直線上に配置

雪見岳-毛無山-タカデッキ-雨ヶ岳[3]
(2001.4.13-15)

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4月14日
今日の行程が今度の山行のメインパートで、国境稜線まで登り返して毛無山から雨ヶ岳まで、この山系の核心部を縦走し端足峠から下山する計画だ。 無雪期の標準タイムで8時間近くの長丁場だが昨日以上の藪と残雪を覚悟しなければならない。 早発ちする積りだったのにいろいろで手間が掛かり出発が遅れた。 昨日見た山師屋敷の前を通って谷間に向かう。 ゲートの左手の駐車場に6〜7台の車が来ていた。 好天の土曜日で何人かが登りに来ているようだ。 道標の脇で地蔵峠ルートから分かれ、右手の杉林の中をジグザグに登る。 駐車場から出てきたデイパックの人達に先を譲りながら三十分ほど登ると尾根の上に乗る。 不動の滝見場で、二合目のサインがある。不動の滝は落差50m 程の端正な滝だ。 ルートは非常に良く整備され、合目毎に道標があって励みになる。 急な尾根だが左側の斜面をジグザグに登っては尾根の背に上がる事を繰り返す。
1時間近くで五合目を通過、さらに30分ほどで稜線に上がった。 所々に凍結した残雪がある。 左脇に南アルプス展望台と記した標識があった。 真っ白な姿で立ち並んでいる白根三山から聖岳や笊ケ岳あたりまでが樹木の間から見えた。 
毛無山の頂上は広広した草原で、東から南にかけて樹木が切り開かれ、真近かに大きな富士山が聳えている(左上)。
登りで見掛けた2、3組のほか、地元の冨士から来たと言う10人程のグループが賑やかに休憩していた。 登りの途中から風が急に冷たくなったが寒気が流れ込んでいるようで薄雲が広がり、富士山の八合目以上には乱流が生じていることを示唆する雲がまつわりついている。 久し振りに重いザックを担いで大登りをしたため食欲がなくなっていたがこれからのアルバイトに備えてバナナを胃袋に押し込んだ。
北隣の大見岳がこの山並みの最高点だ。 緩やかにたわんだ広広とした尾根の背を進んで行くと 所々に潅木が散在する草原があって庭園の様な雰囲気を醸している。 花の時期にくれば豪勢な昼寝ができるにちがいない。
緩く登って着いた大見岳の頂上は唐檜の木陰で、西富士宮高校の標柱が残雪から頭を出している。
タカデッキへのルートが分かり難く、二三度下り掛けては頂上に戻る事を繰り返した。 漸く方向を定め、尾根を下って行くと樹木の間から高デッキと思われる青笹のピークが見えてきた。 残雪は多い所で4、50cm 位あって、時々膝あたりまで落ち込む。 コースサインが疎らなため時々ルートを外すとたちまち濃密な笹薮の中でもがくこととなる。 スリムで背が高いザックを担いで来たため、時々潅木の枝に引っ掛かってイライラする。 タカデッキへの最後の登りは南斜面のため雪は消えていたがその代りに笹が良く育っていて強い抵抗に遭う。 すっかり薮バテになって登りついた頂上は縦に細長く、笹に被われただだっ広い感じのする所で、一番高い所だけが伐り払われている(左中)。
疲れを癒すため暫く休んでから雨ヶ岳に向う。 タカデッキからの降り口では雨ヶ岳が思ったより近く低く見えてホッとする。 相変わらず残雪や笹薮が進路妨害をするが雨ヶ岳頂上のすぐ近くまでは緩く下って行く形になっているので楽だ。 雨ヶ岳への登りではまた笹薮が深くなったが距離が短いのであまり時間が掛からずに突破。 突然、切り開かれた道の上に出てスゥーッと楽になる。 平らな所を100m ほど歩くと頂上の切り開きで毛無山から来た2組を含め3パーティが休んでいた(左下)。
間もなく端足峠の方から中年の単独者が登って来た。 色んな雲が出て富士山の眺めがパッとしないのが残念だ。 このあとは端足峠から下山するだけだから数年の宿題が片付いたも同然となった。 ホッとして暫くの間、"行きずりの山仲間" との雑談を楽しむ。 5,6人のパーティが端足峠から登りついたのと入れ代わりに下山を開始。 行く手に竜ヶ岳が見える。 靴が地面に着かないほどの濃密な笹と戦ったことのあるピークだが辰年にちなんで頂上一帯が奇麗に刈り払われ、今では気楽な半日ハイクの山になった。 端足峠からは東海自然歩道を通って県境に出てバスに乗り、白糸の滝近くの民宿に泊った。

                 
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