筑波山-きのこ山-足尾山-加波山-雨引観音(2010.4.24-25)


☆期日/天気/山行形式: 2010年4月24-25日 単独縦走、山麓旅館利用
☆地形図(2万5千分1): 筑波(水戸15号-4)、真壁(水戸15号-3)、加波山(水戸15号-1)、
                                   岩瀬(水戸14号-4)
☆まえがき
    2月下旬、年寄りグループで筑波山の梅林に行った。
たまたま前の日に雪が降り、雪中の紅梅と筑波山の雪景色を楽しんだが、八郷小幡で猪鍋をつついているうちに筑波の北の山連なりにある加波山が未登頂のままになっていることを思い出した。

  加波山は標高710m 足らずのマイナー低山だが、山岳宗教、自由民権運動、そしてみかげ石の産地として知られている。
山麓の公共交通機関がほぼ全滅状態のため車が使えないとアプローチが非常に難しいが、反対に車を使うと頂上直下の加波山神社まで舗装林道が通じているため僅か20分ほどで登頂でき、"山" ではなくなってしまう、と言う困った山だ。

  せっかくの山なのだからただ頂上を踏んできましたと言うのではなく、この時期にふさわしい、新緑と花を楽しむ山歩きをしたいと思った。
尾根続きの北端を水戸線がかすめていて岩瀬駅からのアプローチは容易だから南端の筑波山まで行ってしまえばアプローチのネックは解消できるし、加波山頂上直下の神社宿坊に泊まることも可能だということも分かったので一泊二日の縦走計画を組んだ。

  あとで記すように予定日まじかに急遽計画を組み直し、筑波山から北上して、岩瀬駅に下山することになったが、この山域の森が最も美しくなる時季を引き当てた形となり、好天にも恵まれ、静かな春の低山のロングルートを楽しんだ。
  冬の間、低山にばかり行っていたので体力に自信がなかった。
二日目の最後の部分ではかなり疲れが出たが思ったより順調に歩け、アウトドアシーズン幕開けのトレーニングとして有益だった。
尾根の最後の部分の手前から雨引観音に下り、里道を歩いて岩瀬駅に出たが、北関東有数の古刹の境内には美しい建物が立ち並び、ここを訪れて良かったと思った。

筑波山御幸ガ原から加波山方面への展望  
 (画像をクリックすると拡大)

行動記録とルートの状況


☆4月24日(晴のち一時雨)
<行動時間>
   宮崎台[6:52]=北千住[8:11]=(つくばエクスプレス)=[8:45]つくばセンター[9:00]=(バス)=[9:50]ツツジヶ丘[10:00]=(ロープウエイ)=[10:06]女体山駅(10:10)-女体山(10:18/22)-御幸ガ原(10:40/45)-ユースホステル跡(11:15/25)-裏筑波キャンプ場(11:45/12:00)-湯袋峠(12:48)-上曽峠(13:50/14:00)-きのこ山(14:45/15:00)-つぼろ台(15:20/25)-市営レストハウスみかげ(16:05/15)-旧真壁駅(16:53/57)-(17:05)真壁町の旅館
<概況>
    北千住から筑波エキスプレスでつくばセンターに行き、バスに乗り継いで筑波山に向かった。
天気待ちで一日遅れたため週末に掛り、バスは何人か立つほど混んだいた。
このごろは自転車と登山が流行りだしているとかで、新しいウエアーやザックの若者が目立った。

  バスの乗客の大部分は筑波神社バス停で降りて、つつじヶ丘まで行ったのはごく僅かだった。
さらにつつじヶ丘まで行った人達もあらかたは歩いて登り、ザックを担いでロープウエイに乗ったのはただひとりだった。

  ロープウエイ終点からひと登りで巨岩が積み重なる女体山に着いた。
イザナミノミコトを祀る女体神社に前途の安全を祈り、加波山方面へ伸びている尾根繋がりを確認した上で御幸ガ原に向かった。

  御幸ガ原は、思ったより閑散としていたが、山裏に下降する前に広場の端に行き、前途の尾根の繋がり具合を確認した。
冒頭パノラマ写真のように、正面に見える加波山は高さはないがかなり遠くに見え、終着点の岩瀬駅近くまで延びている尾根の末端は遥か彼方だった。

  山の裏側の泥んこ道を下り、ユースホステル跡から林道を歩いてキャンプ場に着いたら大木の山桜が満開だった。
広場の端の野外ベンチで山麓の景色を眺めながら長い休憩を楽しんだ。

裏筑波キャンプ場から関東平野の展望    (画像をクリックすると拡大)
  キャンプ場から沢道を下って湯袋峠へ。  さらにひと山越して上曽峠に着いた。
ふたつの峠の間は舗装林道だったがランニング登山の5人パーティとサイクリスト3人に出遭っただけで静かなものだった。
芽ぶきの若緑と山桜の淡紅色と、道路沿いに咲く色とりどりの花と、時折広がる下界の展望と、最高の林道歩きができた。

