本栖湖北岸稜線 パノラマ台から中之倉峠へ (2011.6.24)



☆期日/天気/山行形式:
2011年6月24日(薄曇) 日帰り単独 ミニ縦走
☆地形図(2万5千分1): 精進(甲府8号-8)
☆まえがき
  梅雨の中休みの運動にと三つ峠南尾根を歩きに行ったのだが、週日は登山口まで行くバスが運行されないことが分かった。
急遽目的を変更、この日のセカンドチョイスだった本栖湖北岸稜線へ転針した。
富士五湖をめぐる尾根筋の最奥部で精進湖西のパノラマ台付近から分岐して本栖湖の北から西へ、グルリと廻って雨ヶ岳、端足峠、竜ヶ岳へ繋がっている稜線である。
アプローチが不便な上に登高欲をそそるピークもないためかルートの状況に関する情報も見られないまま未踏になっていた。
三つ峠付近の近況を確かめるためガイドマップを更新してみたところ、本栖湖後背稜線の尾根筋にルート線と標準タイムが書きこまれているのを見つけた。
大半が破線で整備状態は不明だが、強烈な熊笹藪漕ぎを強いられて酷い目にあった大昔の竜ヶ岳のようなことはあるまい、と思った。

パノラマ台の展望  
 (クリックすると拡大 スクロール)
☆行動記録
<行動時間>
    宮崎台[6:30]=長津田=八王子=高尾[7:47]=[9:26]河口湖[9:40]=(富士急山梨バス \980)=[10:03+5]精進湖入口(10:08)-パノラマ台下(10:38/50)-パノラマ平(11:15)-根子峠(11:40)-下部道分岐(11:52)-パノラマ台(11:55/12:25)-下部道分岐(12:32)-ブナ・ミズナラ美林(12:55)-中之倉峠(13:23)-展望台入口(13:27/30)-本栖湖浩庵荘(13:45/15:00)-(15:05)浩庵荘入口バス停[15:26]=(富士急山梨バス \780)=[16:05]下部温泉郷[16:24]=(身延線)=[17:35]甲府[18:05]=(スーパーアズサ #28)=[19:02]八王子=長津田=[20:05]宮崎台

<概要>

    河口湖駅に着いてすぐ、登山口へのバスがなくて三つ峠行きは難しいことが分かったのだが雲が多いながら風が爽やかな梅雨の中休みの日を無駄にしたくないと思った。
駅舎横手の観光案内所に行って、本栖湖方面のバス時刻表とハイキング案内パンフレットをも貰い、9時40分発の富士宮/新富士行バスで出発した。
精進湖入り口で下車し、国道139号線から右手に分かれている車道に沿って歩いてゆくとやがて精進湖が見えてきた。
  歩き出して30分ほどでパノラマ台下バス停ポストが立っている登山口に着き、ひと休みしながら支度を整えた。
パノラマ台への歩道はよく整備されて歩きやすかったが、足腰の関節や筋肉が錆付いているような感覚があって調子が悪いのは、雨続きの運動不足せいか、歳のせいか?
それでも尾根に乗ってパノラマ平に着く頃には身体が暖まり、幾らかはましな状態になった。
根子峠で尾根に上がり、僅か進んで "下部町へ" と記した腕木のある道標の先の緩やかな下りを僅か進むとパノラマ台の広場だった。

  誰も居なかったので展望盤の台座に腰を降ろし、大展望を眺めながら休憩した。
富士山の頂上には、冒頭パノラマ写真のように、綿帽子がかぶさっていたが、富士五湖周辺はもとより、奥多摩、奥秩父方面まで沢山の山が見えた。
どの山も何度となく足を運んで思い出がいっぱい詰まっている。

  "下部町へ" の道標まで戻り、左手に分かれている細道に入るとすぐに下りになった。
暫くの間、やや急な尾根の背を折れ下った。
所どころで密生した笹の間の隙間をすり抜けて進んだが、特にルート・ファインディングを要するような所もないうちに平らな尾根の背に乗った。

  地形図に1178m と記入されているピークのあたりは尾根の右肩を進んでゆくと広々した尾根の背にブナやミズナラの大木が林立している美しい森があった。
そこを過ぎたあと古い薬莢が沢山落ちている尾根の背を乗り越えて左肩に移り、1146m 峰は南肩を巻いて越した。
  樹木の間にチラチラと本栖湖の水面が見えたあと右手に派生している尾根を見送るとすぐに三叉路に着いた。
角に20cm 角、高さ50cm 程の石柱が立っていた。
平仮名の道案内が刻まれ、左に鋭角的に折り返すのが本栖湖への道と分かった。

  時間的にはもうワンピッチ頑張って仏峠まで行き、この尾根筋にひと区切りつける事も可能だったが、そちらは先にある竜ヶ岳や雨ヶ岳と組み合わせて歩いてみたい、と思った。
その時のために峠の下にある浩庵荘の様子を見ておいた方が良い。

鞍部のすぐ先にある富士山展望台入り口まで偵察したあと下山口に戻り、分岐点から20分ほどで本栖湖岸の車道に降り着いた。
写真家の岡田紅陽氏が千円札裏面の富士山の図案の元になった写真を撮影した所で、車止めの広場と立派な公衆トイレがあってツアーバスやマイカーが頻繁に出入りしていた。

  浩庵荘は広場より100m ほど奥にあって食堂、民宿と湖岸のキャンプ場を経営していた。
食堂で笊蕎麦を食べながらおやじさんにルートの様子や帰りの交通の便を教えてもらった。
富士五湖地域最奥のこのあたりはバスが少なく、家に帰るには午後一本だけ運行されている下部温泉行き(浩庵荘入口 15:26)を利用するか、湖岸を4Km 程歩いて本栖入り口バス停から139号線沿いに運行されている路線を利用するかと言う事が分かった。

  七面山、伝付峠への入山口として何度か通ったことがある下部温泉に興味があったので下部温泉、甲府まわりで帰ることにした。
中之倉、古関に下って行く車道は日光のいろは坂に似て、紅葉の季節が綺麗という。
下部温泉駅から身延線の甲府行電車に乗って帰途につき、芦川山域入りで何度か通っている市川大門、芦川、東花輪などの駅の様子を見て帰ったのだが、下部から甲府まで、僅か40Km 程を走るのに1時間以上もかかったので驚いた。

<ルートの詳細>




  GPS スライドショー



  Flickr の元画像スライドショー



  ルートマップ
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☆おわりに
    今回は図らずも本栖湖後背稜線の一部を偵察した。
静かで綺麗な好ましい尾根筋だった。
富士五湖周辺最奥の不便な山域を歩く際に必要な泊り場として浩庵荘が利用可能と分かった。
紅葉の時期は特に綺麗と言うことなので時期を選んで再訪したいと思っている。