東秩父、白石-笠山-萩平-皆谷(2008.01.13)


☆期日/山行形式:
2008年1月13日  単独、日帰り、軽ハイク

☆地形図(2万5千分1): 安戸(宇都宮16号-2)

☆まえがき
    年末年初は地球温暖化を象徴するような暖かい日が続いていたが、みなが仕事場に戻る頃から大陸の寒気が南下してきて、本格的な冷え込みとなった。

前年末からいじりだした Linux のせいでディスプレイの前に座り込んでいる時間が長くなっているので運動不足を解消すべく、また定番の外秩父に行くこととした。

  今回の主要目的は笠山北尾根のトレース。
この山へのもっともポピュラーなルートだが前に登ったときは後側にある神社の峰から破線ルートを通って栗山へ下ったため未踏になっていた。
もしこの山ひとつだけでは物足りなかったら、下山路の途中で萩平の東の尾根に上がり、リュウゴッパナから物見山を経て学校入口バス停に下りるおまけルートを付け足すことにした。

笠山頂上にて、手前左の皇鈴山の先は榛名山、中央赤城山から日光連山へ   (クリックで拡大)

  天気予報で選んで出かけた日は冷たい雨が降った翌日だったため大気が洗われて清んでいた。
雲がやや多目だったが、関東平野とそれを取り巻く山々の眺めが良かった。
山の高い所が雪に覆われていたお蔭で、今シーズン初の雪尾根歩きができたのは思い掛けない儲けものだった。


☆行動記録とルートの状況
    宮崎台[6:36]=渋谷=池袋[7:30]=[8:44]小川町[8:48]=(イーグルバス)=[9:20?]白石車庫(9:35)-小休止(9:55/10:00)-笠山(10:55/11:05)-林道(11:25/30)-萩平T字路(12:00/20)-皆谷(12:50/55)-(13:18)内出[13:18]=[13:36]小川町駅入口-(13:44)小川町駅[14:14]=朝霞台=府中本町=溝の口=宮崎台



◆今度の山行はたまたま日曜日の山行になった。
東武東上線終点の小川町駅から白石車庫へ行くバスの便に間に合わすため程ほどの早起きをし、通い慣れた道順で小川町に向った。

  ターミナルに止まっているバスは満員。  通路にも大勢立って居るほどだった。
  これはこれはと思ったが、一部は橋場で、残りのほとんどが皆谷で降り、終点まで行ったのは全部で3人だけだった。
  東屋の向かいにある茶店 "やまびこ" も3月まで休業と書いた紙を貼った戸を閉じていた。

  笠山の登り口を示す道標は見えなかったが茶店のすぐ先で左に分かれている舗装道に入った。
200m ほど進むと最奥の民家の下の石垣に "笠山" と記した道標が立っていた。

  小沢の流れに沿って少し登った所で流れを渡り、右手の杉林の中に入った。
緩くもきつくもなく、強張った身体を解すのにちょうど良い加減の登りだった。

  ひと登りした所で舗装車道を横切った。
右は七重峠、左は皆谷に通じている。



     車道の向かい側の山に入って杉林の中をひと登りしたあと右手に巻いて行くと自然林に変わり、樹木の間に白石峠のあたりが見えてきた。


  また林道に出た。
こちらは砂利道で前日降った雪がウッスラ残っている。

  林道を渡った先から登りがすこし急になる。
路上の雪も増えてきて次第に雪山っぽくなってきた。

  この辺りの山へはストックを持って来ないことが多いのだが今度は何とはなしの予感があった。
どこかで路面が凍結しているかもと、リングとメタル石突の冬用ストックを持ってきたのは正解だった。



