原に咲いているフウロソウ、マツムシソウ、ナデシコなどを見ながら進んで行った先で右手に折れ、飯盛山見晴台に上がりました。

  朝方、横尾山のカヤトの台地で対面して以来の広大な展望が広がっていました。
雲が出て遠景は失われ、八ヶ岳の上部も隠れてしまいましたが、これまで歩いてきた尾根筋がうねうねと目の前に連なり、近頃最高の達成感を味わいました。
 
イノシシの授乳室を無事通過して上がった飯盛山見晴台から来し方を振り返った    
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  飯盛山は展望が優れているだけでなく、花の名山としても知られているとかで平沢から上がってきている林道の末端に向かう登山道の脇にはナデシコをはじめ、いろいろな花が目を楽しませてくれました。
この数年、下山後に身体が冷えた時、痙攣が起こりやすくなっているので、林道末端を横切って谷道に入ったあたりから大幅にペースを落とし、クール・ダウンに努め、その予防に努めました。

  平沢のロッジ飯盛山では、西向きの二階の部屋をあてがわれました。
はじめ、西日が射し込んで暑いなぁ、と思ったのですが日が落ちてみたら窓の正面に赤岳牛首尾根が見え、八ヶ岳の展望最高の部屋だった事が分かりました。
  前日までは合宿の客で満員だったとのことでしたがこの夜はほかに客がなく、静かな宿りで良い休息が取れました。
夜になって稜線の霧が消えると赤岳石室の灯火が見えました。

<ルートの詳細>





  GPS スライドショー



  Flickr の元画像スライドショー



  ルートマップ
          (国土地理院地形図による)
 

8月4日(晴のち曇)
    獅子岩、野辺山天文台、賽の河原展望台
 
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<行動時間>
    平沢宿舎[8:00]=(宿の車)=[8:10]獅子岩(8:27)-(9:00)国立天文台野辺山宇宙電波観測所(10:15)-(10:47)野辺山駅[11:38]=(小海線)=[11:45]清里[12:00]=(清里ピクニックバス)=[12:13]清里ハイランドパーク=[パノラマリフト]=(12:30)賽の河原展望台(13:30)=[パノラマリフト]=(13:45)清里ハイランドパーク[14:09]=(清里ピクニックバスで周遊)=[14:43]清里[15:32]=(小海線)=[15:56]小淵沢[16:16]=(ホリデー快速ビューやまなし)=[18:15]八王子=長津田=[19:31]宮崎台

<概要>
    3日目の朝も晴れ上がって最高の天気になりました。
今回は期待以上にうまく山が歩けて大いに満足していたし、少々疲れてもいたので予定の八ヶ岳横断歩道歩きは中止。
野辺山電波天文台を見学したあと清里・野辺山あたりの景色を見てまわって帰ることにしました。

  朝食のあと、宿の主人に車で飯盛山中腹の獅子岩まで送ってもらいました。
このあたりの山に詳しい人で、武田信玄が佐久を攻めたときに開いた棒道の跡やナウマンのフォッサマグナ(中央構造線)発見は平沢に泊まった次ぐ日の朝、野辺山の方に登ってゆく途中で見えた景観による、ということなどを教えてくれました。

  獅子岩の巖頭から見えた山岳展望は期待を上回るものでした。
南から西にかけて、南アルプスと八ヶ岳が連なっていました。

獅子岩巌頭の展望(1)    
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後ろを振り返ると野辺山高原の背後に男山と天狗山、御座山など佐久の山々が並んでいました。
 
獅子岩巌頭の展望(2)    
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  存分に獅子岩の展望を楽しんだあと飯盛山登山口の道路に戻り、左へ坂を下って野辺山電波天文台に向かいました。
野辺山の天文台は何度となく脇を通り過ぎ、とても気になっていた所でしたが、林立する沢山のパラボラアンテナはレール上を動かしてモードを変更できるばかりでなく、世界各地にある電波望遠鏡とも連動して宇宙の深淵を探り、星のライフサイクルの解明を進めていると知り、感嘆しました。

  正門に戻る途中の道では、前日歩いた尾根筋を見渡すことができました。
 
野辺山天文台構内から見えた前の日に歩いた尾根筋    
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  天文台の見学で山登りとは違う満足を得たあと、野辺山駅に向かいました。
野菜畑の向こうに連なっている八ヶ岳が綺麗でした。 
 
野辺山野菜畑の先に見えた八ヶ岳    
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  野辺山駅前の店に入って蕎麦を食べたあと、テイクアウトのコーヒを持ってこの駅から始発する登り列車に乗り込み、清里まで移動。
駅の脇のターミナルから出ているピクニックバスに乗って清里ハイランドパークに行き、夏山リフトを乗り継いで八ヶ岳牛首尾根下部の賽の河原に上がりました。

  はじめ向かい側の山に雲がかかっていて野辺山高原が見えるだけでしたが、小1時間ほど経つうちに徐々に雲高が上がり、佐久の山々から奥秩父の尾根筋が見えてきました。
 
野辺山野菜畑の先に見えた八ヶ岳    
(クリックすると拡大、スクロール)
  景色を十分に楽しんだあとリフト乗り場に戻って山麓に下り、またバスに乗って清里界隈をぐるりひと周り。
清里駅に戻ってこの日二度目のそばを食べたあと、上り電車に乗って帰途に就きました。

<ルートの詳細>





  GPS スライドショー



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☆おわりに
    老父の死亡による葬儀などで例年のみちのく山巡りなど、長期山行ができなくなっている中、長年、登り漏らしたままになっていた横尾山と飯盛山とに登頂できただけでなく、両者をつなぐヤブ尾根ルートのトレースにも成功し、満足度の高い山行となりました。

  情報収集がうまく行き、好天にも恵まれたほか、信州峠北麓の武蔵野市川上郷自然の村と、飯盛山南西麓 平沢のロッジ飯盛山と、良い泊り場に巡りあわせたこともこの山行の成功の要因でした。
  偶然、イノシシの授乳室に踏み込んでしまった時はびっくりしましたが、これまで何度か山中で動物と遭遇してきた経験が役に立ち、無事に切り抜けることができました。