  時間と体力とから、初日は上曽峠から山を下って真壁に泊まる積りでいたが、もう少し歩けそうな気がしたので、峠で長めの休憩をしたあと先に進んだ。
筑波山からそこそこの距離を歩いきたあとで上曽峠からきのこ山まで200m あまりの高度差はどうかと思ったが傾斜の緩い舗装車道だったお蔭で、幾分かペースを調節する程度で楽に登ってゆくことができた。
途中から雲行きがおかしくなり、展望が得られなくなったが山の東側に回り込んで高度を上げて頂稜を乗り越すとすぐきのこ山の肩だった。

  林道の下にパラグライダー場があり、その脇に舗装林道が麓から上がってきてT字路になっていた。
道の右手で鋭角に折れ、筑波山に戻る方向にゆるく登った所がきのこ山頂上で、林の間から筑波山が見えた。
頂上の東屋では少し前に追い越して行ったサイクリストが休んでいた。
岩瀬近くからだそうで、このあたりをよく走り回っていと言った。
サイクリストが行ったあと暫らく休んでからパラグライダーエプロン上に戻り、その右脇から笹の間に分け入って真壁への下降を始めた。

真壁市街手前から見た筑波連山 正面がきのこ山、右に筑波山、左に加波山    (画像をクリックすると拡大)
  途中のつぼろ岩でまわりの景色を見ているうちに雨がぱらついてきたので折りたたみ傘を引っ張り出し、さしたり畳んだりしながら尾根を下った。
尾根の下部に分岐があってどちらに行くか迷った。
良く踏まれている感じがした右手の分岐に入ったなだが結果的には誤りだった。
伝正寺に行きたかったところをその北500m 程のレストハウスみかげに下りてしまったので山裾まで降りたところで伝正寺の下手まで横切り、進路を修正した。
町はずれに掛ると真壁城址があり、ついで旧真壁駅跡、さらに街中に入ると立派な門構えの旧家などがあった。
泊まり場の伊勢屋旅館も明治時代の建物で営業していた。 


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☆4月25日(晴)
<行動時間>

真壁(7:45)=[Taxi上曽峠経由 \2240]=(8:05)きのこ山(8:13)-足尾山鳥居(8:56)-一本杉峠(9:30)-自由民権記念碑(9:57/10:05)-丸山ベンチ(10:20/25)-旗立岩(10:32)-加波山頂上・本宮(10:37/40)-加波山神社(11:00/11:05)-東屋(11:24)-燕山(11:30)-雨引山へ 3.1Km の道標(12:15/25)-雨引観音分岐(13:05)-延命水(13:25/35)-雨引観音(13:40/14:00)-参道入口十字路(14:31)-本木コミュニティーセンター(14:35/45)-(15:40)岩瀬駅[16:15]=小山=大宮=渋谷=宮崎台

<概況>
    真壁の町中のレトロな旅館に泊まった翌朝、タクシーで前の日の下降点だったきのこ山に戻った。
山が近く、頂稜まで舗装林道が通じているおかげで僅かな時間でパラグライダー場の上に着いた。
昨日の午後は前線通過で陰鬱な景色だったがこの朝は大気が安定し、雲ひとつなく晴れあがっている。
 
きのこ山から見下ろした真壁市街と関東平野    (画像をクリックすると拡大)
  景色を眺めながら足ごしらえをし、 GPS の電源を入れて歩きだした。
ルートは相変わらず舗装林道だったが車は来ないし、まわりの新緑と山桜が美しく、良い雰囲気だった。
静かで綺麗な奥武蔵とでも言えば良いだろうか?
しばらく歩くと足尾山が見えてきた。  600m あまりの低山に似合わない迫力のある山の姿だった。

きのこ山から進んでゆくと足尾山が見えてきた    (画像をクリックすると拡大)
  林道を歩いたり山道に入ってショートカットをしたりして登り着いた足尾山の肩には、両側がパラグライダー場になっていてふた手の展望が得られた。
左下は桜川市で真壁の市街の先に関東平野が広がっていた。
 
足尾山肩のパラグライダー場から西方桜川市方面の展望    (画像をクリックすると拡大)
  また右下は石岡市の八郷辺りで、広く平坦な谷の向こうに吾国山・難台山の山並みがのぞいていた。

足尾山東麓の石岡市八郷町方面では吾国山・難台山などの山並みが見えた    (画像をクリックすると拡大)
 
  足尾神社の石鳥居の先で林道を外れ、山道でショートカットしてゆくと一本杉峠だった。
峠の向かいから登りにかかり、丸山の西肩を巻き登ってゆくと風力発電のタワーが近づいてきた。
風車の先の鞍部には自由民権運動記念碑が立っていてその左手に加波山の取り着きがあった。

  鞍部でひと息入れたあと手すりつきの丸太で階段を登って頂稜に上がり、さらに緩やかに上ってゆくと加波山頂上の社殿の横に出た。
社殿の先は露岩の多い細尾根で、次々に山岳信仰の祭祀が現れ、ちょっとした高みにはすべて社殿がのっていた。
 
(画像をクリックすると拡大)