  傾斜が強まり、雪も増えてきたのでスリップせぬよう気をつけて登って行くと七重峠の方から登ってきた道が合流した。

  合流点のすぐ先にある小ピークを巻いたあとは緩やかな雪道を僅か歩くだけで笠山頂上だ。


  バス停からここまで、誰にも遭っていなかったのだが、頂上広場に熟年女性がいたのは予想外だった。


  挨拶のあと、一、二話しながらコーヒを飲んでいると奥の峰の方からもうひとりの女性が戻ってきた。
笠山神社に行ってきたようだった。

  二人が降りて行ったあと、あらためて景色を眺めまわし、ページの冒頭に出したパノラマ画像合成用の写真を撮った。

  風が冷たいので短い休憩をしただけで下山にかかった。

  皆谷、萩平方面への尾根は山の北面のため、ウッスラ雪尾根になっていた。
雪の量が中途半端だとかえって滑り易い。

  慎重に降りてゆくと20人を超す大パーティが登ってきた。
見覚えのある顔が混じっていた。
同じバスで来て皆谷で降りたグループのようだった。
相手も覚えがあったようで、もう下りですか早いですねぇ、と声を掛けられた。


  尾根は途中から傾斜が緩み、雪も少なくなった。

  左のような砂利の林道を横切ったあと、杉林の中を少し下ると雑木林に変わる。

  このあたりではもう雪はなく、葉が落ちて明るくなった林の中ををノンビリ歩けるようになったが、歩道の分岐や接近して来た林道のため進路が紛らわしくなった。

  十字路に左手に分岐すれば皆谷と記した道標があったがそれに従うかどうかで迷った。
一旦右手の踏跡から尾根の裏側を回りこんできた林道に入ってみたが、どうも怪しいような気がしたのでもとに戻り、あらためて道標が指示する左手に下った。
結果的にはこれが正解で、右手に回り込むように高度を下げて行き、やがて萩平集落の屋根が見える所に出た。


  砂利林道のヘヤピンカーブを道なりに歩いてゆくとリュウゴッパナから物見山と思われる尾根連なりが見えた。(下)

  鋭角に折り返して下って行った所に萩平T字路と記した道標があり、そこから僅か登って行った尾根上に園地があった。

  公衆トイレがあったのでやや落ち着かない感じになっていた腹具合を収束させた。

  ベンチで休憩しているうちに次ぎの山に向かう意欲が衰えた。
誰のためでもなく、自分の楽しみでやっているただの遊びなのだから気が向かない事は止めようと、皆谷から帰ることにした。


  尾根の裏側は結構な急斜面で車道はヘヤピンカーブの連続になり、歩道は所々をショートカットしてゆく。

  皆谷に着いてバス停の時刻表を見たら30分ほど待たなければならない事が分かった。
蕎麦屋でもあればいいな、と思ったがそのような店はなさそうだ。
  山の上のように冷たい風は吹いてこないが、止まっていれば身体が冷えてくる。

  バスに追いつかれるまで里道歩きをすることにした。


  寒さ防ぎになるし、ひと山省いて歩き足りないのを補うことにもなると考えた。
白石峠の下から発する槻川の谷は地形が穏やかで、日当たりの良い緩斜面に人家が散在している。
上の山村風景は、粥仁田峠に上がってゆく道のまわりに人家が散在する小安戸のあたりだ。

所々にある神社や旧跡を見ながら進んで、小学校、郵便局、駐在所を過ぎ、もう少しで秩父往還との合流点がある落合と言う所で小川町行きバスに追いつかれた。
バス停ポストには打出と記されていた。

  ひと山省いたせいでまだ時間が早かったので小川町駅入口バス停で降り、商店街を見て歩いた。
適当な蕎麦屋でもと思ったが、良さそうな所が見つからないうちに駅まで行ってしまった。

  ちょうど池袋行きの急行が出るところだったが僅かな所で間に合わなかった。
駅員に頼んで改札口から出してもらい、駅前広場に面した料理屋に入った。
ここは蕎麦がなく、ご飯物ばかりだったのでうな玉丼を注文した。
うな玉なんて食べるのはずいぶん久し振りだなぁ、と思ったが、片田舎の店にしてはとても美味しく、飛び切りと言っても良いほどだった。

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☆おわりに
    冬の奥武蔵・外秩父山域に通うようになって3シーズン目だと思うが、まともに雪山らしい状態になっていたのは今回が始めてだったような気がする。
運動不足予防の軽いハイキングのエリヤとしては少々遠目だが、展望の良い峰が多く、関東平野とそれを囲んでいる山々を眺められるのが嬉しい。
谷間の山村風景もなかなか風情がある。

まだまだ歩いてみたいと思っている尾根や峰が沢山残っている。