相模湖 嵐山から顕鏡寺を経て三ヶ木へ (2010.3.22)


☆期日/天気/山行形式: 2010年3月22日
☆地形図(2万5千分1): 与瀬(東京15号-1)
☆まえがき
    分県登山ガイド神奈川編シリーズもいよいよ最後の山となった。
相模湖の嵐山はわずかな時間で登降できる小山のため少々物足りないかも、と思ったので隣の石老山中腹にある顕鏡寺にも行ってみる計画を立てた。
石老山は大分昔に登っているのだが、大明神展望台から登頂したあと東へ尾根を伝い、 675.4m峰から南麓の牧馬の下手へ藪尾根を降りたため、顕鏡寺を通っていない。

  好天の日を選んで軽装で出かけてみたところ、抜けるような青空に恵まれ、至る所で素晴らしい展望を楽しんだ。
石老山の麓の里道の雰囲気が良かったので、津久井の三ヶ木まで歩いた。
低山一個半と里道歩きとで足腰の運動も十分にでき、満足した。

嵐山頂上の展望  国境の山のあなたには真っ白な "南" の山影も見えた  
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☆行動記録とルートの状況

<行動時間>
    宮崎台[8:00]=長津田=八王子=高尾=[9:35]相模湖(9:45)-相模湖大橋(10:00)-嵐山登山口(10:07)-嵐山(10:38/50)-鼠坂国道陸橋(11:50)-関口石老山入口(12:33)-顕鏡寺(12:48/13:13)-内郷国道(13:45)-道志橋(14:10)-(14:25)三ヶ木バスターミナル[14:36]橋本駅=長津田=[16:46]宮崎台

<ルートの状況>
    下は GPS 軌跡と各地点の写真とを Google Maps 上に配置した EveryTrail の旅記録共有サイト・アルバムである。  右側のリンクをクリックしてご覧いただきたい。



GPS トラック・アルバムを見る















<主な展望地のパノラマ>

    相模ダムの近くに架かっている相模大橋を渡って左折。 発電所の先から右手の山に取り付き、杉林の中をジグザグに登って尾根の背に上がると眼の下に与瀬の街と相模湖の水面が見えた。
左手、御坂あたりの山並みの背後に富士山が真っ白な顔を出していた。

相模湖嵐山尾根上からの眺め  
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嵐山の頂上広場し   (画像をクリックすると拡大)

   嵐山の頂上は広く平らな所で、産霊宮水上(むすびのみやみなかみ)神社、数基のアンテナ、野外テーブルなどがある。
広場の西端に立つと冒頭のような大パノラマが展開する。

  東海自然歩道のルートにもなっているので西の方から辿ってきた者はこの景色を眺め、行く手真近になった高尾の山並みを見て感激するに違いない。

  場所と高さからは絶好の富士展望点である筈なのだが樹木とアンテナに邪魔をされ写真にならなかった。
  南麓 鼠(ねん)坂への下降路は神社の左脇から始まる。
鼠坂には、もとはピクニック・ランド、今はプレジュアー・フォーレストと呼ばれている遊園地がある。
神社の後ろからわずか頂稜を辿ったあと右下の沢に入ってしばらく下ったあと山裾を廻ってゆくため、山が小さい割には歩きでがあった。
何度か尾根を乗り越し、沢溝を横切って行くとようやくバギーカート場の下手に出てエンジン音が聞こえてきた。
右手に廻ってゆくと金網の柵に沿った道になり、左前方に駐車場が見えてきた。
老人センターの横手を過ぎると鼠坂の国道の上に架かっている橋があり、それを渡ると鼠坂集落の中に入った。
集落の中は要所に石老山・顕鏡寺を示す道しるべが立っているのでそれに従って歩き、石老山の麓の小高い所に出た。
  来し方を振り返ると、今歩いてきた嵐山が穏やかな姿で横たわり、遊園地の施設と山麓の集落が良い感じだった。 

小文字による見出し  
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  石老山の麓の山林に入り、左手に回り込んで関口の集落に向かった。
山道に入ってすぐ、舗装林道を横切る所が少し紛らわしかったが送電線鉄塔の脇からわずか山に向かって進むと土道の林道に出会い、突き当たりに左手に進むよう指示する手作りの道標があった。
山腹を横切ってゆく林道は人も車もあまり来ない様子で、自然林の流れを渡ったりして気分が良かった。

  ひょっこり関口の集落の道に出た。
何度か折れ曲がって行くことになるが角ごとに道標が立っているので迷わずに済む。
坂を登って行った先に相模湖病院があり、その後側の駐車場こに上がる石段の脇に顕鏡寺・石老山の入り口を示す道標が立っていた。

  病棟の前を通り過ぎて小沢に入ると石畳の道があった。
沢にはほとんど水流がなく大岩が積み重なっている中を縫うように登ってゆく。
大岩には名前が付いていて、かつてこの山と顕鏡寺が山岳宗教の修行場だったことを暗示している。
ひと登りで顕鏡寺山門の前に出た。
思いがけない立派な寺が山中に出現したので驚いた。
嵐山の頂上からここまで、ほとんど休まずに来たし、昼飯時にもなっていたので、本堂の横のベンチで長い休憩をした。
正面は道志川と相模川の合流点付近にできた広大な台地で、左手は南高尾の尾根続き、正面奥手には津久井の城山がもっこり盛り上がっている。

石老山 顕鏡寺本堂脇の展望  
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  景色と地形図を見比べ、三ヶ木までそんなに遠くないことを確認した。
登ってくる途中にあった関口集落の雰囲気が良かったし、時間もまだ早いから石老山登山口で便数の少ないバスを待つよりは、三ヶ木まで歩いてしまおうという気になった。
道志上人が籠ったと伝わる岩窟や鐘撞堂を見たあと山門を出て正面に上って来ている車道を下った。
少し進んで所から左手に曲がり下りて行くと意外に高い所に新しい住宅地が開かれていてその屋並みの間に入った。
昔からの家が散在する関口の集落まで下ると、朱塗りの橋が架かっていて袂に "是従顕鏡寺境内" という風な文字を刻んだ石柱が立っていた。

  正面に南高尾の山並みを見ながら緩やかに下ってゆくと増原で、青空を背に咲きかかりの枝垂れ桜の大木がとても綺麗だった。
内郷で国道に合流、右折して帝京大学ある高台の裾のを歩いて三ヶ木に向かった。
道志川に架かっている橋の途中で右手を見ると、津久井湖のヘッドウオータの先に今降りてきた石老山が穏やかなスカイラインを描いていた。

道志橋から津久井湖の水面越しに見た石老山  
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  橋を渡れば津久井 三ヶ木は近い。
 ゆるい坂を登って街中を歩いてゆくと道志の谷から出てきた道が合わさるT字路があり、そのすぐ先が橋本方面へのバスが頻発している三ヶ木ターミナルだった。
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☆おわりに
    相模湖嵐山はとても眺めの良い山だった。
好天と展望に恵まれ、楽しい低山歩きができた
山は小さかったが、石老山顕鏡寺と合わせてひと山半登り、三ヶ木までの里道歩きもしたのでそこそこ足腰の鍛錬にもなった。

  これまでで分県登山ガイド神奈川編の山はひと通り網羅したことになる。
もう一度頂上に上がって展望を楽しみたい山、前とは違うルートから登ってみたい山、 印象がはっきり残っていないのでもう一度と思う山もある。
これらには、随時、登りに行ってみたい。


参考のため国土地理院地形図に GPS トラックを重ねたものを掲出する。
サムネイルなのでクリックすれば拡大する。