松阪市内歴史散策 (2008.10.21)


☆まえがき
    局ヶ岳に登って松阪に泊まった翌日の昼前は松阪市内の歴史散策をすることにした。
松阪駅前を12時過ぎに出る熊野行き急行バスに乗って行けば、大台町で伊勢路歩きのシニア仲間が乗り込んできて、ひとりでに合流となる。

  松阪は、これまで何度となく素通りしている町だが、本居宣長の活動の跡をはじめ、見たい所が多い。
時間が限られていたので対象を絞り、松阪城址と本居宣長、三井ほか松阪商人所縁の史跡あたりだけとした。


松阪市街史跡マップ  (松阪市公式サイトより)

☆史跡見学の概要


  朝食のあとホテルにザックを預けて外に出た。

  今も松阪のメインストリートで大店が並んでいる伊勢街道に出て東に向かい、少し歩いた所でひと筋裏の通りに入って進むと松阪商人の館があった。


  その西隣は三井発祥の地だが昔風の門と築地の塀が一部残っているだけだった。

  川のふちに出て北に向かい、少し行ったところで右に分かれる裏道を進むと行く手に森が近付いてくる。

  多分、あれが城址に違いないと見当をつけて適当に道を拾って行き、交差点を渡った先で城址の石垣の袂に着いた。

  右手に坂を上がった所に歴史民族資料館があったが時間が早くてまだ開いていなかった。
そのまま進んだ所に立つ道標に従って城址の裏手にある本居宣長記念館に向かった。

  記念館の建物はさして大きくはなかったが、2階の展示室に大量の文書が展示されていた。
大部分は宣長本人が残した書き物だが、大勢の門弟や後継者などが残した文書も並び、さまざまな研究の経緯や広範な通信の跡を窺えるようになっていた。
実物の迫力に押された。

  記念館の隣に宣長の旧居が移築してあった。
暮らしを立てるため町医者を営み、余暇を国学の研究に注ぎ込んでいたと言う。
鈴の音を聞いて気分転換をする習慣があって、さまざまな鈴のコレクションが残っている。


  宣長の事跡をひと通りを見終わったあと松阪城址の石垣の上に上がった。
石垣の縁まで行ってみると松阪市街が一望だった。
こじんまりした町だが、不調和な新しいビルがないのが良かった。


  城址の入り口に戻り、市役所の前を通り過ぎたところを左に入ると旧長谷川邸がある。

江戸時代からの豪商の屋敷だが、ウダツの上がった建物は均整がとれ、美しい姿をしていた。

  道の向かい側には本居宣長が住んでいたという。
そちらの方は、僅かに古い塀と松の木があるだけで、それらも、本当に古いものかどうか分らなかった。



  上っ面ながら限られた時間で是非見たいと思っていたものはひと通り見られたのでそれなりに満足してホテルに戻った。
途中、薬局に立ち寄って下痢止めの薬を買った。
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