熊野古道小辺路[2]、水ヶ峰-大股 (2006.4.11)


月11日(強風と雨) 高野山=水ヶ峰-野迫川村大股。
                           水ヶ峰、野迫川村総合案内所まで護摩壇山行きバス利用。

☆地形図(2万5千分1):
高野山(和歌山7号-4)、梁瀬(和歌山8号-3)、上垣内(和歌山8号-1)

<タイム記録>

    蓮花院(9:10)-金剛三昧院入口(9:15)-ろくろ峠(9:30/35)-(9:45)千手院橋バス停[10:15]=(高野龍神スカイラインバス)=[10:38]野迫川村総合案内所(11:00)-小辺路ルート合流(11:15)-北股辻南方にある東屋(11:40/45)-今西辻-平辻(11:55)-(12:50)野迫川村大股バス停[13:00]=(送迎車)=[13:05]北今西民宿かわらび荘


☆行動記録とルートの状況


  山口県沖の日本海を進む発達した低気圧の影響で荒れ模様になった。
いい年をして頑張るだけが能ではない。
護摩壇山行き路線バスで水ヶ峰付近まで行き、そこから大股に下降することとした。

  高野山駅発10:05、千手院橋10:15の便に乗れば10:38に水ヶ峰近くの野迫川村総合案内所に着く。
そこからなら大股まで約2時間の下りだからよほど状況が悪くない限り歩き切れるだろう。
案内所のアドバイス次第では、宿に連絡し、車で迎えに来てもらう事もできる。
  バスが来るまで時間があるので、その間に小辺路ルートの始めの部分を見ておくことにした。

表通りの商店の間から入って行く路地があり、角に "金剛三昧院" と刻んだ石柱が立っている。(上左)
その路地を進み、金剛三昧院の敷地の柵の角で右折、坂を登って行くと人家が途切れ、杉林の中に入る。
暫く歩くと左のように開けた所があり、"ろくろ峠" と記した道標が立っていた。
まだ時間が早いとは思ったが、これ以上深入りをするのは止めてもとに戻り、バス停近くの観光案内所で備え付けの資料を見ながら時間を潰した。
  護摩壇山行きバスは大型車だったが他に客がなく "貸切ドライブ" になったので、ドライバーに色々聞いた。
  高野山駅と護摩壇山との間は、冬季以外、午前と午後それぞれ1往復のバスが運行されている。
護摩壇山の頂上はバス終点から僅か30分位で登れるのだそうだ。
護摩壇山はもはや山登りの対象ではなく、誰でもチョッと行って来れる観光地になってしまっているようだ。
  20分あまりで着いた野迫川総合案内所は、頂稜上ながら広広した駐車場の奥にある大きな建物で、みやげ物店と飲食店を兼ねている。
中には、女性二人とオジイさんがいた。
  ホットコーヒを注文し、それを飲みながら雨衣を着け、ルートの様子を尋ねてみた。
台風の時みたいな風だ、と言いながらも、"大股まで何とか歩けるだろうし、 もし厳しい様だったら尾根の高い所からなら、携帯が繋がるから宿に連絡して迎えに来てもらえば良いだろう" と言うアドバイスが貰えた。

  いくらかの腹拵えもした上で外に出た。
僅かな時間で風が強まり、傘を広げては歩けないくらいになっていたので、半開きにしたのを頭に被るようにして歩いた。

  風向きが南東のため、左の様に尾根の左側は風当たりが強いが右側に入ると嘘のように穏やかになる。

  風に扱かれながら進んでいると左のような東屋があった。
天気がよければ景色を眺めながらノンビリ休憩、となる筈の所だが、屋根の下のテーブルにザックを下ろして肩を休ませるのが精一杯だった。

  谷向かいの尾根上に風力発電の風車と、展望台と思われる櫓が見えていた。
そのあたりは鶴姫公園と呼ばれる園地になっている事を後で聞いた。
  東屋まで、少なくとも時間的には順調に歩けたので、大股まで頑張って歩く決心をした。

  進むにつれて高度が下がり、風当たりも和らいできた。
そろそろ良かろうと傘を広げてさしたらそのすぐあとで吹いてきた強風に一発で骨を吹き折られてしまった。

  傘が壊れてしまうと上半身の防水が弱体なのが露になった。
下半身はライトゴアパンツでしっかりガードできていたが、上半身の防水布製ハイカージャケットは徐々に水が透り、下着まで濡れてきた。
大した山ではないからと、雨衣の手抜をしたのを悔いながら歩く事となった。

  ようやく平辻の旧道入口に着いた。(上左)
林道から外れて森の中に入ると林に強風を防いでもらえるようになり、ホッとした。
旧道は、概して尾根の背の右脇を通っていたお蔭で風蔭になり、大いに助かった。


  大分高度が下がったところで、また林道に出た。
舗装の上を水が流れ、川の様になっていた。
間もなく、津田旅館、かわらび荘、野迫川ホテルの看板が立つ道の分岐に着いた。
林道を歩き続けてもかわらび荘に行けそうだったが距離1.9Km は長いと思ったので大股へ直降する歩道に入った。

  ふたたび杉林の中に入り、ひと下りで下の方に集落の家の屋根が見えてきた。
  やがて大股の道路とその付近の建物が近付いてきた。(左)
  大股には東屋くらいはあるのではないかと期待していたがそれはなく、小さな公衆トイレの建物だけで、入口の両脇に登山者カードポストと公衆電話ボックスが掛けてあるだった。

  一段と強くなって来た雨を避けようと、入口のドアを開けてザックを下ろし、宿泊を予約した "かわらび荘" に電話を掛けた。

大股での泊まり場としては、伯母子岳登山口の脇にある津田旅館がもっとも便利なのだがひとり客はダメと、断られてしまった。
  ここに宿泊所が確保できないと、楽な装備で小辺路を歩くプランが組みたたらない。
村役場に電話で相談したところ紹介してくれた泊まり場のひとつがかわらび荘だった。(左)
登山口から約1Km ほど離れた北今西にある釣り場民宿。
気さくなオバアちゃんと無口で美人のお嫁さんが作ってくれた川魚料理と鴨鍋が美味しかった。

  高野山まで迎えにきてくれと言う客がいるのにこの天気の中を良く歩いてきたものだねと言いながら濡れ物干しの面倒見をしてくれた。
お蔭で翌朝早くに起きた時には全てが綺麗に乾いていた。
  この夜泊まりあわせたのは、作業着姿の二人組で、電話線工事か何かで来ているようだった。



☆関連情報
    奈良県吉野郡野迫川村役場: http://www.vill.nosegawa.nara.jp/index2.htm
                                            Tel: 07473-7-2101    FAX: 07473-7-2107
                                            Mail: info@vill.nosegawa.nara.jp
    大股(北今西) 釣り場民宿かわらび荘: 07473-8-0157(車送迎有)
    もう少し西の北今西本村近くにあるホテル のせ川(温泉): 07473-8-0011 も利用可能
    護摩壇山行バス(南海りんかんバス高野山): 0736-56-2250
                                                               http://www.rinkan.co.jp/kyukou.html
    野迫川村営バス: 0747-37-2101
    野迫川タクシー(北股682): 07473-7-2403

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