  ときどき人とすれ違うようになって固定ロープのある露岩を下り切ると加波山神社本宮の横手の広場だった。
こじんまりしているが金色の装飾が施され風格がある社殿だった
左脇には宿坊と思われる建物があり、泊まり損ねたのはここかな、と思った。

  社殿前のベンチで休んでいると、ときどき参詣者やハイカーが次々通りかかる。
鳥居のすぐ下が駐車場で、下から舗装車道が来ているため、車で容易に来られるためだ。
 
(画像をクリックすると拡大)

  鳥居の先を直進し、山に突き当たったところから左へ砂利の林道を進んでゆくと防災無線の巨大なアンテナが立っている加波山北峰に着く。
アンテナの脇に東屋があり、その先から山道になった。


  燕山の先で断続する丸太階段を急降下して高度を下げたあとは穏やかに上下する尾根道になる。
やや冗長ながら、谷向かいに咲いている山桜を見たりしながら進んでゆくと前方の山の中腹に雨引観音らしい建物が見えてきた。
 
燕山からの急降下が終わると前方に雨引観音が見えてきた    (画像をクリックすると拡大)
 
 (画像をクリックすると拡大)
  全山縦走に拘って雨引山・御嶽山を越して岩瀬駅に直行するか、途中で尾根から降りて雨引観音に立ち寄ってゆくか、迷いながら尾根道を進んで行ったら境界標石に "雨引観音" と記した紙を入れた定期入れが取り付けてあるのを見つけた。
地形図に書き込まれている雨引観音への破線よりかなり手前の地点だったが、笹の間のやや藪っぽい道に踏み込んでみた。

  小沢に入り、さらに小尾根を2本横切って行ったところに延命水と言う清水があった。
東屋の中に水汲み場が設けられていたのでおいしい山の水を飲みながら休憩。

  清水から山の端を回り込むとすぐに新緑と八重桜の境内で、驚くほどの参詣者で賑わっていた。
建物の美しい寺で、多宝塔は高野山を想起させた。
おいしい蕎麦が食べられると何かに書いてあったような気がしたが、露天の焼きそば屋しか見当たらなかったのであきらめ、岩瀬駅に向って旧参道を下った。

  開けたところに出ると左の方の視界が開け、代掻きの田の先の方に見える筑波山がちょっとした達成感を味わせてくれた。
 
雨引観音参道から見た筑波連峰の山並み    (画像をクリックすると拡大)
   参道入り口を示す巨大な石柱が立っている十字路を右折して国道沿いを岩瀬に向かって歩いた。
右手の田の向こうに雨引山から御嶽山への穏やかな起伏が見渡せた。

雨引から御嶽山への山並み    (画像をクリックすると拡大)
 
  久しぶりに二日続きのロングルートを歩いたので岩瀬の町に近づく頃にはかなり疲れが出た。
ペースを抑えてダマシダマシ歩き続け、岩瀬の町に入りかかると旧関東鉄道岩瀬駅の前を通った。
軌道跡を利用したサイクリングロードの終点になっていて、たまたま走り終えたサイクリストが標柱の前に自転車を停め、記念写真を撮っていた。

  JR水戸線の岩瀬は閑散とした駅だったが、筑波山を回ってきたサイクリストが何人かいた。
走り終えてこの駅に着くとの玄関先で自転車を畳み、電車に乗り換えて帰途に就くようだった。

  30分ほど待って乗った小山行き電車からは、二日かけて歩き通した山並みを眺め、苦し紛れの工夫の産物だった二日の縦走計画の、思いがけない成功を喜んだ。


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☆おわりに
    加波山神社の宿坊がユースホステルとして宿泊できることが分かったので、はじめはここで宿泊を前提として、岩瀬駅から筑波山まで全山を縦走する計画を立てていた。
予定日が近づくにつれて初日の予報が悪くなったので1日繰り下げようとしたところ、非常に気難しい応対で、ガミガミ怒られた。
こんな雰囲気では無理やり頼み込んで泊めて貰っても不愉快な思いをするだけ、と思ったので予約をキャンセル、山麓の真壁の観光協会に相談して街中の旅館を教えてもらい、そこに泊まって筑波山から北上する計画に変更した。

 真壁には公共機関がない(に等しい)が、タクシーがあるので、上曽峠からきのこ山あたりを初日と二日目の境にしていったん山を下って泊まり、二日目の早朝タクシーでもとに戻って残りの行程を歩くようにすれば、楽に全山縦走ができそうだ、と言うアイデアだった。

  このアイデアはうまく行き、ご覧のように楽しく歩けた。
舗装林道が多かったが車がほとんど来ないのでのんびり歩け、随所で展望を楽しんだ。


  なお、最後のところで雨引観音にに立ち寄るための下降路は国土地理院2万5千分1地形図に破線が書き込まれていないルートだった。
  ご参考のため、これを含む二日目の行程全体の GPS トラックを地形図に重ねたものを掲出する。
  左はそのサムネイルで頭上をクリックすると元図が表示される。
大サイズ画像で扱い難いかもしれないが適宜利用していただければ幸いである。