下北半島、吹越烏帽子(2012.9.25)



☆期日/天気/山行形式: 2012年9月25日 山巡り宿舎より日帰り単独行
☆地形図(2万5千分1): 陸奥横浜(野辺地10号-4)
☆まえがき
    下北山巡りの二番目は吹越烏帽子でした。
この山はマサカリの柄の部分にあって太平洋と陸奥湾を見渡す展望峰、風衝草原に咲く花の名山でもあるようです。
地形図を見るとむつ横浜町と六ケ所村との境界線上にあることが分かりました。
六ケ所村の使用済み廃棄物処理施設の中には、現役時代にチョッと手伝ったシステムがあったりして、いささかの感慨もありました。

吹越烏帽子 南から西北への展望  
 (クリックすると拡大スクロール)
☆行動記録
<行動時間>
    下北[8:05]=(JR大湊線)=[8:28]陸奥横浜[8:40]=(Taxi 4520円)=[8:55]登山口(9:05)- 380m 地点(9:46/52)-吹越烏帽子(10:10/30)- 380m 地点(10:44)-登山口(11:20)-第一明神平(11:45/52)-T字路(12:07)-(12:53)二又[13:14]=(Taxi 2260円)=[13:22]吹越駅/中吹越バス停[14:52]=(下北交通バス 950円)=[15:48]田名部 むつバスターミナル[17:45]=(下北交通バス 230円)=[17:56]下北駅-宿舎
<概要>
    JR大湊線で陸奥横浜まで南下。 駅の南東、道のり約15Km の登山口までタクシーでアプローチしました。
吹越と言う地名は風が強いことを表しているとかで、至るところに林立している風力発電塔が印象的でした。
それにしても各地で見る風力発電塔の大半が回っていないのはどうしてなんでしょうか?
こんな稼働率の低い設備は産業の米と言われる電力の供給源としては、とてもじゃないけど役には立たないのでは、思われます。

  砂利道の林道から右手の自然林の中に入ってゆく登山口の雰囲気は、8月に登った高登谷山の登山口を彷彿させました。
穏やかに登って行くとまわりが杉の人工林から自然林へ変わりました。
傾斜が増してきた所を登って尾根の背に上がると徐々に樹高が低くなってまわりが開けて来ました。
380m 圏の小広場で休憩したあと赤松がまばらに立っている尾根を登ってゆくとカヤトに変わり、頂上が見えてきました。
  頂上直下は風衝で形成されたと思われるガレ場の急登になりました。
背後に広がってきた広大な展望に励まされて、もうひと踏ん張りすると頂上の一角でした。

  頂上は笹と茅に囲まれた天然芝の広場で南北に細長く、三角点標石、木の祠、鳥居などがありました。

  北の方は隣の高い山に視界を遮られていますがそちら以外は広大な視界が開けていました。

  東に太平洋、西に陸奥湾、南の方には八甲田の山並み、さらにその右奥に岩木山の山影も見えました。
  北西の方向はマサカリの頭の部分で、大湊港の奥に釜臥山を盟主とする恐山山塊が目立ちました。

  誰もいない山頂を独り占めして存分に眺めを楽しんだあと下山に掛かりました。

ガレ場の上部で単独者とすれ違いましたが、、この老ハイカーが、今回の山旅の間、山中で出遭った唯一の "人間" でした。

  高原状の山麓に林立している風力発電塔を眺めながら尾根を下って赤松の間へ。
さらに下って潅木帯に入るあたりまで、様々な花を見ることができました。

  中腹の樹林から登山口に出て、第一明神平の集落に戻ったところまでは至って順調だったので今日は楽勝と思ったのですがこの油断がもとでご粗末な失敗をしました。
  集落の下手で広い車道に突き当たるT字路を右折すれば容易に吹越駅に行けたところをウッカリ左折。
呑気に歩き続けて六ケ所村の二又まで行ってしまうと言うルートミスをやってしまいました。

  因縁ある六ケ所村の再処理施設に吸い寄せられたのだ、とか言い訳をしたいところでしたが、アプローチで利用したタクシーが走った経路をしっかり見ていなかった上にハンディー GPS の画面に表示された地図をきちんと読み切らず、現在位置をいい加減に判断してしまったのが原因でした。

 道迷いで思わぬ遠回りをすることとなりましたが、そのおかげで左の写真のような、日本離れした景色を見ることはできました。
(画像をクリックすると拡大します)

  二又まで進んで行ったところでどうも様子がおかしいなぁと気づき、立ち止まって考え込んでいたら前の民家から女性が出てきたので吹越の駅はどっちですか、と尋ねたら反対向きに歩いてきているよ、と言われました。
  最寄りのタクシー会社の電話番号を教えてもらって呼び寄せ、今歩いてきた道を戻って吹越駅に出ましたが僅か数分違いで午後の下り列車を逃してしまいました。
  次の列車が来るまで4時間も待たなければならないことが分かって、サテ困ったなぁ、となったのですが線路の西100m ほどを並行している国道に沿って野辺地-田名部路線のバスが運行されていることは調べてありました。
中吹越バス停ポストを探しあて、時刻表をチェックしたところ1時間半ほど待てば田名部行きの便が来ることが分かりました。
  国道の十字路の角にあったコンビニで食べ物と飲み物を仕入れ、店の前のベンチに座って飲み食いをしながらのんびりバスを待ちました。

  午後早く下北駅に戻れたら大湊まで足を伸ばし、北洋館など大湊基地のあたりを散策する予定でしたが道迷いのせいで帰りが遅くなったため中止。
田名部バス終点近くに残っている旧下北交通大畑線田名部駅の廃線跡などを見てまわったあと下北駅近くの宿舎に戻りました。

<ルートの詳細>




 吹越烏帽子の GPS スライドショー



Flickr の元画像スライドショー


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☆おわりに
  道迷いのお蔭で緩やかにうねる草原に佇む牛の群れ、丘の背後で回っている発電風車、そして超高圧送電線鉄塔の景色を見ました。
日本離れした景色でしたが、丘の背後には廃棄物処理場や石油備蓄基地がある訳ですから、近頃の日本の争点が集中した景色でもあるのだなぁ、とも思いました。